マンション1階の防犯は窓が重要!犯罪の発生場所や具体的な対策方法を紹介

マンションの1階は、犯罪が多く、防犯面でマイナスになるといった話を、部屋探しをしたことのある人であれば一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、マンション1階は本当に犯罪が起きやすいのか調べたことがある人は、少ないようです。マンションの1階に住む際の防犯対策についても紹介します。
マンション1階は犯罪被害の可能性が高いのか?
マンション1階は防犯上不安だという声を聞きますが、果たして実際はどうなのか、警察庁が発表している「住まいる防犯110番」を参考にしながら検証してみましょう。
3階以下への侵入犯は4階以上の2倍超え
「住まいる防犯110番」によると、令和2年に44,093件侵入窃盗があったことがわかっていますが、そのうちマンションの3階建以下は9.3%となっており、マンションの4階建以上(4.3%)の2倍以上が被害にあっています。

マンションの1階では以下の理由から狙われやすいといわれています。
- 外から部屋の様子をうかがいやすい
- 侵入しやすい
- 犯行後逃げやすい
外から部屋の様子をうかがいやすい
2階以上の部屋と比べて1階は人の目線と同じ高さにあるので外から部屋の様子がうかがいやすく、部屋の中に人がいるのか、窓が開いているのか、すぐにわかります。
侵入しやすい
ベランダの柵は1.3m程度の高さが多く、1階だと比較的簡単に侵入できます。
犯行後逃げやすい
1階だとエレベーターや階段を使わずにすぐに外に出られます。
窓から飛び出ることも容易です。1階だと犯行後に逃げやすいのは間違いありません。
侵入経路は窓からが多い
3階建以下の場合窓からの侵入が49.8%と最も多くなっています。
2番目に多いのが玄関からの侵入で36.9%です。
4階建以上の場合は窓から侵入するのは難しいため、窓からの侵入は30.1%となり最も多いのは玄関からで57.8%となっているのが対照的です。


3階建以下だと侵入犯に狙われやすいのは窓だとわかりましたが、次のような窓はとくに狙われやすいとされています。
- 雨戸がない窓
- はきだし窓
- 施錠していない窓
- 植栽などで目隠しされた窓
雨戸がない窓
雨戸やシャッターがあれば窓ガラスを簡単に割って侵入することができません。
雨戸やシャッターがない窓には面格子や防犯ガラス、防犯フィルムなどをして窓が簡単に割れないようにしておくとよいでしょう。
はきだし窓
はきだし窓は床まである大きな窓なので人が出入りしやすいこと、またクレセント錠だけで施錠していることが多いので侵入しやすいといえます。
クレセント錠は窓ガラスを固定するためにつけているもので防犯効果は期待できません。
施錠していない窓
後から解説する侵入手口をみると施錠していない窓から侵入されることが多くなっています。
せっかく雨戸があったり防犯ガラスだったりしても施錠されていなければ意味がありません。
植栽などで目隠しされた窓
植栽で外から目隠しをしていたり、壁で囲まれていたりするような窓だと侵入犯が入って、窓を割っていても外から見えません。
雨どいや給排水管がベランダに続いているような場合も、足場になってベランダに侵入しやすくなるので狙われやすくなります。
室外機や物置なども侵入犯の足場になるおそれがあるので注意しましょう。
侵入手口
3階建以下の侵入手口は以下のようになっています。
- 無締り(52.1%)
- ガラス破り(22.2%)
- 合鍵(9.6%)
- その他の施錠開け(2.7%)
- ドア錠破り(1.4%)
- 戸外し(0.2%)
- 不明(8.5%)
- その他(3.2%)

