マンションをIoT化。入居者やオーナーがIoT活用で実感できる効果とは?

マンションのIoT化とは?
次世代の住まいと注目を集めている「IoT住宅」。IoTとは「Internet of Things」の略で、さまざまなモノとインターネットを繋げる技術や仕組みのことです。
インターネットを通じて遠隔操作が可能となり、便利で快適な生活が実現します。
昨今、新築マンションにもIoTの設備が導入されています。パソコンやスマートフォンだけでなく、テレビや冷蔵庫、掃除機などの家電製品、ドアの開閉にもIoTが活用されるようになってきました。
一方、国土交通省では、IoT技術活用などの普及啓発を図るため、住宅関連事業者が取り組むIoT技術等を活用した住宅等のリーディングプロジェクト(振興)を支援しています。
IoT導入が注目される背景には、5G(第5世代移動通信)の登場や共働き世代増加による家事時短化、AI(人工知能)の発展などがあります。
また、不動産会社では、マンション販売やチラシなどの訴求ポイントとして「IoT・スマートホーム」「IoTマンション」を打ち出す企業も増えています。
「IoTマンション」では、どのような機器が使用されているのでしょうか?詳しく解説します。
マンション IoT機器の活用
スマートスピーカー
インターネットと接続して音声認識や音声操作を可能とするスピーカーです。AIアシスタントを搭載しています。AIアシスタントは、専用の機器だけでなくiPhoneやAndroidスマートフォンに搭載されていいます。
スマートスピーカーの用途
- 簡単な調べ物
- 音楽の再生
- 家電の操作
- スケジュール管理
- 書籍・サイト・ニュースの読み上げ
音声のみで作業ができるのでリモコンの操作が必要なくなります。また「ながら作業」が可能となります。
スマートロック
スマートフォンなどでWi-FiやBluetooth通信で接続し、鍵の開錠や施錠を行うことです。玄関扉でその都度鍵を用意する必要がなく、スマホ操作が可能となります。
さらに、アプリで操作する方法やICカードによる開錠・施錠ができる製品もあります。開閉履歴が残るタイプも登場しています。
IoT宅配ボックス
インターネットに接続可能な宅配ボックスで、宅配業者がQRコードやバーコードをかざして解錠・投函ができます。荷物が投函されると、宅配ボックス内で自動撮影されたものが利用者のスマホに届くサービスも登場しています。
マンション IoT導入事例
ネットワークカメラで防犯対策
ネットワークカメラを用いると遠隔操作で不審者の録画等も確認できるので、防犯対策に
活躍しています。
大手企業の導入
KDDIのIoTサービス「with HOME」やレオパレス21の「Leo Remocon (レオリモコン)」など、大手企業でIoT設備の導入が増えています。

賃貸経営の空室対策として
家電や照明、防犯カメラ等、さまざまなIoT設備を導入することで入居者の利便性が高まり、若い入居者を中心に物件への注目度を高めることができます。
マンション入居者のメリット
インターネット環境の利便性
インターネットを無料
物件選びでも人気の条件となっているインターネット無料の設備。全国賃貸住宅新聞が毎年発行している「入居者に人気の設備ランキング」で、インターネット無料の設備が単身向け物件、ファミリー向け物件ともに5年連続第1位を記録しています。
今や低コストで高品質なネット環境が導入できるので、インターネットが無料で使用できるマンションが増えています。
主なインターネット無料のプラン
Wi-Fiルーター設置プラン
LANケーブルを設置した有線とWi-Fiルーターを使用した無線の両方を使用できます。
Wi-Fiルーター埋込プラン
壁に埋込式のルーターを使用するプランです。
アクセスポイント設置プラン
Wi-Fiの電波を飛ばすアクセスポイントを建物の外壁などに設置するプランです。
快適な住環境
食料品の買い物がスムーズ
勤務先から冷蔵庫の中をチェックすることができるので、あらかじめ帰宅後のご飯メニューを決め、足りない食材があればスーパーに寄ることもできます。また、スマホからネットスーパーを利用することも可能です。
時短でストレスフリーの生活
スマートフォンでIoT設備を操作することにより、照明のオンオフ、スマートロックの開錠・施錠、高齢者の見守り装置、エアコンのスイッチなど、簡単な遠隔操作で快適な住環境の形成が期待できます。
電気代が節約できる
寝室の電気やキッチンの電気を消し忘れたことがあると思います。IoT家電を使うと、スマホの操作で外出先からも消すことができるので、消し忘れを防いでくれます。また、人感センサー内臓の製品では自動的にOFFとなる機能もあり、電気代の節約にも繋がります。
防犯・セキュリティの向上
単身女性のセキュリティ強化
ひとり暮らしの女性にとって、セキュリティ強化は外せないポイントです。ネットワーク対応の防犯カメラを使用すると、家にいるときや外出時でも過去の映像やリアルタイムの状況を確認することができます。
また、ネットワークカメラを設置することでマンションのゴミ出しなど、マナー向上にも繋がります。
子育て世代に安心安全の住まいが実現
人感センサーを設置すると、家の前に人が通ると自動点灯するので、防犯対策にもなります。合わせて玄関先にIoTカメラを設置することで、お子さんの帰宅した様子や宅配業者、
その他の訪問者をスマートフォンで確認することがでできます。
また、乳幼児のいる世帯では、家事の途中に様子を確認することもできますので、何かあればすぐに対応可能となり、子育ての不安が解消されます。
物件オーナーや管理会社のメリット
IoT設備の導入が増えているとは言っても、IoTマンションと言えるほどに、住環境とIoTが強く結びついた物件はまだまだ多くはありません。しかし「不動産テック」という言葉も定着し、IoTを活用したスマートホームも徐々にですが浸透してきています。
IoTを導入することで、不動産経営をする物件オーナーや、オーナーから物件の管理を委託されている管理会社にもメリットがあります。事例をあげながら解説します。
内見予約サービスの提供
スマートロックを活用することで、スムーズな物件内見を提供する不動産仲介・管理会社が出てきています。
内見希望者はスマホやPCからインターネットを経由して、簡単に物件のが予約でき、電子キーを用いて予約時間帯のみ、スマートフォンが鍵代わりとして、玄関扉を操作できるというものです。
事業者にとっては、内見対応の手間が減ります。
物件を差別化できる
賃貸のスマートハウス化で物件の付加価値を提供できるので、競合物件との差別化が図れます。スマートロックやスマートリモコンを活用することにより、日常生活の効率や利便性が向上します。便利な賃貸物件として、他の物件との差別化につながります。
IoTマンションの賃貸管理
不審者対策

最新の防犯機器で防犯性能を高めることができます。IoT防犯センサーでは異常を察知すると入居者やセキュリティ会社へ自動通知することができます。スマホ対応のモニター付きインターフォンなどでは、モニター付きインターフォンがない賃貸住宅であっても、安価に同様の機能を提供することができます。また留守番をしている子どもやペットの安全を外出先から確認するといった利用方法もあります。こういったメリットを訴求して、女性入居者やファミリー向けにアピールができます。
IoT設備の導入で、入居者率アップの事例も増えてきています。
家賃アップ
IoTマンションは、入居者の利便性やより良い快適な住環境を提供します。まだ同様の機能を持った賃貸住宅は少ないので、家賃アップも狙えます。最新の設備を望む入居者へしっかりPRしましょう。