猫を留守番させる際の注意点。何時間までなら大丈夫?安全に留守番させるには

2022年2月22日は「2」が重なることから猫の鳴き声にちなんで「スーパー猫の日」とよばれました。最近は猫がもたらす経済効果が「ネコノミクス」とも呼ばれることもあり、猫がブームになっているのがわかります。
猫を飼う家庭が増えている中では、猫を住まいで留守番させる機会も増えているようです。では、猫を留守番させる際の注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、猫を留守番させる際のポイントについて解説します。
飼い猫を留守番させている家庭はどのくらいある?
では、実際に猫を飼っている世帯はどのくらいあるのか、最近の推移をデータから探ってみましょう。
猫を飼う人が増えている
新型コロナウイルス禍の影響により、外出を控え家にいる時間が増えたことから、2013年以降猫の飼育頭数は緩やかに増えてきていたところ、コロナ禍の影響により1年以内に猫を飼い始めた方はコロナ禍前の2019年と比較して2020年、2021年と連続して増加しています。
一般社団法人ペットフード協会が2021年に行った「全国犬猫飼育実態調査結果」を公表していますので、こちらの資料を引用します。
2021年の猫の飼育頭数は下表の通り8,946,000頭(推計)となっています。


この調査では同時に現在猫を飼っていない方に飼うことの「阻害要因」と飼っている方には「飼育のきっかけ」を尋ねていますのでその結果を紹介します。
阻害要因 非飼育者&飼育意向あり_猫(P.88)
1.集合住宅に住んでいて禁止されている 34.3%
2.旅行など長期の外出がしづらくなる 24.1%
3.別れがつらい 22.9%
4.死ぬとかわいそう 17.5%
5.お金がかかる 16.7%
飼育理由_猫(P.70)
1.過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから 28.8%
2.生活に癒し・安らぎが欲しかったから 27.9%
3.生活を充実させたいから 11.2%
「阻害要因」として2位に「旅行など長期の外出がしづらくなる」があがっています。
それでは次に飼い猫に留守番させている家庭はどれくらいあるのかをみてみましょう。
飼い猫をどれくらいの時間留守番させているの?
かわいがっている飼い猫となるべく長い時間一緒にいたいものですが、コロナ禍とはいえ必要な外出はさけられません。
飼い猫だけでどれくらいの時間留守番させているのか調査結果を2つ紹介します。

猫専門医のアドバイスで”解決”!猫のお留守番の心配ごと《Life&Smile Tips》 | au HOME
調査タイトル: ⽣活に関するアンケート/調査⽅法:インターネットリサーチ/調査期間:2017年9月7日~9月11日
調査対象:現在、猫を飼っている全国18歳以上の男⼥400名(Qzoo会員)
※ KDDI調べ

調査でわかった『猫の留守番』の実態! 安心なお留守番のためのチェックポイント解説
どちらの調査結果でも半数以上の方が5時間〜6時間以上飼い猫だけで留守番をさせていることがわかります。
もともと猫は単独行動を好む動物ですから飼い主がいないことをストレスと感じず、俗に「犬は人につき、猫は家につく」と言われるように自分の縄張りの自宅にいれば留守番も平気なようです。
このようなことから2泊3日程度なら慣れないペットホテルなどに預けるよりも、きちんと準備をして家で留守番をさせたほうが猫も安心して過ごせると言われています。
飼い猫に留守番させるときに心配に思っていること
それでは、先のKDDIの調査から飼い主は飼い猫だけに留守番をさせるときにどんなことを心配しているかを紹介します。

