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スマートホームでできることを解説。スマートホームのメリットや導入方法とは

スマートホームとは一体、どのようなものか。また、スマートホームの現状とスマートホームに必要な危機を導入することできること、導入する際に注意すべきことを解説します。

そもそもスマートホームとは?

スマートホームやスマートハウスといった言葉を耳にすることが多くなりました。 スマートホームとスマートハウスの違いや、スマートホームの現状などを解説します。

スマートハウスとスマートホ-ムは違うの?

スマートハウスとは、HEMS(Home Energy Management System)を利用して家庭の電力消費が目に見えるようにすることで、省エネを最適化する住宅のことをいいます。   エネルギーを創り、蓄え、節約するコントロールシステムがHEMSです。   一方、スマートホームとは、IoT(Internet of Things)やAI機器を利用して、普段の生活に利便性や快適性、安全性などの向上を実現することや向上させることを目的とした住宅をいいます。   スマートハウスは制御システムを導入するイメージですが、スマートホームは便利さの向上のために求める機能・製品をその都度追加していくイメージです。   IoTとは、身近にある電化製品などのモノとインターネットがつながることで、住環境の利便性を向上させるテクノロジーを指します。

スマートホーム化による市場の伸び予測(総務省)

以下の表は、令和2年に総務省が今後のIoTの成長率を予測したデータです。

総務省|令和2年版 情報通信白書|IoTデバイスの急速な普及

スマートフォンなどの通信機器は広く普及しているため、今後の成長率は鈍く、スマートホーム化に利用されるスマート家電やIoT電子機器などコンシューマ部門が成長すると予測しています。

スマート家電の認知度

現状では、スマートホーム家電の認知度は高くありません。 以下の表は、ICT総研が2021年3月18日に公表したスマートホーム家電の利用動向に関する調査結果です。 こちらによるとスマートホームについて「聞いたことがない」と「聞いたことはあるが、意味は把握していない」とする回答が合計で73.44%となっており、「意味を把握している」人は26.7%と3割に満たない状況です。

2021年 スマートホーム家電の利用動向に関する調査|ICT総研【ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研】

この調査結果から耳にしたことはあるけれど、スマートホーム家電にはどのようなものがあるかに興味をもって具体的に利用する意欲をもつまでには至っていないことが分かります。

スマートホームで何ができる?

スマートホームで何ができるのか、実際にスマートホーム家電を利用した人が重視した点やどのような製品が利用されているかを俯瞰したうえで、具体的にスマートホームで何ができるかを解説します。

スマートホーム家電を選ぶ際に重視した点

以下のグラフは先のデータと同時に公表された資料です。 実際にスマートホーム家電を選ぶときにどのような点を重視して購入しているかを表しています。

2021年 スマートホーム家電の利用動向に関する調査|ICT総研【ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研】

今回の調査から、スマートホーム家電を選ぶときには、安定性や安心感を求めていることがわかります。 製品の機能・性能や価格が上位にくることは当然ですが、「クチコミの評判の良さ」 (17.4%)「保証内容・保証期間の長さ」( 15.5%)「メーカーのブランド力・認知度」 (14.8%)「説明書のわかりやすさ(日本語表記等)」( 14.6%)「国産メーカーであること」 (14.3%)がほぼ同じ割合でならんでいます。 スマートホーム家電市場には、大手の家電メーカーだけではなく海外のメーカーも参入しています。このためクチコミやメーカーのブランドによって安心できる製品を求める人が多いようです。

スマートホーム家電で利用される機器

利用されているスマートホーム家電ではスマートスピーカーが群を抜いています。

2021年 スマートホーム家電の利用動向に関する調査|ICT総研【ICTマーケティング・コンサルティング・市場調査はICT総研】

スマートスピーカーは、単にオーディオの音声発生装置ではなく、スマートスピーカー自体がスマートホーム家電であり他のスマートホーム家電と接続してこれらの指令基地の役割をするものです。そのため、スマートホーム家電を導入する際にはスマートスピーカーの利用が多くなります。

