消し忘れを防止する最新技術からアナログな方法までを紹介。節電・省エネのすすめ

省エネや環境問題、持続可能な社会作りなどの観点から、無駄なエネルギー消費を極力減らす方法に関心が高まっています。
一般家庭での電気や機器のつけっぱなし・消し忘れもエネルギーの浪費です。
今回は、昨今のエネルギーをテーマにした話題を紹介するとともに、消し忘れを防止する方法や施策について紹介します。
節電・省エネが世界のトレンドに。無駄なエネルギー消費をなくそう
SDGsや地球の温暖化対策として節電や省エネが世界のトレンドになっています。
コンビニのレジ袋有料化やエコカーの推進など、身近なところでも省エネが期待されています。
パリ協定時点での日本の立場や現在の電気事情などを紹介します。
パリ協定(第21回気候変動枠組条約締約国会議)
2015年第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)においてパリ協定が採択されました。
パリ協定によって、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃未満に抑えること、さらに平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるように努力することを目指すとされました。
人々は、温暖化につながる行為は極力しないようにして、「節電などに気をつけて生活する」こととされています。
中でも日本は、中国、アメリカ、インド、ロシアに続いて5番目にCO2排出量が多いので、日本の排出量削減が温暖化防止に重要な役割をもっています。

家電製品協会「エネルギー消費の現状と節電 | 地球温暖化と対策 | 省エネ家電 de スマートライフ」より
電気料金は上昇傾向(年次傾向)
日本は2011年3月の東日本大震災以来原発の稼働を抑制し、CO2排出量削減のために火力発電の抑制をしていることなどから、電気料金は上昇傾向にあり、2014年~2016年には原油価格の下落などで一時的に低下しているものの、現在では再び上昇傾向が続いています。

エネルギー庁 経済性 | 日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」より
そのような中で、ウクライナ紛争や2022年6月におきた米国テキサス州のフリーポートLNG製造施設の火災などの影響によって世界的にLNGや石炭等燃料価格が高騰しており、家庭の電気料金にも影響がでてきています。

経済産業省「2022年度の電力需給対策について」より
2022年の月次傾向も値上がり
このような流れの中で、2022年8月までの1年間、日本の平均電力料金の推移は下記のグラフのようになっています。安さをアピールして発足した新電力でも値上げをする企業が相次ぎ、事業廃止に追い込まれる新電力企業もあります。

総務省統計局「小売物価統計調査」より集計・作成
総務省統計局では1ヶ月の使用量を441Kwhとして計算しているので7月の電気料金単価は約34円/Kwhになります。
家庭内の電力、消費の割合が高いものは何?
ここでは、家庭内で使用する電気製品のなかで電力消費量が高いものはなにか、前項で紹介した7月の電気料金をもとにして消し忘れによる電気代を試算し、省エネの方法についても解説します。
家庭での電力消費はエアコンが1位
下記のグラフは資源エネルギー庁が公表しているものです。
家庭での電力消費が夏と冬で特に多い日の電気機器による電力の使用割合をグラフ化しています。
エアコン、冷蔵庫、照明の使用の合計で5割以上をしめていることから、節電にはこれらの機器の省エネがポイントになります。

