寝不足に効果的な対策を紹介。健康上の問題や寝れない原因も解説
最近、寝不足だと感じている人は多いようです。寝不足だと頭の働きが悪くなり、生産性も落ちてしまいます。 では、なぜ人は寝不足になってしまうのでしょうか。寝不足になる理由や対処法、解消方法を知っておくと、生活も改善しやすくなります。今回は寝不足と、その対策方法について解説します。
寝不足・睡眠に問題を抱えている人は多い?
現在、日本で寝不足等の睡眠の問題を抱えている人はどの程度いるのでしょうか。
2022年にフジ医療器が行った「第9回睡眠に関する調査」によると、回答者の93.9%が睡眠に不満を感じていることがわかりました。
フジ医療器「第9回 睡眠に関する調査」より
同社は2014年から同様の調査を続けていますが、いずれも90%を超える結果となっています。このことから日本人の多くは、睡眠に対して問題を抱えていることがわかるでしょう。
フジ医療器「第9回 睡眠に関する調査」より
睡眠に関する不満について
具体的に回答者は、どのような睡眠の悩みを抱えているのでしょうか。 1番多かったのが、「疲れがとれない」という回答でした。睡眠時間が少ない、あるいは睡眠の質が低いこと等が原因として挙げられるでしょう。
フジ医療器「第9回 睡眠に関する調査」より
2番目は「何度か目が覚める」です。夜中に起きてしまうと、もう一度寝るまでに時間がかかり、朝になっても疲れが取れていないように感じます。 その他にも、「トイレが近い」、「朝すっきりと起きられない」、「眠りが浅い」といった回答も寄せられました。
年代ごとの悩み
睡眠に関する悩みは年代によっても異なります。 20〜30代では、「寝ても疲れがとれない」、「そもそも睡眠時間が満足にとれない」といった悩みが上位にきています。仕事が忙しく、十分な睡眠時間を確保するのが難しい人は少なくありません。 一方で、60~70代では、「何度か目が覚める」、「トイレが近い」といった悩みを抱えている人が多い結果となりました。高齢期に差し掛かると、これらの問題の発生率が高くなることがわかります。 このように、年代によっても人々が抱える悩みの傾向が異なることがわかるでしょう。
性別ごとの悩み
性別によっても睡眠に関する悩みは異なります。 男性の場合、最も回答数が多かった悩みは「トイレが近い」でした。次いで、「寝ても疲れがとれない」、「何度か目が覚める」と回答した人が多かったです。 女性の場合、最も多かった回答は「寝ても疲れが取れない」でした。その他には、「何度か目が覚める」、「眠りが浅い」と答えた人の数が多かったです。
日本人の睡眠時間について
日本人の睡眠時間は、他国と比較してどのような状況でしょうか。フィリップス・ジャパンが全世界で行っている睡眠に関する調査 によると、日本は中国、フランス、韓国、米国といった国々と比較して最も睡眠時間が短いという結果となりました。
フィリップス・ジャパンの調査より
推奨されている睡眠時間が7~9時間であるのに対して、日本の平日の平均睡眠時間は6.2時間、週末の睡眠時間は6.7時間といずれも推奨値を満たしていません。 さらに、睡眠に対する満足度も29%と低く、この数字は調査国の中でも最も低いものとなりました。睡眠時間が短いと体調不良になったり、鬱症状を発症しやすくなったりします。睡眠時間を確保できていない日本人は、より注意が必要でしょう。
寝不足の原因、睡眠の問題を放っておくと危ない?
日本人の多くが寝不足問題を抱えていますが、その原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
ストレス
前章で紹介したフジ医療器の調査によると、最も回答数が多かったのが「ストレス」でした。ストレスを抱えていると、安心して熟睡することが困難です。誰しも心配事があって、夜に眠れなくなった経験があるものです
加齢
「加齢」を原因にあげた人も多数いました。高齢になるにつれて睡眠が浅くなり、若い頃のように長時間、熟睡できなくなる傾向があります。そのため、起床時に疲れが抜けきっていないように感じる高齢者も多いようです。
手足の冷え
「手足の冷え」も睡眠不足の原因となっています。運動不足や食事内容の偏り等によって、手足が冷えてしまい、その結果睡眠の質が下がってしまっている方が多いです。冬はもちろん、暑い夏場もエアコンをつけたまま寝ると手足が冷えてしまうことがあるので、注意してください。
寝不足問題を放置することの危険性
寝不足のまま、生活を続けてしまうとどのような問題が発生するのでしょうか。 まず、日常生活における活動パフォーマンスが落ちてしまいます。社会人であれば日中は仕事をしている人がほとんどでしょう。しかし、睡眠不足の状態が続けば注意不足になったり、やる気が失われたりして、仕事のパフォーマンスが下がってしまいます。その結果、就労時間が長くなり、さらに寝不足になるという悪循環が続いてしまいます。 さらに、睡眠不足の状態が続くと鬱症状が発生する可能性が高くなります。寝不足のままだと常に気分が落ち込んでいる状態になり、鬱のような症状が出てきてしまいます。放置しておくと鬱になってしまい、日常生活を送るのが困難になってしまいます。
寝不足・睡眠問題の効果的な対策とは
寝不足になっている場合、どのような対策をとればいいのでしょうか。
睡眠前にスマホを見ない
寝る前にスマホを見る習慣がついている場合、その行為が睡眠の質を下げている可能性が高いです。スマホの画面からはブルーライトが発せられており、ブルーライトを浴びていると人間の脳は覚醒してしまいます。 そのため、就寝時間の数時間前にはスマホの電源を切ることが推奨されるでしょう。どうしても難しい場合は、ブルーライトカットシールをスクリーンに貼る、ブルーライトカットメガネを着用するなどの対策をとりましょう。
睡眠前の食事を控える
睡眠前に食事をとってしまうと睡眠の質が下がります。食事をした後、人間の体は食べ物を消化するためにエネルギーを使うため、深い眠りにつくことが難しくなります。寝る前に食べすぎてしまい、寝辛くなった経験がある人もいるでしょう。 寝る数時間前までには食事を済ませておく、難しい場合は食事の量を少なくする、といった対策をとってください。
IoT技術の活用
睡眠の質を上げるには、IoTを活用することも有効です。 例えば、IoTベッドは睡眠中にベッドの角度を自動で調整し、睡眠データも記録してくれます。より手軽なものだと、就寝時にスマートウォッチやスマートリングを身につけることで、自分の睡眠状況を把握することもできます。これらのデバイスを用いて自分の睡眠状況を把握することで、どのような状態の場合、より良質な睡眠をとれているのか、といった情報を得られます。これらのスマートデバイスを使用することも、睡眠不足の解消に有効でしょう。 また、これらのIoT機器をまとめて使用可能なスマートホームもおすすめです。ベッド、リング、照明、カーテンなどをスマートホーム内で連携させることで、より上質な体験を楽しめるでしょう。例えば、就寝時間が近くなれば、カーテンを閉じて、照明を暗くし、リラックスできる音楽をかける、といったプログラムを設定することも可能です。また、起床時にはカーテンを開ける、照明をつける、目覚まし代わりの音楽を流す、コーヒーをいれる、といった一連の動作を設定しておけば、目覚めも良くなるでしょう。 このように様々な工夫を施すことで、睡眠不足は解消できます。日本人の多くが睡眠に関する問題を抱えていますが、この問題は早期に解決する必要がある重大なものです。睡眠の質を高めるために、今回ご紹介した内容を試してみてください。