戸建、3階以下、4階以上全てに通じて多いのは「戸締りのし忘れ」です。
いくら雨戸があったり防犯ガラスにしたりと設備を整えても戸締りをしていなければ防犯になりません。
出かけるときや寝るときなどは、しっかりと戸締りをすることが第一歩の防犯になります。
続いて「ガラス破り」が多いので、雨戸や防犯ガラスなどでしっかりと窓を強化することが大切です。
1位 | 2位 | 3位 | |
一戸建住宅 | 無締り | ガラス破り | 合かぎ |
共同住宅(3階建以下) | 無締り | ガラス破り | 合かぎ |
共同住宅(4階建以上) | 無締り | 合かぎ | ガラス破り |
1階窓への防犯対策。具体的にはどういったものがある?
1階への侵入経路や侵入手口を理解したうえで、狙われている窓にしっかりと防犯対策を施さなければなりません。
ここでは、防犯対策として以下の3つに分けて紹介します。
犯行が露見しやすく、侵入犯に「手間がかかる」と思わせることが大切です。
- アナログな方法
- ハイテクな方法
- セキュリティ会社を利用する方法
アナログな防犯対策
まずは手軽に防犯できるアナログな方法で対処しましょう。
- 見通しをよくする
- 窓を強化する
- 鍵を強化する
見通しをよくする
ベランダに植栽や物置などがあると道路から窓が見えないので、侵入犯が窓を開けようとしていても外からはわかりません。
外から侵入犯の動きがわかれば窓を壊したり窓の鍵を開けたりする犯行は行いにくくなるので、防犯になります。
窓を強化する
窓を壊しにくくするために、雨戸やシャッターを取り付けると安心です。
雨戸やシャッターをつけるのが難しいときには、防犯ガラスや防犯フィルムなどを貼り付けるだけでも壊しにくくなり防犯に役立ちます。
最近では建材を傷つけずに取り付けられる二重窓もあるので、賃貸住宅でも許可を取り付けやすくなっています。
窓が強化されて壊しにくいことがわかれば、侵入犯は手間取るのを嫌うので窓の強化も効果的です。
鍵を強化する
窓の鍵を2つ以上にすると、鍵の周辺を壊す際に倍の手間がかかることになり侵入犯は嫌います。
窓全体を割るとなれば大きな音がしてしまうので、侵入犯は二重鍵だとわかれば敬遠するとも言われています。
ハイテクな防犯対策
窓にセンサーを取り付けて、アラームと連動させておくと侵入犯が驚いて退散するでしょうし、侵入犯がきたことを知ることができます。
窓に開閉センサーを貼り付けるだけで防犯アラームを設置できます。
開閉センサーは振動や開閉に反応するセンサーです。
開閉センサーに加えて、人の動きや体温に反応する人感センサーを取り付けておき、センサーとアラームやカメラを連動させておくのも効果的です。
カメラが設置してあるのがわかれば侵入犯はいやがります。
これらの開閉センサーや人感センサー、カメラはインターネットに接続できる機種もあるので、インターネットに接続させておけば外出先からも様子を確認できるので安心です。
詳しくはスマートホームを利用した防犯対策で紹介します。
セキュリティ会社を利用する方法
セキュリティ会社を利用すれば安全性は格段にあがります。
24時間センターに監視者がいて異常があれば数分以内にガードマンがかけつけてくれるでしょう。
センサーやカメラなどをとりつけて、侵入犯があれば監視センターに通知が届くようになっています。
センターの監視者は通知があれば、現地にガードマンを派遣、利用者本人にお知らせ、必要があれば警察に連絡するなどの手配をしてくれます。
セキュリティ会社を利用する方法では、月々の利用料がかかるのがデメリットです。
家の防犯は、スマートホームサービスがおすすめ

IoTを利用して様々な利便性を提供してくれるスマートホームは、防犯にも役立ちます。
セキュリティ会社に依頼すると費用が高いので導入が難しい面があります。
しかし、スマートホームなら手軽に防犯対策をすることができます。
玄関の鍵をオートロックして外出先からも安全確認
「住まいる防犯110番」では、侵入犯の侵入経路は窓に続いて玄関も36.9%と多くなっています。
玄関の鍵をスマートロックにしておけばオートロックなので閉め忘れがありません。
侵入手口で最も多いのは「無締り」でした。
玄関や窓の鍵の閉め忘れは意外と多いものですし、在宅だからといって鍵をあけておくと「居抜き」犯罪もあり安心できません。
スマートロックなら自動で鍵を閉めてくれること、両手がふさがっていても近づけば自動で鍵をあけてくれること、など普段の生活の利便性が高まります。
ハブを設置すればインターネットに接続できるので外出先からも施錠の確認、閉め忘れていても外出先から施錠もできて安心です。
また、外出先から鍵を操作できるので、不意のお客様にも部屋の中で待ってもらえます。
老人のためにヘルパーを依頼していたりペットの見守りを依頼していたりすれば鍵を預けることに不安を感じることもありますが、スマートロックなら時間制限ができる臨時キーを相手のスマートフォンに送ることができ、不要になれば無効にするのも簡単です。
センサーをインターネットにつないで外出先から安全確認
防犯対策として紹介をしたハイテクな方法をスマートホームで利用します。
開閉センサーは2個の磁石が1対となっていて磁石の距離が離れたことを感知するようになっています。
人感センサーは赤外線などで人の動きを感知します。
センサーには窓の振動を感知するものもあります。
これらのセンサーをスマートホームのスピーカーに連携させてセンサーが感知すれば大音量のアラームを鳴らしたり警告する言葉を発したりするようにセットしておけば侵入犯は驚いて退散することでしょう。
また、センサーとネットワークカメラを接続しておけば侵入犯の動きを記録できるので警察に証拠として提供できます。
家の中にいればいちいち窓を点検しなくてもスマートフォンから全ての窓の戸締りを確認できます。
スマートホームならインターネットに接続しているので、外出先から戸締りの確認ができ、センサーが感知すればスマートフォンにも通知が届くので異常があったときはすぐに対処ができて安心です。
スマートホームサービスに相談をしましょう
このように防犯にも役立つスマートホームですが、初めて導入するときには何から始めたらよいのか戸惑うことも多いです。
センサーやネットワークカメラの選択からインターネットの接続まで、いろいろなメーカーから様々な機種が発売されているので迷ってしまいます。
なかには機種同士の相性が悪くて、せっかく購入してもうまく連携できないこともあります。
そのような不安や迷いがあればスマートホームサービスに相談するとよいでしょう。
スマートホームサービスでは、今までにいろいろなスマートホームを扱っているので機種同士の相性はもちろんのこと、今ある自宅に最適な設計をしてくれます。
侵入犯罪の傾向と対策を紹介してきました。しかし、侵入犯はつねに最新の手口を生み出しています。防犯意識を高く持ち、被害者にならないように努力を怠らないようにしましょう。