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高い電気代を抑えるには?節電方法とスマート家電について

日々の生活における出費の代表ともいえる水道光熱費。その中でも、最近電気代が高いと感じている人は多いのではないでしょうか。   今回は、高いと感じている電気代を抑える方法や高騰する電気料金の理由、一般家庭の電気料金はいくらぐらいなのかなどについて解説します。

一般家庭の電気代・電気料金はどれくらい?

一般家庭は、月々にどのくらいの電気料金を支払っているのでしょうか。   2020年に行われた総務省統計局「家計調査 家計収支編」を元に、電気消費におけるコストについて考えてみましょう。

世帯人数別の電気代を解説

世帯人数が多くなるほど、電気を使用する人間が多くなるので電気代も高額になる傾向にあります。   世帯人数が1人の場合の平均電気代は5,791円、2人の場合は9,515円、3人の場合は10,932円、4人の場合は11,788円です。ただ、これらの数値からもわかる通り、世帯人数が増えるほど1人当たりの電気代は安くなります。エアコンや照明等に使用される電気量は世帯人数の影響を受けないことも要因の1つでしょう。  

世帯主の年齢別の電気代について

続いては、世帯主の年齢別の平均電気代をご紹介します。   世帯主が29歳以下の場合の平均電気代は4,023円、30~39歳の場合は8,092円、40~49歳の場合は9,979円、50~59歳の場合は9,613円、60~69歳の場合は9,869円、70歳以上の場合は8,829円です。   世帯主が29歳以下と70歳以上の場合の電気代が安くなるのは、世帯人数が少ないからでしょう。  

季節別の電気代について

日本には四季があり、季節によって気温が変化します。   それに伴い、冷暖房が使用されるため、季節によっても平均電気代は異なります。   世帯人数が2人以上の世帯における3ヶ月ごとの平均電気代は、1月~3月は約12,900円、4月~6月は約10,600円、7月~9月は約9,817円、10月~12月は約9,418円です。   1月~3月は特に気温が低くなるため、暖房の使用時間が長くなり、電気代も高くなる傾向にあるでしょう。同様の理由で、夏の暑い時期は冷房を使用するため春や秋と比較すると電気代が高額になります。   エネルギー庁が発表している「平成30年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2019)」でも、夏と冬に消費電力が高くなっていることが報告されています。  

1年間の電気使用量の推移

エネルギー庁「平成30年度エネルギーに関する年次報告」より

都道府県別の電気代について

日本列島は南北に長いため、都道府県によって気温が大きく異なります。   例えば北海道の夏は涼しく、沖縄の冬は暖かい、といった違いが存在するでしょう。   1ヶ月当たりの平均電気使用量が最も高いのは北陸地方で約13,500円、最も安いのは沖縄で約10,000円です。   暖房を使用する際に必要な電気量は、冷房使用時よりも多いため、寒い地域の電気料金の方が高額になる傾向があります。   最も平均電気代が高額なのは北海道の10,382円で、最安値は沖縄の8,247円です。   このように、寒い地域にお住まいの方は電気代が高くなる傾向にあるので何らかの対策が必要になるでしょう。

電気代が高い原因にはなにがある?

電気料金の支払額に悩まされる人は多いですが、具体的にどのような理由で電気料金が高額になっているのでしょうか。様々な理由が存在しますが、主な要因をご紹介します。

消費電力が大きい家電を使用している

電化製品は種類によって消費電力が異なります。   特に電力消費が激しいのは電気冷蔵庫です。   冷蔵庫は常に電気を消費し続ける上、大型なので電力消費も激しくなります。冷蔵庫内にものを詰め込みすぎない、省エネタイプのものを選ぶ、といった工夫をすることで電気使用量を減らせるでしょう。   その他では、照明器具やテレビ、エアコンなども消費電力が大きいです。   照明器具はLEDに変えることで、電気代を抑えられます。テレビやエアコンも古いものから新しいものに買い替えることで、電気使用量を減らせるでしょう。   このように、高機能な家電が登場することによって、年々電力の消費量は高まっています。   先ほど紹介した、エネルギー庁の「平成30年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2019) 」の「部門別電力最終消費の推移」を見てみましょう。  

