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注文住宅・工務店・ハウスメーカーの集客方法を解説。最新技術の活用事例とは

注文住宅やハウスメーカー、工務店などの事業者の効果的な集客方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

業界における集客事情をデータや調査結果を交えて紹介しつつ、顧客にとって魅力的な集客のアイデアについても紹介します。

工務店・ハウスメーカーはどのような集客方法が主流?

工務店・ハウスメーカーはどのような集客方法が主流なのでしょうか。また、最近の顧客動向はどのようになっているのかについても紹介します。

オフライン集客が約半数

工務店・ハウスメーカーの集客方法について、中・長期に会社を育てるブランディングサービスを提供しているUNIIDEOが、集客に携わる工務店・ハウスメーカーの経営者・役員・マーケティング担当者107名に対して工務店・ハウスメーカーの集客に関する実態調査を行いその結果を公表しています。

それによると、「あなたのお勤め先の主な集客方法を教えて下さい。」との質問に対し、下記のようになりました。

UNIIDEO「工務店・ハウスメーカーの集客に関する実態調査」より
  1. オフライン集客:45.9%
  2. オンライン集客:12.1%
  3. 行っていない:41.1%
  4. わからない/答えられない:0.9%

工務店・ハウスメーカーの集客方法は現在もオフライン集客がメインになっていることがわかります。

住宅展示場への来客者は5カ月連続して減少

新建ハウジングによると、住宅展示場への来客者数が5カ月連続して減少しているとのことです。

参考記事

11月住宅展示場来場者、5カ月連続減 減少幅も拡大 | 新建ハウジング

報道によると、住宅展示場協議会と住宅生産振興財団がまとめた2022年11月の住宅展示場の来場組数は、24万5856組であり前年同月比12.35%のマイナスでした。

信越・北陸、九州・沖縄の2エリアはプラスだったものの北海道、東北、関東、東海、近畿、中国・四国の6エリアがマイナスとなっています。

中でも東北エリアでは今期マイナスが続いており、関東エリアと近畿エリアは5カ月連続のマイナス、とりわけ近畿エリアは2カ月連続で2割以上と大幅なマイナスでした。

今期の累計来場組数は223万1817組であり昨年と比べて2.44%のマイナスとなっています。

11月住宅展示場来場者、5カ月連続減 減少幅も拡大 | 新建ハウジング、より

戸建て注文住宅の顧客動向

一般社団法人住宅生産団体連合会が、加盟企業の住宅展示場や営業所などの責任者を対象に最近の顧客動向について調査をした住宅業況調査『令和4年度 第3回 (令和4年7~9月期)』では、結果は下記のようになりました。

戸建て注文住宅の顧客動向(%)

減少横ばい増加
見学会、イベント等への来場者数622611
WEBの引き合い件数204337
消費者の購買意欲41518
全体の引き合い件数54378

住宅展示場や見学会、イベントなどへの来客者数について、増加したとする回答が11%に対して、減少したとするものは62%となっています。

一方でWEBからの引き合いは、37%が増加したと回答しているのに対して、減少したとするものは20%でした。

従来、住宅展示場にできるだけ多くの来場者を集めて成約を目指すのが基本的な戦略だったものが、転換期にきているといえるでしょう。

一戸建てを検討している方は、インターネットで情報を収集して気になるメーカーを選び、住宅展示場では実際のモデルハウスを確認して契約をするようになっているようです。

実際にモデルハウスをみて確認したうえで契約したいと考えている方が多いので、実物を確認できる住宅展示場の重要性は変わりません。しかし、モデルハウスに誘導するためには、インターネットで自社製品の優位性をアピールする仕組みが大切だといえます。

工務店・ハウスメーカーの集客方法の種類

ここでは、工務店やハウスメーカーが行っている集客方法は具体的にどのような手段で行われているのか、オフラインやオンラインでどのように違ってくるのかについて解説します。

オフライン集客の集客手段

先述したUNIIDEOの調査結果を続けて紹介します。

最も多かった集客方法のオフライン集客ですが、その手段は次のようになっています。

UNIIDEO「工務店・ハウスメーカーの集客に関する実態調査」より
  1. フリーペーパー・地域情報誌:30.6%
  2. 看板広告・店頭広告:24.5%
  3. ダイレクトメール:20.4%
  4. ポスティングチラシ:18.4%
  5. 新聞折込チラシ:14.3%
  6. マスメディア広告:8.2%
  7. 交通広告:0.0%
  8. その他:30.6%
  • 60歳:飛び込み営業
  • 55歳:口コミ
  • 45歳:既存客からの紹介
  • 60歳:縁故 リピート
  1. わからない/答えられない:10.2%

近年購読者数が減少しているといわれており読者層が限定される新聞への折込チラシよりも、興味がある方が手にとりやすいフリーペーパーや地域情報誌を活用する例が多いようです。