スマートホームでできること

ここまで、スマートホームやスマートホーム家電について概略をみてきましたが、スマートホーム化することで以下のことが可能です。 スマートホームにすることで、日々の生活に時間と心にゆとりをもたらせてくれます。
  1. スマートスピーカーを使って家電をハンズフリーで操作できる
  2. 照明やテレビをスマホでリモコン代わりに操作できる
  3. 外出先からエアコンなどの遠隔操作ができる
  4. 離れていても高齢者やペットの見守りができる
  5. ホームセキュリティを向上できる
  6. 省エネができる
  7. 健康管理ができる
詳しく解説します。

1.スマートスピーカーを使って家電をハンズフリーで操作できる

テレビやエアコン、ステレオなどリモコンで操作できる機器はたくさんありますが、その機器1つひとつにリモコンが必要なので、リモコンがたくさん並んでしまうことになってしまいます。 スマートスピーカーにすることで、スピーカーに話しかければ操作ができますから、リモコンが不要になることで機器のコントロールが楽になり、見た目もすっきりします。 日々の活動をスマートホーム家電に覚えさせれば、朝目覚めればカーテンをあけてくれて、証明やエアコンのスイッチを入れてくれるなど、ゆとりある朝の時間を提供してくれます。

2.照明やテレビをスマホでリモコン代わりに操作できる

ニュースを見たり、メールチェックをしたりなどスマホを肌身離さず持っている人が多いです。手放せないスマホから家電を操作できれば、リモコンをさがす手間が省けて便利です。

3.外出先からエアコンなどの遠隔操作ができる

外出した後に、エアコンやテレビのスイッチの切り忘れが心配になってもスマートホーム家電であれば外出先から確認して操作ができます。 また、帰宅する前にエアコンのスイッチを入れることができれば、暖かい状態の部屋に帰ることができます。

4.離れていても高齢者やペットの見守りができる

IoTによってカメラや電気ポットなどを利用して、日々の暮らしを遠くからでも見守ることができます。スマートホーム家電のスイッチを入れれば履歴を通知してくれるため、朝ごはんを炊いた時間やお茶を沸かした時間、お風呂に入った時間など遠くにいても、身近にいるように日々の生活を見守ることができます。

5.ホームセキュリティを向上できる

出かけた後になって自宅のカギをきちんとかけたか気になるときにも、スマートロックを利用していればカギの確認ができ、開閉もリモートで行なうことが可能です。 さらに、ネットワークカメラを設置しておけば留守にしても自宅の様子を見ることができるので防犯ができ、ペットの様子をみることもできます。

6.省エネができる

スマートホームにすることで、電源を自動で管理してくれますから照明やテレビをつけっぱなしにしてしまうことがありません。 電力の無駄遣いがなくなり節約になります。

7.健康管理ができる

睡眠中の呼吸や脈拍など睡眠中のデータを取得してくれますから、自分の睡眠を可視化できます。

スマートホームを導入する方法

スマートホームを導入するためのスマートホームに対応している家電にはどのようなものがあるのか、導入する前に準備すること、導入時の注意点を解説します。

スマートホーム対応家電

ここでは、次の3点を紹介します。
  1. スマートスピーカー
  2. スマートプラグ
  3. スマートセンサー

スマートスピーカー

先述のアンケートでも利用率がトップのデバイスです。 スマートスピーカーは他のスマートホーム家電と比べて安価に入手することができ、他の機器と接続することで用途が広がるため、最初に導入する人が多いデバイスです。 スマートスピーカーは、音を再生することはもちろん話しかければ音声で対応してくれます。 「音楽をかけて」といえば音楽を再生してくれますし、あらかじめリストを登録しておけばリストにある曲を選んでくれます。 また、スマホと同じようにさまざまなアプリがリリースされており、ニュースや天気予報、電車の運行情報などお気に入りの情報を提供してくれます。スマートスピーカーはIoT家電と接続することで、照明の点灯やテレビのスイッチの切り替えなど、声をかければ家電が反応してくれます。

