子どもへの鍵の持たせ方を解説。いくつから持たせていい?トラブルを防ぐ工夫も紹介

夫婦共働きが当たり前になっている現代において、子どもに鍵を持たせる家庭は増えています。
では、子どもに鍵を持たせる際の注意点、トラブルを防ぐ工夫にはどういったものがあるのでしょうか。
子どもには、いくつから鍵を持たせている?
子どもには何歳から鍵をもたせているのか、大手鍵メーカーの美和ロックが公表しているアンケートの調査結果を紹介します。
美和ロックは2020年6月に小学生の子どもを持つ母親498名を対象にした「自宅の鍵の取り扱いや住まいの防犯に関するアンケート」調査を行ないその結果を公表しています。
初めて子どもがカギを持った平均は7.5歳
同調査によると「初めてお子様に鍵を持たせたのは、お子様が何歳のときですか?」という問いに対しての回答では平均年齢は7.5歳でした。
一方で、母親自身が初めて鍵を持った平均年齢は10.6歳でした。
このように母親の世代と比べて現代の子どもは初めて鍵を持つ年齢が約3歳早まっていることが分かります。
小学生の約6割は自宅の鍵を持っている
「お子様に自宅の鍵を持たせていますか?」という設問では、「いつも持たせている」「ときどき持たせている」方の合計は58.1%となっており、約6割の小学生が自宅の鍵を持っています。

学年別でみると「いつも」あるいは「ときどき」持っている子どもは半数近い45.3%となり、学年があがるにつれて持っている割合は高くなっています。
小学6年生では75.3%の子どもが自宅の鍵を持っていることが分かりました。
母親が子どもに防犯教育をしている
「鍵の取り扱いや戸締まりの大事さ」など住まいの防犯について、8割の母親が子どもの指導を担当していました。

96.4%と高い割合でほとんどの母親が「鍵の取り扱いや戸締まりの大事さ」など「住まいの防犯教育」が必要であると認識していることが分かりました。

子どもに鍵を持たせる際のリスクや注意点
子どもに自宅の鍵を持たせるとどのようなリスクがあるのか、注意点なども解説します。
鍵を失くしてしまう、紛失のリスク
子どもに鍵を持たせていると鍵を失くしてしまうことがよくあります。
子どもは注意力がまだ十分育っていません。
また、遊びに夢中になっている間に鍵を落としても気がつくことができません。
そのため、どこでいつ落としたのかも分からないので、探すことができなくなります。
- どこで、いつなくしたか見当も付かない
- 首にかけていたのが、いつのまにか外してどこに置いたのか忘れた
- 知らない間になくしていた
- 学校に通う電車の中でいつの間にか落としていた
- 遊びに行ったときにいつ落としたか分からない
いつも使わないような場合には、ときどき鍵を失くしていないか気をつけてあげると安心です。
子どもが家に入れなくなってしまう
子どもが持っている鍵を失くしてしまうと当然家に入れなくなってしまいます。
近くに子どもが家に入れなくても避難できる親戚や友達の家があれば安心ですが、そうでなければ子どもは家の外で待っているほかありません。
子どもが犯罪に遭う恐れもあり、すぐに帰ることができない親は気が気ではありません。
また、鍵を失くしたけれど家に入りたい一心で鍵穴に木の枝など異物を差し込んで抜けなくなって鍵を使えなくしてしまうことや、窓をこじ開けて家に入ろうとしてけがをするなど、子どもならではの思いがけないトラブルを招く恐れもあります。
紛失による防犯上のリスク
子どもが鍵を失くしたことで、子ども自身が困るだけではなく、鍵を拾われて家に侵入されるリスクも高くなります。
落とした鍵を拾われたからといって直ちに住所が分かるわけではありません。
しかし、子どものランドセルに入れてあれば住所が書いてあるものが一緒に入っていることがあります。
鍵を落としたときの用心のために鍵に住所や名前を書いたタグなどがついていれば当然分かってしまいます。
子どもが特長的なマスコットやキーホルダーに鍵をつけていれば、よく知っている人にはどこの家の子どもが持っている鍵かが分かってしまいます。
子どもに鍵を持たせる際の工夫
子どもに鍵を持たせる場合には、様々なリスクが伴います。
また、鍵の持たせ方によって子どもがけがをすることもありますから、トラブルを防ぐために注意や工夫をしてあげましょう。
子どもに鍵を持たせるときの工夫
子どもが鍵を持つ理由は、当然ながら家に帰っても誰もいないからです。
子どもだけが留守番をしている、親がいないことがすぐには分からないようにあわせて子どもに教えておく必要があります。
そのため、以下のような注意をしましょう。
- 鍵を持っていることが分からないように持たせる
- 鍵をいつも身につけさせる
- 玄関前で鍵をだすのに手間取らないように持たせる
- 家に入るときに「ただいま」と声掛けさせる
- 家に入るとすぐに鍵をかける習慣にさせる
1.鍵を持っていることが分からないように持たせる
首から鍵をストラップなどでぶら下げると、いつも鍵を持っていられることはメリットですが、すぐに鍵を持ち歩いていることが分かります。
また、遊んでいるうちに首に巻き付いてしまうことがあり、子どもが思わぬけがをしてしまう危険もあります。
また、 ランドセルの外側のフックに直接つけることもおすすめできません。
鍵を取り出しやすくて素早く家の鍵をあけることができるメリットがありますが、失くしてしまうおそれが高く、鍵がいつも見えていることで防犯上の心配もあります。
2.鍵をいつも身につけさせる
なるべく子どもに鍵を身につかせるようにしましょう。
ベルト通しなどに伸びるストラップにキーホルダーやキーチェーンをつけて鍵はポケットにいれておけば、ポケットに入っているため落としにくく失くしてしまう可能性が低くなります。
またポケットの中なので、鍵を持っていることが分かりにくいこともメリットです。
3.玄関前で鍵を出すのに手間取らないように持たせる
玄関前で鍵をだすために手間取るようであれば、子どもが鍵を持っていることが分かってしまいます。
手間取らないように持たせましょう。
先ほどのように、キーホルダーなどにつけてポケットに入れておくとすぐに鍵を取り出すことができます。
ランドセルのフックに伸びるリールにキーケースをつけてランドセルの内ポケットに入れておけば、ランドセルを背負ったままリールを引っ張って簡単に取り出すことができます。
4.家に入るときに「ただいま」と声掛けさせる
家に入るときに誰もいなくても「ただいま」と声をかけるようにしておくと、誰かが家の中にいるのだと外の人に思わせることができます。
5.家に入るとすぐに鍵をかける習慣にさせる
家に入ったらすぐに鍵をかける習慣をつけましょう。
さらにチェーンロックまでするようにしておけば安心です。
子どもに持たせる鍵の工夫

