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民泊事業における鍵の受け渡しを効率化。スマートロックの選び方やポイントを紹介

民泊事業の運営において、鍵の管理や受け渡しは労力のかかる業務の1つです。

では、鍵の受け渡しを効率化させる方法にはどのようなものがあるのでしょうか。民泊物件に導入するスマートロックの選び方などについても紹介します。

民泊運営における鍵管理・受け渡しの方法

民泊運営を行うなかで、煩雑になりがちな鍵の管理や宿泊者との受け渡しには、どのような方法があるのでしょうか。

会って受け渡し

一番シンプルな方法は、オーナーとゲストが直接会って鍵を渡す方法です。オーナーが待ち合わせ場所にすぐ行ける、時間の融通が利くのであれば問題ありません。

メリットは、対面して本人をチェックできるということです。

デメリットは、オーナーが時間拘束されてしまうことです。また、ゲストが必ず約束の時間に来てくれるとは限りません。場合によっては、急な時間変更に対応する必要があります。

キーボックス

鍵渡しで一番主流な方法は、郵便ポストの中や共用部にキーボックスを置き、キーボックスの中に鍵を入れておく方法です。

直接会う手間を省けますが、セキュリティ面の不安があります。鍵を複製されるリスクもありますし、キーボックスの暗証番号も頻繁に変更しなければなりません。

コンビニエンスストアの鍵受け渡しサービス

コンビニエンスストアに設置されているキーボックスに鍵を入れておき、オーナーがゲストにキーボックスのアクセス権を付与して、鍵の受け渡しができます。同じキーボックスに鍵を返却してもらい、返却されると、オーナーにメールが届きます。

メリットは、鍵を渡す手間を省けることです。また、ゲストごとにアクセス権が変更でき、有効期限の設定も可能です。

デメリットは、民泊施設の近くに鍵受け渡しサービスを提供しているコンビニエンスストアがないと不便なことです。民泊施設が敬遠されるリスクになります。

スマホを利用したスマートロック

最近主流の方法は、スマートロックで解錠する方法です。あらかじめ、扉にスマートロックを設置しておき、アプリで解錠、あるいは、設置されたパネルに暗証番号を入力して解錠する方法です。

メリットは、チェックインとチェックアウトの時間、有効期限が設定できることです。設定した時間の範囲外ではスマートロックは動作しません。

ただし、ゲストがあまりスマホ操作に慣れていなかったり、スマホの充電が切れていたりすると解錠しにくいというデメリットがあります。また、スマートロックの導入コストがかかることにも注意しましょう。

スマートロックなら、物理的な鍵が存在しないため、複製や紛失される心配もありません。一度導入してしまえば、セキュリティ性が高く、利便性も良いので一番おすすめの方法といえます。

民泊で活用されるスマートロック選びのポイント

では、民泊物件にスマートロックを導入する際の製品を選ぶポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。

解錠方法で選ぶ

スマートロックの解錠方法で代表的なものは以下の3つです。

暗証番号

民泊におすすめの解錠方法は、暗証番号での解錠です。ゲストがインターネットに慣れていない高齢者や外国人宿泊者だった場合でも、メールなどで暗証番号を伝えるだけなので、解錠できない可能性が低くなります。

ICカード

ICカードも、誰でも解錠できて便利です。

しかし、ICカードの受け渡しや事前に宿泊者が持っているICカードの登録などが必要になるため、民泊には向いていないかもしれません。

スマホアプリ

スマホアプリでの解錠は、アプリが日本語にしか対応していないこともあるため、英語、中国語、韓国語など、民泊を利用するであろう外国人の母国語に対応しているかあらかじめチェックしてからの導入をおすすめします。

設置方法で選ぶ

スマートロックの設置方法には、大きく以下の3つの方法があります。

穴あけ工事で設置する

民泊におすすめするスマートロックの設置方法は、扉に穴をあけ設置する方法です。扉に穴をあけスマートロックを固定するため、スマートロックが外れるなどトラブルの心配がありません。また、宿泊サイトと連携できることも大きなメリットです。

