家電を遠隔操作するサービスや仕組みを解説。古い家電でも遠隔操作はできる?


家電製品を遠隔で操作するにはどのような準備や環境が必要なのでしょうか。また、古い家電機器であっても遠隔操作することは可能なのでしょうか。
今回は、家電を遠隔操作する際の仕組みやサービスの選び方などについて解説します。
家電を遠隔操作するための仕組みを解説
自宅にある家電を外出先から遠隔操作するためには、スマート家電がスマートフォンやWi-Fiに繋がっていることが不可欠です。
そのため、自宅に今ある家電にはインターネットに接続する機能がないので遠隔操作はできないとあきらめてしまいがちですが、スマートリモコンなどのデバイスを利用すれば、古い家電でも遠隔操作が可能です。
まずは改めて、家電を遠隔操作するその仕組みについて理解しましょう。
スマート家電とは
スマート家電はインターネットに接続できる機能が備わっている家電の総称です。
現在では、いろいろな家電がスマート家電として販売されています。
エアコン
冷蔵庫
テレビ
玄関のカギ
スマート家電には専用のアプリが用意されていて、スマートフォンにダウンロードしておけば外出先からも操作ができます。
また、自宅のエアコンからの情報がスマートフォンに届いて外出先から室内の温度を確認できますし、テレビのスイッチの切り忘れや、玄関ドアの施錠を確認することもできます。
スマート家電が遠隔操作できる仕組み
スマート家電を遠隔操作できるようにするためには自宅のネットワークに接続させることが必要です。スマート家電が遠隔操作できるのは、自宅のWi-Fiを通じてインターネットに繋がっているからです。
エアコンの温度設定をしたりテレビのチャンネルを変えたりするのも、スマート家電なら手元のスマートフォンやスマートスピーカーに話しかけるだけで操作ができます。その度にリモコンをさがす必要もなくなり快適です。
スマート家電をWi-Fiに接続させるには次のいずれかの方法によります。
自宅のWi-FiとSSIDとパスワードを入力する
WPSボタンを押して接続する
SSIDとパスワードを入力する方法は確実ですが、入力を面倒に感じることがあります。
WPSボタンを押す方法は簡単ですが、Wi-Fiルーターとスマート家電が離れていると繋がりにくいことがあります。
エアコンなどは高い位置に設置することが多いので、設置した後にWPSボタンを押してWi-Fiに接続することが難しいため注意しましょう。
スマート家電でできること
スマート家電を導入すれば暮らしが便利になるといわれています。では、具体的にスマート家電でできることには、どのようなものがあるのでしょうか。
スマート家電・家電の遠隔操作によって下記のようなことが可能になります。
スマートフォンから家電の操作ができる
スマートスピーカーを使えば音声で家電の操作ができる
遠隔地から自宅の家電の操作ができる
省エネ対策ができる
定型作業を自動化できる
スマートフォンから家電の操作ができる
ソファーに座ってテレビを見ながらエアコンの温度調節、照明の明るさを調節、ステレオの操作などが手元にあるスマートフォンだけで可能になります。
操作の度にリモコンを持ち換える必要がなくなり、移動するときもリモコンを持ち歩く手間もなくなります。
スマートスピーカーを使えば音声で家電の操作ができる
スマートスピーカーを利用すればスマートフォンも不要になります。
スピーカーに話しかけるだけで家電の操作が可能になるからです。
音声で家電の操作が可能ですから、炊事や掃除などで両手がふさがっていてもテレビやエアコンなどの操作ができてとても便利です。
遠隔地から自宅の家電の操作ができる
外出先から自宅の家電の操作が可能になります。
家電のスイッチの切り忘れが気になったらスマートフォンから確認できますし、帰宅途中でエアコンのスイッチを入れておけば家に帰ったときには快適な室温になっています。
また、遠隔地から操作できるため、スマートカメラはもちろん、電気ポットで湯沸しの頻度や入浴をいつしたのかなど、遠く離れて暮らしている両親や子どもの生活ぶりも確認できて安心です。
省エネ対策ができる
スマート家電が電源管理するため、省エネ対策になります。
照明やテレビの消し忘れがなくなって安心です。
定型作業を自動化できる
定型作業、たとえば次のような作業をスマート家電が自動でしてくれます。
朝目覚めるときにはお気に入りの音楽がステレオから流れる
カーテンを開ける
リビングの明かりをつける
食卓につく頃にはコーヒーメーカーがコーヒーを飲めるようにしてくれる