「猫専門医のアドバイスで”解決”!猫のお留守番の心配ごと《Life&Smile Tips》」より
室内温度や空調を心配している方が半数以上ともっとも多く、次いで水分補給ができているかを心配している方が半数以上いました。
留守番中の飼い猫がいたずらをしないか、食事や体調の心配をする方も多数います。
猫を長時間留守番させることでのトラブル・事故
猫は犬と比べて留守番が得意だといわれています。
しかし、そのような猫でも中には留守番中にトラブルをおこしてしまうこともあります。
ここでは、実際のトラブル事例と猫の気持ちに関する実験結果を紹介します。
猫を長時間留守番させることでどのようなトラブルや事故
飼い猫に留守番をさせたときに実際におこったトラブルのアンケート結果が公表されていますから引用して紹介します。
このアンケート結果では以下の順になっています。
- トイレの粗相
家族の服や一番信頼している飼い主の寝具に粗相をすることがあるようです。
- 物を壊された(物を散乱・噛み癖を含む)
- ゴミ漁り
- 脱走
- 誤飲
- その他
「その他」のトラブルにはさまざまなことがおこっています。
中には水道やエアコンのスイッチを猫が操作してしまい、床を水浸しにしてしまったりせっかくエアコンのスイッチを入れて外出したのに帰ってみれば部屋が蒸し風呂状態になってしまったりした事例も報告されています。

出典:
2019年7月SBIいきいき少額短期保険:映画『ペット2』応援キャンペーン「ペットとHappy!プレゼントキャンペーン」にて行った応募アンケート結果より集計。n=3,526(複数回答)
猫は何日間お留守番できる?【実録】トラブル事例から学ぶ準備・注意点 – 猫の生活
留守番している猫の気持ち
飼い主が離れていると猫は寂しいと感じているのか、興味深い実験結果が紹介されているので引用します(猫に留守番させるときの注意~部屋の準備・設定方法からNG行為一覧まで
)。
スウェーデン農業科学大学のチームが、室内飼いされている14頭の猫(メス9頭 | 6.2歳)と14人の飼い主(女性10名)を対象として行われました。
普段猫が暮らしている部屋にカメラを設置して、離れる時間を30分間と4時間に分けて実験したところ、4時間あけた時だけ再開後5分間のストレッチ行動とゴロゴロとのどを鳴らす行動が増えたようです。
この結果から調査チームは、猫は飼い主と長時間離れていることによって「甘えること」に対する欲求が高まったのではないかと推測しています。
猫は犬と違って単独行動が好きだといわれています。
しかし、子猫の時からずっと一緒に過ごしてきたような飼い主と猫との関係性によっては「分離不安」を覚える猫もいるようです。
分離不安を感じてしまうと留守番中のトラブルの原因になってしまいます。
飼い猫に留守番をさせる必要があるときには、早くから少しずつ飼い主と離れる時間をつくって飼い主がいない状況に慣れさせておくと安心です。
「さびしかったよ」猫からのサイン
外出先から帰ったとき猫が以下のような行動をとったときは、猫からの「さびしかった」のサインかもしれません。
十分に猫とコンタクトをとりなぐさめてあげてください。
- 帰宅したら猛ダッシュでお迎え
- スリスリとすり寄る
- 帰宅しても近寄らないで遠目で見ている
- 注意をひくためにわざといたずらをする
安心して猫を留守番させる工夫・アイデア
単独行動が好みで留守番が得意とされている猫ですが、飼い主との生活に慣れた「イエネコ」は格別です。
留守番中のトラブルを防ぐためにも、猫に寂しさを感じさせないように、また、留守番中も快適に過ごせる環境にしてあげましょう。
出かける前に確認しておきたい9つのこと
出かける前に以下の9つのことを確認し、安心して留守番できるようにしてあげましょう。
- 十分な水とフードを用意する
- トイレを清潔にする
- 室内をしっかり片付ける
- 猫の「お気に入りの場所」を整える
- 窓やドアの戸締りを確認する
- 室内を適温にする
- 子猫の場合はケージも有効
- おもちゃに気をつける
- 退屈させない工夫をする
十分な水とフードを用意する
