
近年、テレビなどのメディアにおいて「スマートホーム」が取り上げられることが増えてきました。
音声操作や遠隔操作によって、家電を操作することができる等、様々なことが可能になるため、一見すると非常に便利なものに見えるでしょう。
しかし、いざスマートホーム製品を導入しようとしても、どこに相談するべきか分からない人も多いと思います。
そこで今回は新築物件をスマートホーム化する際のメリットと、実際に導入する方法について紹介していきましょう。
そもそもスマートホームとは
スマートホームとは、家の中にある家電製品をインターネットなどと接続して、スマホや音声操作などで遠隔操作、自動操作を行うことができる家のことを指します。
スマホなどのデバイスが普及していった結果、スマートホームは近年急激な拡大を見せており、インターネットに接続して操作ができる家電製品が増えてきました。
どのような家電製品があるのか
遠隔操作や自動で操作ができる家電には、どのようなことができるのでしょうか。
今回はその一例を紹介していきましょう。
- 外出先からエアコンが操作できる
- スマホを使って玄関ドアを遠隔で開閉操作できる
- テレビやエアコンなどのリモコンを、スマホ一つにまとめることができる
- 専用のカメラを設置することで、外出先でもスマホから家の中を確認することができる
上記以外にも様々な機能を持った製品が販売されているので、自分のライフスタイルに合いそうな製品を探してみるといいでしょう。
スマートホームの市場推移
スマートホームは急激な成長をしている市場であり、大手のAppleやAmazonなどの企業から、中小企業まで日々新しい製品の開発を進めています。
REPORTOCEANが2021年に発行したレポートによると、2020年の世界のスマートホーム市場は約765億ドルとなっており、2021年から2027年までに年平均で10.4%ほど成長すると見込まれています。
日本においてもスマートホーム関連の市場は右肩上がりとなっており、2025年には国内市場は4兆円規模になると予測が立てられています。

富士キメラ総研「スマートホーム市場総調査 2018」より
スマートホーム発祥である海外よりも遅れてはいますが、日本においてもスマートホームが注目されてきており、今後さらなる市場拡大が期待されているでしょう。
新築でスマートホームを導入することのメリット
住まいでスマートホーム環境を実現させるのであれば、新築の段階で検討することをおすすめします。
配線の問題をクリアすることができる
玄関ドアや照明器具の種類によっては、配線の都合上、後から導入することが難しい製品がいくつもあります。
また、仮に導入ができたとしても配線を綺麗に配置することができずに、せっかく便利な製品を導入したのに、配線が丸見えになって部屋が汚く見えてしまうこともあるでしょう。
しかし、 新築時にあらかじめ導入する製品を決めて建てることによって、後から導入が難しい製品であっても配線を綺麗に配置することができ、部屋の景観を損なうことはありません。
後から導入すると電波の問題で利用できないケースがある
スマートホームに導入する家電のほとんどはインターネットに接続して、遠隔操作を行います。
そこで問題になるのが電波の問題であり、土地や建物の構造の問題で電波が届きにくいケースが出てくる可能性があります。
せっかく、後からスマートホームにしようと製品を購入したとしても、通信環境が不安定になって上手く動作しないということになりかねません。
しかし、新築時にスマートホームを導入することによって、通信環境をあらかじめ調査を行い、通信に障害を及ぼさない構造で設計をしてもらうことによって、電波の問題をクリアすることができるでしょう。
新築物件をスマートホーム化するにはどこに相談すれば良い?

新築物件をスマートホーム化にしたいと考えたときに、どこに相談すればいいのか悩んでしまう人もいるでしょう。
家のことを考えるのならば、住宅を建築するハウスメーカーに相談しようと思うでしょうが、住宅を取り扱っている不動産会社、スマートホーム製品を取り扱っているスマートホームメーカーなど、様々な選択肢があります。
不動産会社は選択肢から外して良い!?
不動産会社は土地や家の売買や賃貸などを業務として行っている業者です。
新築のスマートホームを取り扱っている不動産会社はいくつか存在しますが、スマートホーム製品を専門で取り扱っている不動産会社はほとんどないでしょう。
そのため、不動産会社に対してスマートホーム化の相談をしたとしても、ハウスメーカーなどに連絡を取るだけで、直接的に解決してくれる可能性は低いでしょう。
ハウスメーカーやスマートホームメーカーは物件によって対応してくれない可能性がある
自分の住宅を建ててくれたハウスメーカーや、スマートホーム製品を取り扱っているメーカーに相談するのも1つの方法です。
ハウスメーカーでも、近年はスマートホームを推している企業が増えてきており、メーカーによってはすぐに対応をしてくれる可能性があります。
しかし、全てのハウスメーカーがスマートホームに対応している訳ではないので、規模が小さい工務店などではスマートホーム化が難しい場合もあるでしょう。さらに、前述したように後からスマートホーム化する場合は、建物の構造の問題によって導入が難しい製品も出てくるため、こちらが要求するスマートホームの形にならない場合も考えられます。
スマートホームメーカーも同様であり、家の構造の問題によって自社メーカーの製品の導入が難しいと判断する場合があります。
メーカーによっては他社製品を詳しく知っていて、他社の製品を紹介してくれる営業担当もいますが、そのような担当に出会う確率は高くはないでしょう。
スマートホームのプラットフォーマーは様々な製品を取り扱っている
IoT機器やスマートホームを制御するシステムを提供しているプラットフォーマーは、機器メーカーに縛られることなく、様々な製品を取り扱っています。
そのため、メーカーによっては導入が難しい製品であっても、他のメーカーの製品で導入が可能になるなど、製品の選択肢の幅が大きく広がるというメリットがあります。
ハウスメーカーやスマートホームメーカーでは取り扱っていない製品なども、数多く取り扱っていることもあるので、新しいスマートホーム製品が見つかるかもしれません。
日本国内においてスマートホーム市場は拡大傾向にありますが、それでも一般的に浸透しているとは言えません。
機械の取り扱いが苦手な高齢者世代にとっては、スマートホーム製品を取り扱うのはハードルが高く、若年層世代も詳しく知っている人は少ないでしょう。
しかし、今後の製品開発によっては安価で、使いやすいスマートホーム製品が次々と販売されていくと予想されます。
今後の市場拡大によっては全国各地でスマートホームが増えていくと期待ができるので、将来的にはスマートホームが当たり前の世界になるかもしれません。