スマートプラグ

スマートプラグはスマホやスマートスピーカーと接続することで、音声などで操作が可能になるデバイスです。 スマートプラグを導入すれば、電気の使用量が目に見えるため節電に効果的です。 照明や給湯器のお湯はり、炊飯器や電動シャッターなどにも取り付けることができます。

スマートセンサー

スマートセンサーは、人感センサーを搭載して人がいるときに照明を自動的にオンにしていなくなればオフにしてくれます。時間によって照度を調節してくれる機能もあるため、必要なときに適度な明るさを自動的に選んでくれます。

スマートホームを導入するには

スマートホームを導入する前に準備しておきたいことは3つあります。
  1. スマホを持っていること
  2. 自宅にWi-Fi環境があること
  3. 導入する目的を決めること

1.スマホを持っていること

スマートホーム家電はスマホを利用して操作します。 スマートホーム家電を導入するときにはスマホを使ってあらゆる設定を行ない、導入後はデータを確認する時にスマホを利用します。 そのため、スマホは欠かすことができません。

2.自宅にWi-Fi環境があること

ほとんどのスマートスピーカーやスマートリモコンはスマホとの接続はもちろんのこと、スマートホーム家電との接続にもWi-Fiを利用します。 そのため、Wi-Fi環境がなければ利用できる機能は大幅に限られます。

3.導入する目的を決めること

スマートホームは今の暮らしをより豊かにしてくれます。 そのため、導入する前に不便に感じていることや、あれば安心感が増すことをリストアップしてスマートホームで実現できることを検討しましょう。 例えば子どもがよくカギをかけ忘れてしまうとか、買い物して帰った時に両手がふさがり玄関のカギを便利に開けたいなどの需要があるはずです。

スマートホームを導入するときの注意点

スマートホームを導入する際に気をつけておきたいことが4つあります。
  1. 何をスマート化すると便利かを考える
  2. 同居する人の生活パターンを考える
  3. セキュリティ管理に気をつける
  4. コンセントの数は足りているか確認する

1.何をスマート化すると便利かを考える

スマートホーム家電を接続し、朝起きたら炊飯器のスイッチを入れる、部屋の照明をつけるなど毎日決まった作業は自動化されると便利です。 しかし、玄関やトイレの照明などは人がいるときに点けばよいので単にセンサーライトがあれば用が足ります。 逆に人がいる部屋にセンサーライトを使えば人がいるのにじっとしていれば照明が消えてしまうことがあります。 このように何をスマート化すると、今の生活がより便利になるかを考えましょう。

2.同居する人の生活パターンを考える

例えば、ある人の生活パターンにスマートホーム家電の設定を合わせてしまうと、その人が出かけてしまえば照明が消えてしまったり、エアコンがとまってしまったりすることがあれば不便です。 このおうに、家族が過ごす共有スペースであるリビングなどにスマートホーム家電を導入するとかえって不便になることもあります。

3.セキュリティ管理に気をつける

スマートホームはWi-Fiを利用しますからハッキングされるリスクがあります。 玄関のカギがスマートスピーカーと接続されていれば「玄関を開けて」と声をかけて他人が開けてしまうおそれがあります。 また、ガスコンロなどもスマートスピーカーと接続すればインターネットにつながって遠隔操作で点火されるおそれもあります。 このようにスマートホームは通信機能があるために便利な反面ハッキングされるリスクがあることに注意しましょう。

4.コンセントの数は足りているか確認する

スマートスピーカーやスマートリモコンなど、スマートホーム化をするためにはコンセントが必要です。 日本の家屋はコンセントの数が少ないため、部屋にスマートホーム家電を設置するだけのコンセントがあるのか確認しましょう。
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