資源エネルギー庁「省エネルギー政策について」より
消し忘れも1年たつと大きな出費
今年の最高値である7月の電気料金(34Kwh)で照明器具の電気代と消し忘れたときの電気代を試算してみましょう。
例えば家庭用の蛍光灯シーリグンライトの消費電力が75Wなら
34Kwh×75/1,000=2.55円
1日中消し忘れると61.2円、1週間では428.4円になります。
これがLEDで45Wだとすると
34Kwh×45/1,000=1.53円
1日だと36.72円、1週間で257.04円です。
蛍光灯をLEDに変えるだけで約4割電気代が節約できます。
1年中つけっぱなしという方は少ないと思いますが、蛍光灯を1年つけっぱなしにすると、22,338円にもなってしまいます。
LEDは購入費用が高いので、購入時にはためらいがちですが、蛍光灯よりも長期間使えるので電気代と総合してみるとコストはさがります。
電気機器の使い方でも省エネに
続いて蛍光灯を例にとって、使い方によって省エネの仕方が違うことを紹介します。
蛍光灯には、グロースタータ形、ラピッドスタータ形、インバータ高周波点灯専用形があります。
このうち、グローランプを使って点灯するのがグロースタータ形です。
このタイプだと、点灯するときにグローランプのために余分に電気を使うので点灯・消灯を短時間に繰り返すと余計に電力を消費して、さらにグローランプの寿命も短くなってしまいます。
ラピッドスタータ形、インバータ高周波点灯専用形ではグローランプを使わないので点灯・消灯を繰り返しても蛍光灯の寿命は短くならず、さらにインバータ形は高周波で動作するのでチラツキも少なくワット数あたりの明るさが高いので、省エネが可能です。
エアコンも起動するたびにモーターを回すための電力が必要で短時間にON-OFFを繰り返すと省エネにならず逆に電力を多く使うことになります。
このように、あまり短時間にON-OFFを切り替えないほうがよいものとこまめにON-OFFをくり返した方がよいものとがあり、電気機器によって省エネの仕方が異なることに注意しましょう。
消し忘れを防止する方法4選
エアコンや照明の消し忘れをしていると年間の電気料金もばかにはなりません。
「消し忘れていた!」と気づいたときのショックは大きく、なにより気持ちがダメージを受けます。
ここでは、消し忘れを防止する方法を4つ、手軽にできるものからハイテクなものまでまとめて紹介します。
- 貼り紙やメモ
- 忘れ物チェッカー
- 指型のスイッチロボット
- センサー利用
アナログ編 手軽に消し忘れを防止
まずはアナログ編として、手軽にできる忘れもの防止策を紹介します。
貼り紙やメモ
トイレのドアなど、消し忘れを防止したいスイッチの近くの目につきやすいところに「明かりを消す」などと書いたメモや張り紙をする方法です。
この方法だと紙とペンさえあれば対策できるのでとても簡単に、今すぐ実行できます。
しかし、貼り紙やメモでは、はじめのうちは目につくものの、慣れてしまえば日常の光景になってしまい、貼っていても気にならなくなるのが難点です。
忘れ物チェッカー
小学生の頃に使っていた「宿題」、「鉛筆」などと書いたスライダーを上下して〇×表示されることで忘れものをチェックするものです。
スライダーに気をつけたい「トイレの電気」「物置の電気」などと書いておいてON-OFFの度にスライダーを上下すれば管理できます。
ON-OFFを直接目で見て確認できるので、消したかつけたかが一目瞭然にわかるので、とても便利です。
しかし、スライダーを上下することを忘れてしまうかも。。。
デジタル編 ちょっとハイテク
比較的、手軽にできるレベルのハイテクを利用した忘れもの防止策を紹介します。
指型のスイッチロボット
指型のロボットが押す・引く動作をしてスイッチのON-OFFを切り替えてくれます。
「ボタンを押す」スイッチなら今ある古いスイッチにもそのまま使えるので、経済的ですし、すぐに使えて手軽に導入できます。
スマートフォンとも連携できるので、トイレから出た後リビングからでもベッドに横になった後でもスマートフォンからON-OFFの確認ができるのが便利です。
センサー利用

電球やソケットに人感センサーがついているものなら、人を感知してスイッチが入り、用が済んだら自動的に消してくれるので、消し忘れとは無縁です。
人感センサーがついたソケットタイプなら今の電球をそのまま使えるので経済的です。
買い替えるときには、今ある明かりのソケットの口金サイズを確認しておきましょう。
ソケットの向きにも注意しないとセンサーの感知する範囲が違ってしまい、せっかくのセンサーが役に立たないことになってしまうので、注意しましょう。
スマートホームサービスのおすすめ
指型ロボットやセンサーはハブをつければインターネットに接続できるものがあります。
インターネットに接続できれば、外出先からも消し忘れが確認できて、外出先からON-OFFの操作ができるので、安心です。
スマートホームサービスなら導入時から今ある環境に最適な機器や方法をアドバイスして提供できるので、悩んだ時には気軽に相談してください。