スマート家電の活用方法についてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:スマートホームでのスマート家電の活用方法を解説。アイデアやおすすめ方法を紹介
スマートリモコンの種類と特徴
スマートリモコンは、従来のリモコンに比べて多機能かつ利便性が高く、家電の操作をより簡単に行うことができます。スマートリモコンには、赤外線タイプ、Wi-Fiタイプ、スマートスピーカー連携タイプなど、いくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
赤外線タイプのスマートリモコン
赤外線タイプのスマートリモコンは、従来のリモコンと同様に赤外線を利用して家電を操作します。このタイプのスマートリモコンは、スマートフォンのアプリと連携することで、リモコンの機能を拡張することができます。アプリ上で各ボタンの設定を変更したり、マクロ機能を使って複数の操作を一度に実行したりすることが可能です。
赤外線タイプのメリットは、既存の家電に対応しやすいことです。赤外線を利用しているため、特別な設定をしなくても、従来のリモコンと同じように家電を操作できます。ただし、赤外線の到達範囲が限られているため、リモコンを家電に向けて操作する必要があります。
Wi-Fiタイプのスマートリモコン
Wi-Fiタイプのスマートリモコンは、家電とリモコンがWi-Fi経由で通信を行います。このタイプのリモコンは、赤外線の到達範囲に関係なく、家電を操作することができます。また、外出先からでも、インターネット経由で家電の操作が可能です。
Wi-Fiタイプの利点は、赤外線タイプに比べて通信距離が長いことと、外出先からの操作が可能なことです。一方で、家電側もWi-Fiに対応している必要があるため、対応機器が限られています。また、Wi-Fi環境が必要なため、設定が複雑になる場合があります。
スマートスピーカー連携タイプのスマートリモコン
スマートスピーカー連携タイプのスマートリモコンは、Amazon EchoやGoogle Home、Apple HomePodなどのスマートスピーカーと連携して、音声で家電を操作することができます。このタイプのリモコンは、赤外線やWi-Fiを利用して家電と通信を行います。
スマートスピーカー連携タイプの利点は、音声で家電を操作できる点です。手をふさがれている状態でも、音声で操作ができるため、利便性が高くなります。また、複数の家電を一括で操作することもできます。ただし、スマートスピーカーが必要になるため、コストが高くなる傾向があります。
スマートリモコンの設定方法
スマートリモコンを利用するためには、事前の設定が必要です。設定方法は、スマートリモコンのタイプによって異なります。
赤外線タイプの設定方法
赤外線タイプのスマートリモコンは、専用のアプリをスマートフォンにインストールして設定を行います。アプリを起動し、リモコンをスマートフォンに接続します。その後、アプリ上で家電のメーカーや型番を選択し、ボタンの割り当てを行います。
Wi-Fiタイプの設定方法
Wi-Fiタイプのスマートリモコンは、まず家電をWi-Fiネットワークに接続します。次に、専用のアプリをスマートフォンにインストールし、アプリ上でリモコンと家電を関連付けます。関連付けが完了したら、アプリ上で各ボタンの設定を行います。
スマートスピーカー連携の設定方法
スマートスピーカー連携タイプのスマートリモコンは、スマートスピーカーとリモコンを連携させる必要があります。連携方法は、スマートスピーカーの種類によって異なります。
Alexaとの連携手順
Alexaアプリを開き、メニューから「スキル」を選択します。
検索バーでリモコンのスキルを検索し、有効化します。
リモコンのアプリを開き、Alexaとの連携設定を行います。
Alexaアプリに戻り、デバイスの検出を行います。
検出されたデバイスを選択し、設定を完了します。
Google Homeとの連携手順
Google Homeアプリを開き、「デバイスを設定」を選択します。
「+」ボタンをタップし、「デバイスの設定」を選択します。
リモコンのアプリを開き、Google Homeとの連携設定を行います。
Google Homeアプリに戻り、デバイスの検出を行います。
検出されたデバイスを選択し、設定を完了します。
Siriとの連携手順
iPhoneの「設定」アプリを開き、「Siri と検索」を選択します。
「Siriからのサジェスト」をオンにします。
リモコンのアプリを開き、Siriとの連携設定を行います。
Siriに話しかけて、家電の操作を行います。
古い家電やリモコンのない家電は遠隔操作できる?