猫にとって水が飲めないのは、とてもつらいことです。
量はいつもより多めに準備してあげましょう。
容器は倒してしまわないように、安定している底が広いものや足がついているものが適当です。
いつもより1つ以上多めに離れた場所に置いておけば万一倒すようなことがあっても安心です。
自動給水器や自動給餌器があれば、ずっときれいな水やフードが与えられるのでおすすめです。
トイレを清潔にする
留守中は掃除ができないので出かける前にきれいにしてあげましょう。
また留守番中にトイレが汚れても他のトイレがあれば猫も安心です。
システムトイレなどシートの取り換えが1週間程度不要なアイテムもありますから、このようなアイテムは留守番にはうってつけです。
室内をしっかり片付ける
倒れてしまいそうなものはないでしょうか?
万一の地震に備えてしっかりと家具を固定しておきましょう。
猫は扉やフタを開けてしまうことがあります。
ティッシュペーパーやテレビ・エアコンのリモコンなどは猫がさわってしまわないように、できれば猫が入れない部屋あるいは開けることができない引き出しなどにしまっておきましょう。
クッションなどのほつれがないか、ヒモなどが出ていないか誤飲・誤食のおそれがないように注意しましょう。
ゴミ箱もきれいに片付け、蓋をするか他の部屋におきましょう。
猫の「お気に入りの場所」を整える
猫が好んでいるお気に入りの場所があるはずです。
お気に入りの場所を整えてあげれば留守番中も快適に過ごせるでしょう。
窓やドアの戸締りを確認する
戸締まりは猫の脱走を防ぐだけでなく、もちろん防犯上も大切なことです。
猫がドアノブなどを開けてしまわないように、しっかりと固定できるものが理想的です。
室内を適温にする
夏だけでなく冬も室温には気をつけたいものです。
万一の停電に備えてペット用の冷感マットを用意してあげると安心です。
日向ぼっこができるような場所を、用意してあげると猫がリラックスできて喜ぶでしょう。
子猫の場合はケージも有効
生後間もない赤ちゃんのときは、留守番は無理ですが、3ヶ月以降であれば様子をみながら留守番をさせてもよいでしょう。
子猫の間は特に好奇心が旺盛でいたずらやけがをしてしまいがちです。
短い時間の留守番ならケージを利用することも可能です。
上下に移動できる段差があるケージなら退屈をせずに過ごせます。
おもちゃに気をつける
お気に入りのおもちゃがあれば猫の気分転換に役立ちます。
猫じゃらしなどは噛み千切ってしまうことがあるので避けましょう。
退屈させない工夫をする
外の景色が見えるようにしておくと猫の気分転換ができます。
キャットタワーで遊べるようにしておくと、一人遊びができて退屈せずに留守番しやすくなります。
スマートホーム環境での温度管理やスマートカメラでのペット見守り

スマートホーム環境であれば外出先から室内の温度の確認ができますし、スマートカメラを設置しておけば外出先から猫の様子を見ることができます。
スマートカメラをのぞいて猫が退屈しているようなら、スマートフォンから話しかけてあげると猫も安心するでしょう。
留守番させている猫がいたずらをしないか、また猫が病気をしているときには外出していても気になってしまいます。
そのようなときにはスマートカメラが役立ちます。
センサーが感知して動きがあれば自動で録画されるものや、猫を追尾して撮影してくれる機能があるアイテムもあります。
外出先から声をかけておやつをあげられるアイテムもありますから、このようなアイテムを利用すると猫に寂しい思いをさせずにすむでしょう。
スマートホームサービスに問い合わせる
スマートセンサーやスマートカメラ、スマートスイッチなどスマートホームと連携させれば安心して飼い猫に留守番をさせられます。
さまざまスマートホームアイテムがいろいろな企業から発売されています。
これらを自分で検索して選んでもアイテム同士の連携がうまくいかないようなおそれがあります。
スマートホームサービスなら、いろいろなスマートアイテムを扱っていますから、それぞれの環境に適した機器をすすめてくれるので安心です。
猫に安心して留守番をさせるために、事前にスマートホームサービスに相談してみてください。