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IoTの活用が変える不動産業界の今とこれから【不動産×テクノロジー】

ITの分野において耳にすることの多くなった「IoT」というワード。実は最新のテクノロジー領域以外においても、ごく身近なところでもIoTは今後浸透してくると言われています。当然のことながら、不動産の分野も例外ではありません。今回はIoTによって不動産業界はどのように変化していくのか、いくつかの事例も交えながら詳しく紹介していきます。

IoTとは?

そもそもIoTとは何なのでしょうか。IoTとは「Internet of Things」の頭文字を取った言葉で、日本語に直訳すると「モノのインターネット」ともよばれています。これまではインターネットに接続する端末といえばパソコンやスマートフォン、タブレットなどが中心でしたが、最近になってスマートスピーカーやテレビ、家電製品などもインターネットに接続できるものが続々と登場してきています。 しかし、本格的なIoTの時代が到来すると、一見インターネットとの親和性がないようなものであってもネットワークに接続され、さまざまなデータを収集することができるようになります。

不動産分野へのIoT活用事例

IoTの概要は分かったものの、実際に不動産業界においてどのような活用方法があるのか、具体的にはイメージがしづらい方も多いことでしょう。そこで、不動産分野においてIoTが活用できると考えられる具体的な事例を見ていきましょう。

施錠システムのIoT化

自宅の施錠をする際に物理的なカギではなく、スマートフォンと連携してロックできる「スマートロック」というソリューションがあります。これはその名の通りスマートフォンの専用アプリからカギの施錠を行い、しっかりと施錠されたかを確認できる仕組みのもの。もちろん遠隔からも操作が可能で、うっかりカギをかけ忘れてしまって外出先で不安になることもなくなります。

「SpaceCore」には対応した
IoTデバイスがあります

Danalock V3(ダナロック ブイスリー)

施錠、解錠を遠隔で操作できるスマートロック「Danalock V3」。スマホアプリから操作履歴を確認できるので、セキュリティも安心です。

Danalock V3を詳しく見る

・テレビドアホンのIoT化

来訪者を確認できるテレビドアホンは、当然のことながら自宅にいなければ会話することができません。しかし、これがIoTによってネットワークに接続されるようになると、外出先でもスマートフォン経由で会話が可能になり、不在中であっても要件を確認できるようになります。IoTに対応したテレビドアホンはWiFiによって接続されるため、従来のように設置工事や配線処理も不要になります。

・スマートメーター

電気やガスの使用量を計測するために、各社はメーター計測のため担当者が各戸を回っています。しかし、電気やガスのメーターにネットワークが接続されるようになると、電気やガスの提供会社は管理コストも減るとされています。不動産を提供する側や入居者にとってメリットは少ないと感じるかもしれませんが、スマートメーターは30分おきに使用量を送信しているため、特に電気においては安定的な電力供給に結びつき、停電などのリスクも減ることになります。

HEMSのIoT化

HEMSとは電気やガスの使用量を専用のモニターで確認し、自動制御によってエネルギーの最適化を図る設備です。家電製品がIoTに対応している必要があるものの、HEMSが採用されている不動産物件は価値が高いとされています。

トイレのIoT化

トイレのドアにセンサーを取り付け、スマートフォンやWEB上でトイレの混雑具合を把握する仕組みです。これは一般住宅ではなく、大規模なオフィスビルを中心に採用され始めています。不特定多数の人が出入りする場所においては、今後さらに拡がってくるのではないかと期待されています。

IoT導入によって得られる不動産事業者のメリット

不動産事業者のなかにはIoTを使ったソリューションを積極的に取り入れていく動きも活発化しています。IoTを活用することによって、不動産事業者にとってどのようなメリットが得られるのでしょうか。

IoTによる不動産価値の向上

従来の不動産といえば、住居やビルといった単なる「箱」を提供するものでしたが、IoTを活用することによって入居者の利便性を考慮した設備が整うことになります。いわば不動産に対してIoTによって付加価値を与え、より先進的で魅力的な不動産物件を提供することが可能になります。 不動産のIoT化は既存の建物や住宅に対しても手軽に実行でき、建物の建て替えやリノベーションなどをすることなく実装可能なものがほとんどです。コストも最小限に抑えられるため、コストパフォーマンスは高いといえるでしょう。

入居者の高齢化対策

少子高齢化にともない、高齢者の一人暮らし世帯が増えています。そこで問題となるのが、入居者に対して健康上の危険が及んだ場合です。仮に一人暮らしの高齢者が自宅で亡くなってしまうと、発見が遅くなってしまうことも十分考えられることです。結果として住宅の原状回復に多額の費用がかかり、それが補償されないことにもつながってしまいます。IoTによって入居者の状態が家族や友人、知人で把握できる仕組みが整っていれば、不幸な事故を未然に防ぐことにも役立ちます。

「SpaceCore」には対応した
IoTデバイスがあります

CUBE Motion Sensor(モーションセンサー)

動体感知をトリガーにして照明やエアコンを自動ONや、アプリへ通知を送ることが可能です。

Motion Sensorを詳しく見る

IoTで変わる不動産業界の未来

不動産業界に限らず、IoTの活用はまだまだ始まったばかりであり、黎明期にあることは間違いありません。しかし、だからこそいち早くIoTを活用した不動産は価値が高く、多くの人の注目を集めることにもつながっていくはずです。

これまでの不動産業界は、より魅力的な街に魅力的な建物があり、それが価値として認識されてきました。もちろん、住宅の広さや設備、清潔さなども大きなポイントといえます。

これからの不動産業界は、それらのようなポイントに加えて、さらにIoTという先進的なテクノロジーに対応しているか否かが新たな価値観として生まれてくるのではないでしょうか。 不動産におけるIoTは、建物の建て替えやリノベーションも必要ないため設備投資も少なくて済みます。手頃なコストで大きな資産価値を生む不動産に変えることもできるため、今後も不動産業界におけるIoTの進化はぜひ注目していきましょう。

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