古い家電や赤外線リモコンがなくても家電の遠隔操作が可能です。
ここでは、古い家電や赤外線リモコンがない家電をスマート化させる方法を紹介します。
スマートリモコンを使えばリモコンの赤外線操作が可能
スマートリモコンを使えば、スマート家電を新しく購入しなくても今ある家電がスマート家電のように使えます。
スマートリモコンは赤外線リモコンの信号を記憶し、同じ信号を発信することが可能です。
そのため、いろいろな赤外線リモコンを一つのスマートリモコンにまとめることができます。
テーブルの上にずらっとリモコンが並んでしまい、置き場所に困ることはもうありません。
スマートリモコンは赤外線リモコンの代わりをしてくれるので、自宅にある家電がスマート家電でなくても、今ある家電がスマートリモコンを介してスマートフォンやスマートスピーカーと繋がり、自宅のスマートホーム化を進めることができます。
スマートプラグを利用する
スマートプラグはコンセント部分を直接Wi-Fiによって操作することができるデバイスです。「自宅の家電のオン・オフをスマートフォンやスマートスピーカーから操作したい」という目的なら、スマートプラグで十分です。また、古い家電や赤外線リモコンが使えない家電でも利用できます。
スマートプラグを利用できるのは以下の条件を満たしている家電です。
必要電圧が高くない
アース線がない
コンセントを抜き差しすれば利用できる
スマートプラグには対応電圧が制限されているものが多いので、購入前に使いたい家電の必要電圧を確認しておきましょう。
また、リモコンで操作する家電は、コンセントを抜き差ししただけでは運転を始めずに待機状態でストップするものがあります。このようなタイプだとスマートプラグは利用できません。
スマートスイッチを利用する

スマートスイッチはスマートフォンから操作できる指型ロボットです。
スマートスイッチの先端が指のように伸びていて、人の代わりにボタンを押してくれます。
ボタンがついている家電であればスマートスイッチでオン・オフなどを物理的に操作することが可能です。
お風呂の湯沸しスイッチにスマートスイッチを取り付けておけば外出先から湯沸しを始めて自宅に帰るとすぐにお風呂に入れるような使い方もできます。
スマートリモコンの選び方
スマートリモコンを選ぶ際は、自宅の家電に合ったタイプを選ぶことが重要です。また、必要な機能や予算に合ったモデルを選ぶことも大切です。
自宅の家電に合ったタイプの選択
自宅の家電がWi-Fiに対応しているかどうかを確認しましょう。Wi-Fiに対応している場合は、Wi-Fiタイプのスマートリモコンを選ぶことができます。対応していない場合は、赤外線タイプを選ぶ必要があります。また、スマートスピーカーを利用している場合は、スマートスピーカー連携タイプを選ぶのがおすすめです。
必要な機能の確認
スマートリモコンには、様々な機能があります。マクロ機能や外出先からの操作、音声操作など、必要な機能を確認しましょう。また、複数の家電を操作できるかどうかも確認が必要です。
予算に合ったモデルの選択
スマートリモコンの価格は、タイプや機能によって異なります。赤外線タイプは比較的安価ですが、Wi-Fiタイプやスマートスピーカー連携タイプは高価になる傾向があります。必要な機能を絞り込み、予算に合ったモデルを選びましょう。
以上がスマートリモコンの種類と特徴、設定方法、選び方についての解説でした。スマートリモコンを上手に活用することで、家電の操作がより便利になります。自宅の環境に合ったスマートリモコンを選び、快適なスマートライフを楽しんでください。
スマートリモコンの役割やおすすめの機器についてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:スマートホームにおけるスマートリモコンの役割やおすすめの機器を紹介
家電の遠隔操作、サービスを選ぶ際のポイント
家電の遠隔操作ができれば便利なので、自宅をスマートホーム化したいと思ったときに、自宅をスマートホーム化する方法には、次の方法があります。
スマートリモコンやスマートプラグを利用する
スマート家電を購入する
スマートホームサービスを利用する