ただし、扉の穴あけ工事が必要になるため、賃貸住宅では導入できません。

粘着テープで貼り付ける

スマートロックを粘着テープで扉に貼り付けて設置する方法は、配線工事の必要がありません。また、穴をあけずに粘着テープだけで簡単に設置でき、賃貸住宅にも導入できるというメリットがあります。

デメリットは、スマートロックの固定が弱くなってくる可能性があるため、セキュリティ面に不安が残ることです。

シリンダーを交換する

シリンダー交換によるスマートロックの設置方法は、鍵穴部分のみを交換します。そのため、貼り付けるよりも、しっかりと扉にスマートロックが固定され、賃貸住宅にも導入できます。

電気錠タイプのものもあり、その場合は配線工事が必要になるため、注意が必要です。

宿泊サイトとの連携で選ぶ

穴あけ工事して設置するタイプのスマートロックには、宿泊サイトの物件情報に、スマートロックの連動を設定できるものがあります。

宿泊サイトから宿泊予約が入ると、自動で暗証番号が発行されます。この暗証番号は、ゲストだけが知るのではなく、オーナーにも共有されるので安心です。

また、宿泊サイトからの複数の予約データが専用のプラットフォームに送信され、一画面で管理しやすいため、複数の民泊施設を所有するオーナーに向いています。

民泊物件をスマートホーム化し顧客満足度を向上させる

民泊物件を利用する人の多くが、旅行や観光を目的とした旅行客です。そういった宿泊客は民泊物件にも高いホスピタリティや利便性の高い宿泊体験を求めています。

スマートロックだけでなく、物件全体がインターネットと接続され相互に連動するスマートホーム環境にすれば、ほかの民泊物件との差別化や顧客満足度の向上につながるかもしれません。

スマートホームによって、リモコンをひとつに集約する

民泊では、扉にスマートロックを導入するだけでなく、民泊施設の室内もスマートホーム化すると、ゲストの顧客満足度が大きく上がります。

民泊を利用する多くの外国人は、日本語表記のリモコンに慣れていません。エアコンの冷房と暖房の切り替えだけでも難しく感じてしまいます。快適な室温にできないというだけでも顧客満足度は下がってしまいます。

スマートホーム化した民泊施設であればこうした問題を解決できます。室内に専用アプリをインストールしたデバイスを置いておき、デバイスにリモコン操作を集約しておけば、日本語に慣れていない外国人であっても、余計な手間を取らせず、快適に過ごしてもらえます。もし操作が分からなかったとしても、遠隔操作で対応できるので、現地に駆けつける必要がありません。

ゲストとのコミュニケーションツールをひとつに集約する

民泊の室内に専用アプリをインストールしたタブレットやデバイスを設置することで、ゲストとの連絡も専用アプリ内のチャットで完結します。

コミュニケーションツールをひとつに集約しておくことで、ゲストは余計なストレスを感じる必要がありません。また、滞在中に不明点があっても、専用アプリ内で簡単に問い合わせできます。

オーナーにとっても、ゲストごとにコミュニケーションツールを使い分ける必要がないため、複数の民泊施設を提供している場合も、管理がシンプルになり効率的です。

旅行者向けIoTデバイスを導入する

民泊に、旅行者向けIoTデバイスのスマートフォンなどを導入することで、ゲストの顧客満足度を大きく向上させられます。あらかじめ、民泊オーナーが専用のスマートフォンをレンタルして施設に置いておくことで、ホテルのコンシェルジュサービスが追加されるイメージです。

専用のスマートフォンには、コンシェルジュアプリがインストールされています。ゲストの要望に対して、複数の言語を話せるコンシェルジュが24時間チャットで応じてくれます。また、音声ガイド機能、レストランやタクシーの予約、テザリング機能を使ったWi-Fi、翻訳機能なども受けられます。

さらに、コンシェルジュアプリは、ゲストの行動履歴や属性などのデータを収集しています。データを分析することで、民泊サービス改善や向上を図り、ほかの民泊施設との差別化や顧客満足度の向上が期待できます。

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