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鍵を落としたら家がバレてしまう?住まいを特定される手口と対策とは

鍵を紛失しその鍵が他人に渡ることで、家が特定されてしまう可能性はあるのでしょうか。 もし、落とした鍵から家がバレるのであればその手口とはどういったものなのでしょうか。また、鍵を紛失することでどのようなトラブルや犯罪のリスクが発生するのかを考えてみます。

鍵を落としたら家がバレる?悪用される手口とは

自宅の鍵を落としてしまった時、鍵を拾った人に家がバレてしまえば、簡単に侵入されるのではないかと、心配になります。鍵を落としたら鍵から自宅が分かるのか、鍵の複製を防ぐ方法を紹介します。

鍵を落としたら家がバレる?

鍵を落としたら鍵から住所が分かってしまうのではないかと心配をされる方がいらっしゃいますが、鍵だけの情報から自宅が特定されることはありません 通常は鍵自体に住所に関する情報の記載がないため、住所を特定することはできません。 過去のストーカー犯罪において、鍵番号を使って合鍵を作り、女性宅に侵入する事件が起きたことから、鍵番号が分かれば住所が特定されるという誤解が生まれたようです。 この事件では、犯人はストーカーなのでもともと女性宅は知っており、鍵番号を盗むなどして合鍵を作ったのであって、鍵から住まい割り出したわけではありませんでした。

鍵の紛失から住所が分かる場合

しかし、鍵だけでは自宅の住所が分からないとしても、同時に落としたものによっては事情は違います。 住所が記載されているものを鍵と一緒に入れていたような場合は自宅が分かってしまいます。 特長的なキーホルダーを普段から使用していれば知っている人であれば誰のものかが分かりますし、キーホルダーに鍵をつけていて住所がのっているタグを一緒につけているような場合や、身元が分かるものと鍵をカバンに入れていて、カバンごと忘れてしまったような場合には、住所はすぐに特定されてしまいます。 特に運転免許証には住所と顔写真が載っていますから特に危険です。 また、鍵を落とした際に、居合わせた人が鍵を拾いそのまま後をつければ簡単に特定できます。 鍵を拾われても誰の鍵か分からない状況であれば、あまり心配はありませんが、万一、尾行されるようなことがあれば危険です。 また、公園や道端で探し物をしている人を見れば、鍵を拾った人なら「鍵をさがしているな」とピンとくるでしょう。 また友人と立ち話をしているときに鍵を落としたことを話しているのを、鍵を拾った人がたまたま耳にしても同様に危険です。このように、鍵を落としてしまったら自宅を知られ悪用される恐れがあるため、鍵を落としたことに気づいたらできるだけ早く鍵を交換するなどの対策をとりましょう。

鍵番号から鍵の複製をされるのを防ぐ方法

鍵本体があればもちろんのこと、鍵番号が分かれば合鍵屋に行って簡単に鍵を複製できます。 鍵には鍵番号がついていますが、この鍵番号によって鍵のギザギザの刻み方や深さ、大きさなど鍵の形が分かりますから、鍵番号が分かれば鍵を複製することができます。 鍵番号から合鍵を複製されることを防ぐために有効なことは「登録制シリンダー」を利用することです。登録制シリンダーの場合には、合鍵をつくるには登録者カードやパスワードなどによって本人確認がされた後でなければできませんから安心です。

鍵をなくした際にはどのような対応が求められる?

鍵を落としたことに気がついたら、まずは探しましょう。案外落としたと思っても身近にあるものです。 カバンやズボンの中のいつもと違うポケットに入っていることもあります。 落ち着いて今までの行動を振り返って落としそうな行動を思い起こしてみましょう。

警察に届ける

鍵をなくしたことに気がついたら、警察に遺失物の届け出をしておきましょう。 遺失物の届け出は最寄りの交番や警察署にいくことでできますし、電話やインターネット、電子メールを利用して届け出ることができる場合もあります。 誰かが拾って警察に届けてくれれば、遺失物の届け出をしておくと手元に戻ってくる可能性は高まります。遺失物の届出書には住所・氏名・連絡先の他になくした場所や日時、なくしたものの特長などを記入します。 都道府県警察における遺失物の公表ページ」には届けられた遺失物が載せられていますから、自分が落としたものがないか確認をしてみましょう。

鍵を交換する

鍵を落としたことが分かったら、なるべく早く鍵の交換をしましょう。 鍵の交換はDIYが得意な人や、図面が読める人なら自分で交換することもできます。 少し費用はかかりますが、鍵屋さんに交換を依頼することも可能です。 賃貸住宅に住んでいる場合は大家の許可が必要です。 大家から鍵交換の許可がおりない場合には、補助錠を検討してみましょう。補助錠をつけるのであれば大家さんから許可がもらえる可能性があります。 ドアに穴を開ける必要がない補助錠もありますから、こちらであれば大家さんからの許可も得やすいはずです。下記のような種類のものです。
  • 粘着テープでの取り付け
  • ドア枠に挟み込んで取り付け
  • 鍵穴に差し込んで鍵穴をカバーする

