IoTでできること。IoT製品が家にもたらす変化とは
IoT製品は、外出先からスマートフォンアプリでエアコンのスイッチを入れたり家にいるペットの様子を見たりすることができることから、賃貸入居者にも人気があります。
物件オーナーから見れば「賃貸物件なのにIoT設備は必要だろうか?」と疑問に感じるポイントかもしれませんが、全国賃貸住宅新聞の「入居者の人気設備ランキング」によれば、人気上位の半数近くがIoT関連製品です。
2021年現在、IoTの導入は他物件との差別化につながっていることがわかります。そこで今回は、具体的なIoT製品の特徴と、IoT製品が家にもたらす変化を紹介します。

IoT製品を5つ紹介
最近は配線工事不要にも関わらず、高性能の製品が主流です。容易に導入できる点が支持されています。
まずは、特にニーズの高いIoT製品を5つ紹介します。
スマート宅配ボックス
留守でも荷物を受け取ることができる宅配ボックスは、コンパクトに階段下や建物のデッドスペースに置くことができます。コロナ禍で非対面が一般的となり、置き配が当たり前の現代では必要な製品といえるでしょう。
スマート宅配ボックスは、従来の宅配ボックスをインターネットに接続することで、荷物の到着をスマホに通知することや、スマホでボックスの施錠管理をできるようにするIoT製品です。

例えば、サンワサプライの「スマート宅配ロッカー」などがこれにあたります。宅配ボックスに荷物を入れられたことが通知されることに留まらず、庫内のカメラによる自動撮影やQRコードでの解錠など、便利な機能が満載です。
スマート防犯カメラ
従来より、セキュリティを高め入居者に安心してもらうために、エントランスホールや駐車場近辺などに防犯カメラを設置することは多かったと思います。
最近は防犯カメラも進化しており、様々なタイプが開発されています。
例えば、新鋭の「スマート防犯カメラ」は、大容量バッテリー内蔵で3カ月稼働可能なため配線工事が不要です。ソーラーパネルが搭載されていることや、ペットや人など、動くものに反応して撮影することもポイントです。

インターネットに接続しているため、スマホのマイクを通して声を発することもできます。
スマホ対応インターホン
IoT製品としてのインターホンは、スマホから訪問者に対応することができます。
外出先から対応することができるため、置き配の依頼や訪問者の確認、子供の帰宅を確認することもできます。また、室内にいてもスマホで対応できるため、わざわざ受話器を取りに行くという手間がありません。
スマートロック
スマートロックは、賃貸住宅だけでなくホテルでも利用が増えています。物件オーナーとしては入退去の度に鍵の取り換える必要がないため、費用や手間を減らすことができます。
利用者には、パスワードの変更をしたり鍵のかけ忘れを確認できたりするというメリットがあります。また、スマートロックは出先からでも鍵の解錠履歴を確認することができるため、防犯や子供の帰宅確認にも活用できます。
スマートリモコン・スピーカー
スマートリモコンは、アプリや専用リモコンにより、家中の家電の電源のオンオフ管理をすることができます。帰宅する時間に合わせてエアコンのスイッチを入れておくなど、遠隔操作に長けたIoT製品です。
スマートスピーカーは、スマートリモコンと同様のことを、手動でなく声で操作するIoT製品です。家電の管理だけではなく音楽をながしたり、ニュースや天気予報を聞いたり、調べ物や簡単な会話をすることもできます。
最近は初めからスマートリモコン・スピーカーに対応した製品も増えていますが、まだまだ非対応のものあります。
その場合は、専用パーツを外付けすることで簡単にスマートリモコン・スピーカー対応の家電に変えることができる製品がおすすめです。コストが安く済むため、物件オーナーの導入ハードルを下げることができるでしょう。
IoT化実現のために必要な設備
IoT製品は「モノのインターネット」と称されます。そのため、導入するには賃貸物件にインターネットが完備されている必要があります。
入居者が個別にインターネット契約をするのではなく、物件オーナーが契約し、Wi-Fi設備を導入済みの物件としておく方がスムーズに導入できるはずです。
多少のランニングコストがあっても、設備を整えれば、「インターネット無料のIoT物件」として入居希望者への大きなアピールとなることでしょう。
IoTでできること・できるようになること
住宅設備としてのIoTだけでなく、IoTによりできることや今後できるようになることは、無数にあるといわれています。もう少し踏み込んだIoT製品のメリットを紹介します。
オンライン診療・見守り介護

オンライン診療や見守り介護と呼ばれる分野が、IoT製品によりさらに発展するといわれています。
例えば、利用者がウェアラブル端末を着用することで、手軽に心拍などの医療データを収集・管理し、医師との共有が可能になる製品が多数登場しています。
また、毎日の電気使用量で入居者の活動状況を把握し、異変が起きれば家族や病院へ連絡がいくというようなIoT製品もあります。
2020年後半には、コロナウィルスにより異変が起きていたにも関わらず、それが発見されなかったというニュースもありました。
物件オーナーとしては、所有物件での孤独死や事故は極力避けたいところです。これらのIoT製品は、入居者に起こるトラブルを解決するだけでなく、賃貸物件のリスクヘッジとしても活躍が期待されます。
駐車場のIoT化
駐車場のIoTといえば、カメラセンサーによって空き状況を管理することができるものが一般的です。空き状況管理により、ドライバーは目当ての駐車場に確実に停めることができ、物件オーナーは空車を減らし収益性を高めることができます。
近年はそこから派生し、IoTにより空きスペースで入居者や近隣住民がカーシェアリングできるものや、カラーコーンを置くだけで遊休地を駐車場にすることができるものまで、様々なIoT製品が誕生しています。
こうした製品やサービスが一般化していけば、遊休地を有効に活用でき、入居者の利便性を高めることができるでしょう。
ロボットコンシェルジュ
マンションの管理人をロボット化したものが、ロボットコンシェルジュです。タワーマンションなど大規模住宅のフロントで入居者への対応をしたり、住宅設備のSOSを受け付けたりする役割があります。
IoT製品は、入居者の便利で・安心・安全をサポートしてくれます。物件オーナーとしては、賃貸物件に導入し他の物件との差別化をはかるために検討しておきたいところです。