ポスティングチラシをむやみに配布しても効果が得られない場合もあるため、地域の特性やその地域で生活している世帯の特長にあった広告宣伝活動をすることが求められます。

オンライン集客の集客手段

次にオンライン集客ではどのような手段が利用されているのかについて紹介します。

UNIIDEO「工務店・ハウスメーカーの集客に関する実態調査」より
  1. 自社ホームページ:69.2%
  2. ポータルサイトへの掲載:46.2%
  3. リスティング広告(検索結果連動型広告):30.8%
  4. インスタグラム(フェイスブック)広告:30.8%
  5. ディスプレイ広告:15.4%
  6. YouTube広告:15.4%
  7. SEO対策:15.4%
  8. 比較サイトや地域情報サイトへの掲載:0.0%
  9. その他SNS広告:7.7%
  10. その他:0.0%
  11. わからない/答えられない:0.0%

インターネットを利用した情報の発信は、自社製品の特長や住宅展示場で企画しているイベント情報などを、動画や写真を利用して購買層に届けられるので便利です。

購買層が検索するときは、パソコンだけでなく、スマートフォンも利用することが多いのでスマートフォンでも見やすい構成にすることが大切でしょう。また、検索するときにヒットしやすくするためのSEO対策も重視されています。

顧客層の情報収集はインターネットからが主流

国土交通省が公表した「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、顧客による物件の情報収集の方法はインターネットが中心になっています。

国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」より

建売住宅や分譲マンションの情報収集はインターネットが主流となっており、分譲マンションでは約6割の方がインターネットで情報を取得しています。

一方注文住宅では、住宅展示場で情報収集している方が約5割、インターネットでの情報収集は3割以下となっています。

ただし、注文住宅顧客層でみると、住宅展示場の割合が2011年度の64.1%から低下しているのに対して、インターネットの割合は2011年度の13.0%から27.5%へと2倍強の伸びを示しています。

購買意欲が高いのでWEBサイトを利用してあらかじめ資料を収集し、実物を確認するためにモデルハウスを訪問する方の成約率が高いようです。

スマートホーム機器を活用した無人内覧・モデルハウスという方法も

スマートホーム機器を活用したスマートモデルハウスなら、建売住宅やモデルハウスを無人化し、いつでも誰でも内見できるようになります。購買層にとって便利になるだけでなく、企業にとってもスタッフを常駐させずにすむなどいろいろなメリットがあります。

スマートモデルハウスとは

スマートモデルハウスとはIoT機器やスマートホームサービスを活用してモデルハウスを無人化し、いつでも内見できるようにするシステムです。

購買層にとっては、企業の営業担当者が常駐するモデルハウスだと、「しつこく営業トークされるのは避けたい」「購入することが決まっていないのにあれこれ聞くのははばかられる」といった思いがあり、モデルハウスに行くのに躊躇することがあります。

また、企業にとっては、以下のようなメリットがあります。

  • 営業担当者を常駐させる必要がなくなる
  • ベテランの営業担当者がいなくても対応可能になる
  • いつでも顧客を案内できる
  • 顧客情報を一括管理できる

無人モデルハウスの仕組み

スマートモデルハウスでは、スマートロックを利用して玄関ドアを開閉し、スマートカメラを利用して内見する方の質問に答えるといったことが可能です。

内見をすることでスマートハウスの利便性に触れて、物件の優位性もアピールできるでしょう。

内見する方は、以下の手順でスマートモデルハウスの内見を行います。

  1. 不動産会社のサイトで予約
  2. 個人の特定情報を入力し、内見の日時を予約
  3. 登録したメールアドレスにスマートロックアプリのインストール案内が届く
  4. 訪問までにアプリをインストール
  5. 予約時間になるとアプリから玄関ドアを解錠できるので内見開始
  6. 内見途中で質問があればスマートカメラから質問する
  7. 退場するときにアプリから施錠

無人で内見できるので内見を希望する方に次のようなメリットがあります。

  • 小さい子供がいても気兼ねなく内見できる
  • 営業担当者がいないので自由に見学できる
  • 他人がいないので感染症リスクがない
  • 土日、祝日でも内見可能

内見のときに営業担当者を物件に行かせなくてもよいため、企業にとっても以下のメリットがあります。

  • 複数の内見が同時にできる
  • 遠隔地の現地も管理できる
  • 営業担当者のスケジュール調整が不要
  • 土日、祝日でも対応できる
  • 感染症対策の心配がない

スマートホームサービス提供会社に相談する

現在でもアナログ的な手法での集客方法が主流ですが、アナログ的な手法で顧客の関心をつかみ自社のサイトに誘導し成約に結びつける手法も有効です。

しかし、せっかくつかんだ顧客層の関心を営業担当者の日程調整がつかないために逃すのはもったいないことです。

スマートモデルハウスなら、チャンスを逃さず営業可能です。スマートモデルハウス化は、既存の物件でも比較的安価に大規模な工事が不要で対応できます。

スマートホームサービス提供会社なら今から建築する物件でも既存の物件でも対応できるので、スマートモデルハウス化を検討するときには相談してください。

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