猫の飼育に活用できるIoT機器を紹介。拡大するペットテック市場

コロナ禍でおうち時間が増加したことなどを理由として、ペットのなかでも猫を飼い始めた人が増えたそうです。しかしコロナ収束の兆しが見え始めた昨今、再び出勤などによって家を空ける機会が多くなったことで、猫やペットの飼育が難しくなってきた家庭もあるかもしれません。
そういったなかで注目されているのが、テクノロジーを活用したペット飼育、いわゆる「ペットテック」です。ペットテックとはどのようなものなのか、猫の飼育にどのように活用できるのかなどについて紹介します。
拡大する「ペットテック」市場
新型コロナウイルスの影響で自宅にいる時間が長くなったことからペットへの関心が高まっています。そんななか、ペット飼育者から注目されているのが「ペットテック」です。ペットテックはよりペットと快適に生活できる機器などを指しますが、どのような商品があるのでしょうか。ペットテックの概要と代表的な商品について紹介します。
ペットテックとは
ペットテックとはペットとテクノロジーを融合させた造語であり、ITなどを取り入れたペット商品などのことを指します。IoT化が主流となってきた現代において、ペットテックはいわば「IoTペットグッズ」のようなものを指します。コロナ渦によって在宅ワークをする方が増えたため単身者の方でもペットを飼う方も増えました。しかしコロナが落ち着き企業へ出社する方が増加したため、自宅にいる時間も減ったことがペットテックの注目を浴びた要因となっています。では実際どれくらい増えたのでしょうか。
ペットテックは年々増加傾向
2018年に矢野経済研究所が発表した「国内ペットテックの市場規模」では、以下の画像の通り年々増加しています。

コロナ渦となった2020年と比較すると現在の市場規模や約2倍にもなります。最近ではペットも家族の一員として考えられ始めています。欧米などでは「Pet Humanization」と呼ばれ、ペットも人間と同じ存在として扱われています。
そのような背景から日本のみならず、世界各国でペットテックの市場規模が拡大しています。その結果、世界のペットテックの市場規模は約6,000億円にもなると「Global Market Insights」が発表しています。年平均成長率(CAGR)も2023年から2032年の間で15%も上昇すると見込まれていることから、今後ますますペットテックの利用者と製品が増えることを想定できるでしょう。
ペットテックのメリット
ペットテックの市場規模が拡大した理由は、ペットが家族の一員として考えられ始めただけでなく、機器を使用することでさまざまなメリットがあるからです。
近年のペット用品はAIやITを使った製品も多く、遠隔操作が行える点が大きな魅力です。外出先でありながらもペットの状態を確認できたり、タイマーを設定することで自動的に餌をあげることが可能となります。ペットを飼いたいけど世話するのが手間と感じていた人も、自身で世話するポイントも少なくなりました。そのような背景もあり、ペットテックは今後ますます市場規模が拡大することが予想されます。ではどのような製品があるのでしょうか。
猫の飼育や健康管理にIoTが活用されている
では、ペットテックにはどのような機器があるのでしょうか。猫の飼育において活用されている代表的な機器を紹介します。
見守りカメラ
自宅に居なくてもスマホで家の中を確認できるため、常に猫の状況を確認できます。スマホアプリでカメラを遠隔操作し、おやつをあげる製品もあります。カメラをつけることで、飼い主が不在の時に何をしているかわかりようになりますが、特に夏場や冬場など気温の変化が起きた際、エアコンの調子が悪くなって体調を崩すことも考えられます。カメラを設置しておけば即座に駆けつけることもできるようになり、すぐに対処できるようになるメリットがあります。
自動給餌器・給水器
猫に自動で餌や水をあげる機器も登場しています。機器の中にストックし時間設定しておけば、わざわざ餌の準備をする手間が省けます。また見守りカメラのようにスマホアプリで遠隔操作できる製品もあります。
スマートトイ
運動不足やストレスを解消させるためのスマートトイは人気の高いペットテック機器です。スマホで遠隔操作することができ、遊ばせることが可能です。梅雨の時期など雨が降り続く際は外で散歩させるのが困難なケースも考えられます。その際スマートトイがあれば室内でも運動が可能となります。
GPS機能付き首輪
猫や犬が行方不明になった時に備え、GPS付きの首輪の人気が高まっています。ペットは一度行方不明になるとなかなか見つかるまで時間がかかります。近年ではSNSで探すケースも増えてきますが、飼い主の立場としては一日も早く見つかることを祈るでしょう。しかしGPSを設置しておけば安心して暮らせることが可能です。
猫やペットの飼育に活用できるスマートホーム

ペットテック機器はペットとより快適な生活を送るのに役立ちます。しかし昨今スマートホームとの相性も高いといわれています。スマートホームとはどのような住宅でペットとの相性が気になる方もいらっしゃるでしょう。これからペットを飼育されている方でマイホームの建築や購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
スマートホームとは
スマートハウスとはITとテクノロジーを融合させた住宅のことを指し、自宅のエネルギー消費量の効率化を図ることができます。昨今ウクライナ情勢などによってエネルギー不足が問題視されていることから、自宅のエネルギー消費量を抑えられ、電気料金などの節約につながります。またスマホアプリで自宅の設備を操作することもできるため、より快適な生活を送ることが可能です。たとえば以下のようなことができます。
- 外出先でエアコンを点けることが可能
- 外からでも照明をつけられる
- 鍵の施錠をスマホで確認できる
- 照明やテレビの操作をスマホ 1台でできる
- 室内の温度調整やエネルギー消費量を確認できる
より生活を快適にすることができるスマートホームですが、さらに太陽光パネルなどを設置すると蓄電も可能です。災害時停電が発生しても電気が使えるようになりメリットがあります。
スマートホームとペットの関連性
スマートホームにすることで室内をカメラで確認することができ、なおかつ室温調整が可能となります。室内で飼育されていることも多い猫は気温の変化に弱く、最悪の場合は死に至ることもあります。夏場にエアコンをつけ忘れたまま外出したり、冬場寒い環境のままにしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし猫を飼育するうえで室内の管理は重要です。スマートホームにすることで家の温度を管理調整できるため、猫にとっても安心できる住宅になります。
ペットテックの今後
今後はペットテックの機器はペットのヘルスケア分野で発達すると考えられます。人間と同様な扱いとされ始めたため、体調管理などができる機器が増えることが考えられます。たとえば体調の変化がわかる首輪やオンライン診断サービスなどです。スマホ1台で日々の体調管理をチェックすることができるようになるでしょう。