鍵をどのように持たせるとよいかを解説しましたが、持たせる鍵についても工夫をしてみましょう。
子どもに鍵を持たせる限りは、落としてしまう心配はどのようにしてもぬぐうことはできません。
また、子どもが安全に家に帰ることができたのかを不安に思う親は多いでしょう。
鍵を子どもに持たせなければ、鍵を落とす心配がありません。
鍵を持つ必要がない鍵には次のようなものがあります。
- 暗証番号方式のスマートロック
- 指紋認証方式のスマートロック
- スマートフォンと連携するタイプのスマートロック
1.暗証番号方式のスマートロック
玄関にタッチパネル式やボタン式のスマートロックを取り付ける方法です。
鍵を持ち歩く必要がありませんから、鍵を紛失する心配もありません。
この方法だと鍵穴がありませんから、ピッキングによる侵入の心配もありません。
桁数は調整がきくタイプがありますが、あまり多い桁数だと子どもが覚えるのがたいへんです。
子どもが暗証番号を忘れると困りますし、忘れてもよいように暗証番号を書いたメモを持たせたりするとメモを落とす心配があります。
2.指紋認証方式のスマートロック
指紋センサーを搭載したスマートロックを取り付けることで、ドアキーにタッチすると解錠される方式です。
指紋を登録しておけば解錠できますから鍵を持ち歩くこともなくなり、失くす心配がありません。
ただし、手袋をしているときや、けがをしたときなど指紋をかざすことができないときは解錠できなくなります。
また、子どもや高齢者の場合は反応しづらい場合があります。
3.スマートフォンと連携するタイプのスマートロック
スマートフォンと連携して解錠できるスマートロックがあります。
当然ですが、子どもにスマートフォンを持たせていなければ使うことができません。
これらの方法では、鍵を持ち運ぶ必要がありませんから鍵をなくす心配がなくなりますし、朝のゴミ出しや郵便受けを確認に行くなど、少し外に出るだけのために鍵を持ちだすことがなく便利に利用できます。
ただし、錠前を取り換える必要がありますから初期費用が高くなりますし、電源が電池の場合は電池切れをしたときに家に入れなくなるおそれがあります。
また、一般の錠前と比べて耐用年数が短いこともデメリットだとされています。
タッチパネル式のスマートロックの紹介
子どもに留守番をさせるときには暗証番号方式のうちでもタッチパネル式のスマートロックが優れています。
まず、子どもに鍵を持たせないため鍵を落とす心配がありません。
タッチパネル式のスマートロックでは以下のようなメリットがあります。
- 同じ暗証番号方式でもボタン式だと特定の番号にこすれや劣化が現れてしまいますがタッチパネル式だとこのような心配がありません。
- 既存のシリンダーに後付けできるタイプだと初期費用を抑えることができ、取り付けも簡単です。
- ネットワークにつながっていますから、いつ子どもが家に帰ったか外出先から分かりますので安心です。
- オートロック機能がついていれば鍵の閉め忘れの心配がありません。
- 仮の暗証番号を発行することができるタイプであれば不意のお客様にも対応ができますし、留守番をしている子どもがケガなどで動きにくい時でも親戚や友達の方に鍵を渡さないで様子をみてもらうことができます。