エネルギー庁「平成30年度エネルギーに関する年次報告」より

  2010年以降、様々な分野での消費電力が徐々に抑えられているようですが、未だに高い水準であることは変わらないようです。

電気代が高騰する理由について

電気代が高額化している理由として、電気料金そのものの値段が上がっていることも挙げられます。資源エネルギー庁の日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」によると、日本の電気料金は2016年度以降、上昇傾向にあります。

資源エネルギー庁より

  2022年現在も、電力の基本料金の引き上げなどが、各種電力会社から発表されています。   その大きな要因となっているのが、原油などの燃料価格の高騰です。日本の電力会社の多くは天然ガスや石炭を燃料とした火力発電によって電力をまかなっているため、エネルギーとなる燃料価格が、電気代の高騰に直接的な影響を与えています。

電気代を抑えるアイデア・具体策には何がある?

上記の通り、電気使用料はこれからも高額になる可能性が高いです。   そのため、電気料金を抑えるには各個人が様々な工夫をする必要があるでしょう。   具体的には以下のような対応が有効になります。

電力会社の変更

電力の自由化に伴い、消費者はより多くの電力会社から電気を購入できるようになりました。   昔から同じ電力会社を使い続けており、電力会社の見直しを行ったことがない場合は、現在利用中の電力会社と他社の比較を行うといいでしょう。   様々な会社が独自のキャンペーンを展開しているため、それらを利用することでよりお得に電力会社の乗り換えを行えます。   また、ガスやインターネットなどとセットで契約することで割引を受けられるサービスを提供している会社もあります。   ご自身のニーズに合わせて、電力会社を変更することで電気料金を抑えられるようになるでしょう。

こまめな節電

地道な方法ですが、日頃からこまめな節電を心がけることも重要です。   特に、電気やテレビ、エアコンなどをつけっぱなしにしている人は要注意です。   誰も人がいないのに電気やエアコンをつけていても電気代がかかるだけなので、もったいないです。   これまで、電化製品の使用状態について無頓着だった人は、これらの機器を使用していない時にオフにすることで、より電気料金を安くできるでしょう。

スマート家電の活用

これらの方法に加えて試すべきものが、スマート家電の導入です。   現在、家のスマート化に伴い様々なスマート家電が発売されています。   中には以下のような節電機能を期待できる家電もあるので、これらを上手に活用することで電気料金を抑えられるでしょう。

スマートプラグ

スマートプラグはコンセントと家電の間に接続することで、対象家電をリモートで操作できるようになる製品です。   インターネットを介してスマートフォンなどと接続することができ、テレビや電気をつけっぱなしで出かけてしまった時でも、外出先で電源をオフにできます。   また、スマートプラグを使用すれば外出時にも全ての家電製品の電源を一度にオフにできるので、消し忘れを予防できます。この機能を使えば、より確実に節電効果を上げられるでしょう。 ※ただし、暖房器具等への使用は電気用品安全法により禁止されています。

スマートセンサー

スマートセンサーを使って、室内の温度を一定に保つことで節電効果を生み出す方法もあります。   スマートセンサーは、室内の温度や湿度を計測するための機器で、エアコンなどと繋げることで、設定した温度・湿度を常に保つことができます。室内温度を28度と設定すれば、必要なタイミングでエアコンが起動し、無駄なオン・オフなどが原因となる電力業費を抑えます。

HEMS(ヘムス)

HEMS(Home Energy Management System:ヘムス)は、家庭で使用する電力を見える化し、節電・省エネルギーを目的としたシステムです。   家電製品や住宅設備をスマートメーターと繋げることで、電気だけでなくガスなどのエネルギー使用量をモニター画面などで確認できたり、自動制御を行ったりすることができます。

高い電気代を安くするには

今回は、電気代が高額になる原因と、電気使用料金を抑えるためのコツについて解説しました。   電力会社の切り替え、こまめな節電と共に、スマート家電を上手に使用することで、より節電効果を期待できるでしょう。   今回ご紹介した内容を参考にして、より電気料金を抑えてくださいね。