いずれの方法にもメリットがある反面、デメリットもあります。
スマートリモコンやスマートプラグを利用するメリットやスマート家電のメリットはすでに解説しましたから、ここでは、それらの弱点やスマートホームサービスのメリットやデメリットについて紹介します。
スマートリモコンやスマートプラグ
今ある家電を手軽にスマート化できて便利なスマートリモコンやスマートプラグですが、以下のような弱点があります。
家電の状態まではわからない
操作可能な機能が限定されている
障害物に弱い
家電の状態はわからない
スマート家電が家電本体から直接インターネットに接続しているのに対して、スマートリモコンはリモコンの代替ですから、家電の状態はわかりません。
たとえば、スマートリモコンで接続している家電を一括オン・オフをしようとすると、照明などついていたものは消えても、消していたテレビのスイッチが逆に入ってしまうようなことがあるため注意が必要です。
操作可能な機能が限定されている
赤外線リモコンの機能全てをスマートリモコンに設定することができません。
スマートリモコンで操作できる機能は商品によって限定されていることがあり、どこまでの機能をスマートリモコンに移すことができるのか、事前に確認しましょう。
障害物に弱い
スマートリモコンは従来の赤外線リモコンのように、家電の操作には赤外線を使います。赤外線は障害物に弱いため壁などの障害物があれば操作できないおそれがあります。
できればスマートリモコンは1部屋に1台ずつ設置すると安心です。商品によってはBluetoothで家電と接続できるスマートリモコンもあり、利用目的によってはBluetoothで接続できるタイプを検討しましょう。
スマート家電
スマート家電は導入すると便利なものですが、初めての導入には次のような不安もあります。
スマート家電を購入したけど初期設定が難しい
部屋の壁や階段のせいで電波がうまく届かない
インターネットに繋がるのでセキュリティが心配
スマート家電を購入したけど初期設定が難しい
スマート家電はインターネットに繋がらなければ今までの家電と変わりません。
「SSIDやパスワードを入力してインターネットに接続」とか「WPSボタンで接続」と言われても、初めて導入する時はとまどってしまいます。
どうしても難しく感じるときには、手数料を払えば購入した電器店で搬入する時にセットしてくれる場合もあるため、購入する時に相談してみましょう。
部屋の壁や階段のせいで電波がうまく届かない
Wi-Fiを利用して接続するスマート家電ならある程度の距離や壁があっても利用できますが、Bluetoothだと電波が届かないこともあります。
スマート家電を利用する場面を想像しながら購入を検討しましょう。
インターネットに繋がるのでセキュリティが心配
インターネットに接続しますから、情報漏れの心配がありますので、セキュリティ保護に注意しましょう。
スマート家電の中には住所や名前などの個人情報を登録するものがあります。
住所や生活が知らない間に漏れてしまっているおそれもあります。
スマートホームサービス
スマートホームサービスのメリットやデメリットは以下のようになります。
メリット
導入が簡単
セキュリティが安心
デメリット
毎月料金がかかる
スマート家電の料金が相場よりも割高の場合がある
スマートホームサービスのメリットはなんといっても、導入が簡単なことです。
スマート家電の選定から中にはインターネット回線までがセットになっているサービスもあります。
また、インターネット上のセキュリティもセットになっていることが多く、インターネットを利用するうえでの個人情報漏れも安心です。
スマートホームサービスは保守も含めて継続的な契約になっていることが多く、毎月の料金負担が発生します。
また、スマート家電のメーカーが提供しているスマートホームサービスだとメーカー価格で販売していることが多いので、家電量販店やインターネット通販などから購入するよりも割高になることが多いです。
このような不安がある方にはいろいろなメーカーやスマート家電を扱う汎用性の高いスマートホームサービスもありますから、そのようなスマートホームサービスの利用を検討しましょう。