鍵を紛失した際の連絡先

鍵を失くしてしまったことに気がついたら、なるべく早く鍵の交換をしたいのですが、その前に連絡をしなければならないところはないか確認をしましょう。連絡をしなかったことで後日、別のトラブルの原因になることがあります。

大家や管理会社

賃貸住宅に住んでいる場合には、鍵の交換を勝手にしては契約違反になります。 必ず大家や管理会社に連絡を入れて承諾を得ましょう。 また、分譲マンションに住んでいる場合は、持家の場合でも管理会社に連絡を入れましょう。 各部屋の鍵は当然別々ですが、エントランスの鍵は共通になっていることが多いためです。 マンション全体の鍵を交換することになると高額になりますから、どのように対処すればよいのか、費用はどうすればよいのか、をきちんと管理会社と相談をしながら行いましょう。

勤務先

勤務先の鍵を失くしてしまった場合には、勤務先に報告しなければなりません。 勤務先がテナントビルに入居している場合には、警備会社や管理会社が鍵を管理していることもあります。テナントビルに入居しているような場合は、保険に加入しているかどうか、保険の補償対象かを合わせて確認しましょう。

保険会社

火災保険などの対象になっていることがありますから、自宅に保管してある火災保険の証書などを確認し、保険会社に連絡をしましょう。 補償内容によって、鍵開けサービス、鍵交換費用、鍵開け業者を手配するサービスなどが付帯していることがあります。

鍵の紛失を未然に防ぐ、防犯にも役立つスマートホーム

自宅の防犯は気になるけれど、警備会社のセキュリティサービスだと月額費用が高いのでためらってしまう方も多いでしょう。 スマートホームにすれば鍵の紛失を防ぐ方法もありますし、防犯にも備えることができ、他の利便性もついてきます。

スマートロック

下の表は警察庁が過去10年間の侵入手段をデータ化したものです。 令和2年では空き巣、忍びこみ、居抜き窃盗の認知件数のうち51%が「無締り」、つまり施錠していない状態での犯行になっています。 このことから、まずは玄関の鍵のかけ忘れを防止することが防犯の第一歩だと分かります。
令和2年の 刑法犯に関する統計資料 より
スマートフォンと玄関の鍵を連動させることができるスマートロックであれば鍵を持ち歩くことがないので、そもそも鍵をなくす心配がありません。 スマートロックは、扉の錠本体を取り替える必要はなく、錠のつまみ(サムターン)に専用機器を取り付けて、アプリ設定をすれば終了です。 アプリの種類によりますが、オートロック機能がついていますし、スマートロックのアプリから施錠状態を確認でき、離れていても外出先からでも鍵の開け閉めができます。 スマートロックの取り付けはほとんどの機種でドアノブを上から覆うようにして接着して取り付けるようになっているので、とても簡単に設置できます。 スマホからの操作はもちろんできますが、スマホからの位置情報によって外出先から帰ると自動で解錠してくれるタイプもあり、別にカードなど解錠スイッチが付属しているものもあります。自動で解錠してくれると、買い物をしての帰りで両手がふさがっているときなどにとても便利です。

センサーやカメラを利用する

センサーを利用する

開閉を感知してくれるセンサーを利用すれば、ドアや窓の開閉をスマートフォンで管理できます。 本体が2個セットになっていて、お互いの距離が変わるとセンサーが作動し、スマートフォンに通知が届く仕組みです。 他にも人の動きを感知するセンサーもあります。 これらのセンサーを使う利点は防犯だけではありません。 スマートスピーカーやゲートウェイにつなげることで、他のデバイスとの連動も可能になります。たとえば、ドアにセンサーをつけておいて寝室のドアが開けば自動で照明をつけ、カーテンを開き、炊飯器やコーヒーメーカーのスイッチを入れることなどが可能になります。

ネットワークカメラを利用する

ネットワークカメラも防犯にとても有効です。 カメラがインターネットと接続することで、撮影した映像をどこからでもスマートフォンやパソコンからリアルタイムで確認できます。 外出先からでも確認できますから、もしも留守宅に空き巣犯が侵入してもその様子をスマートフォンなどに録画しながら警察に通報するなどの対応が可能になります。 スマートカメラにスピーカーがついているタイプもありますから、侵入者に警告をすることも可能です。 暗視機能、広角機能、首ふり機能などがついているなどいろいろな便利な機能がついている様々な機種がありますから、利用方法にあっているものを選びましょう。 スマートカメラも防犯だけではなく、留守中の子どもやペットの見守りもでき、離れていても会話ができるタイプもあります。

スマートホームサービス提供会社に相談

自宅の防犯対策はホームセキュリティサービスへ加入する以外に選択肢はありませんでしたが、現在ではスマートホーム化するだけで気軽に防犯対策が可能になり、防犯だけではなく、他の利便性も付加されます。 今回紹介したように防犯に利用できるスマートホーム化ですが、このほかにもいろいろなデバイスが利用でき、その組み合わせもバリエーションは豊富です。 防犯だけではなく、「こんなことができたらいいな」といったイメージができましたら、スマートホームサービス提供会社に相談をしてみましょう。