賃貸物件における人気設備を紹介。最新の設備や機器導入による影響も紹介

賃貸経営において、空室を生まない、発生した空室に対して即座に入居者を見つける、といった対応は非常に重要です。長く入居者に住んでもらう、すぐに新しい入居者が決まるためには、物件に入居者が求めている設備が備わっているのかが重要なポイントです。
では、入居者が求めている人気設備や最新設備にはどのようなものがあるのでしょうか。
賃貸物件における人気設備を解説
賃貸物件における人気設備はどのようなものがあるのか、人気設備を導入することでどのような影響があり効果があるかについて紹介します。
入居者が求めている設備、インターネット無料が№1
全国賃貸住宅新聞が発表した「入居者に人気の設備ランキング2022」によると、2022年の賃貸物件における人気設備は、単身向け・ファミリー向け物件それぞれにおいて、2021年に続いて「インターネット無料」が1位となりました。

人気第1位の「インターネット無料」は2021年に続いての1位獲得で、根強い人気を示しています。単身者向けで第2位となっている「エントランスのオートロック」は、2021年に第3位と順位を落としたものの今回の調査で第2位になりました。
第3位の「高速インターネット」は2021年にランキング初登場で第4位となり今回第3位と順位を伸ばしました。
ファミリー向けでは「追いだき機能」が第5位から2位に躍進しています。単身者向け、ファミリー向けとも「宅配ボックス」が2021年は3位以内にランキングしていたものの今回上位から脱落しています。
独身者向けのランキングではインターネット関連や「浴室換気乾燥機」「独立洗面台」「システムキッチン」などの生活の利便性に関連するものが安定してランキング入りしており、「エントランスのオートロック」「防犯カメラ」などのセキュリティ関連がランキングを伸ばしていることが注目されます。ファミリー向けでは、インターネット関連は安定しており、「追いだき機能」「ガレージ」などより生活を豊かにするものがランキングを伸ばしていることが特長です。
では、人気設備ランキング上位だったそれぞれの設備について詳しく見てみましょう。
インターネット無料(高速インターネット)
近年ではスマートフォンが手放せないほど普段の生活に浸透していることや2020年初頭からの新型コロナウィルスの影響によって在宅ワークやオンライン授業が増加しています。いまやインターネットは欠かせない設備となっており、通信量の増加からインターネット環境の有無や通信速度は部屋選びにおける重要な尺度になっているようです。
無料のインターネット設備がなければ、賃貸物件を借りた入居者自らが、インターネット回線を契約し、場合によっては回線の引き込み工事に立ち会わなければなりません。
そうなれば、初期費用に加えて、月々の通信費を5,000円以上負担することになるうえ、インターネット回線の引き込み工事に立ち会うために会社や学校を休むことになります。
また、工事の日程まで数日待たなければならないのでインターネットをすぐに利用できません。あらかじめ無料のインターネット設備が設置してあれば、このような費用や手間が不要になるので賃貸物件をさがしている方に大きなセールスポイントになるでしょう。
集合住宅へのインターネット回線は個別配線と一棟全体を一つの回線で利用する方式があります。通信会社やサービス提供会社と相談し、どの程度の通信速度が確保できるか確認しながら導入を検討しましょう。
オートロック
賃貸入居者の防犯意識が高まっている昨今では、エントランスのオートロック設備にはかなりの需要があります。しかし、既築の物件のエントランスをオートロック環境にするには、ドアの新設やコンパネの設置、各部屋への配線といった大がかりな工事なども必要となるため注意が必要です。最近では、後付けできる仕組みとして、カメラの顔認証システムなどを活用したオートロックシステムなども開発されています。
また、エントランスのオートロックは難しいけれども、各部屋のドアにスマートロックを設置することで、セキュリティを向上させる方法もあります。自動施錠以外にも、スマートフォンと連動した施錠・解錠が可能なため、入居者の生活利便性が高まり、入居検討者にもアピールすることができるでしょう。
スマートロックであれば、日常生活において、以下のように便利な機能が活用できます。
- 両手がふさがっていても解錠できる
- 外出先から施錠の確認ができ、解錠や施錠もその場でできる
- 臨時キーを発行できるので合鍵を預けなくてよくなる
- 解錠されたら外出中でもスマートフォンに通知がきて確認できる
- 開閉履歴をスマートフォンで確認できる
また、スマートロックは、管理画面などからキー情報を変更できるため、入居者が変わっても錠前交換をする必要がなく、キー情報を変更するだけで以前の方は利用できなくなります。そのため、鍵の交換といった負担もなくなります。
人気設備の有無が、集客や入居にどう影響する?
人気がある設備を導入すれば競合物件との差別化やポータルサイトで検索されやすくなる効果が期待できます。検索されてヒットすればそれだけ入居が決まる確率も高まるでしょう。
競合物件との差別化ができる
先ほど紹介したような人気の設備を備えていれば同じ地域にある同じ築年数の賃貸物件との競争力が増すでしょう。外壁の塗り替えや共用部分の清掃などで外観の印象をよくすることはもちろん必要なことですが、空室対策としてどの賃貸物件もこのような対策は既にとっているはずです。
競合物件との差別化をはかるためには借りようとする方が必要とする設備を導入して他の物件と比べて優位性を保つことが大切です。
ポータルサイトでヒットしやすくなる
賃貸物件を探す方法として、ほとんどのユーザーがインターネットを利用しています。
SUUMOやホームズ、アットホームなどの住宅情報サイトに候補の地域や賃料などを入力すれば家にいながら候補を探すことができるので便利な方法です。
これらのサイトでは、「無料インターネット」や「宅配ボックス」などの「こだわり条件」を指定して検索できるようになっているので、チェック項目にあげられている設備を導入すれば検索されるとヒットしやすくなり賃借希望者の目につきやすくなる利点があります。
住宅情報サイトにどのような設備があげられているかを確認して、チェック項目にある設備を優先的に導入することも競合物件との競争に勝ち抜く方法になるでしょう。
ターゲットに設備をあわせることも重要
自分がオーナーである賃貸物件にどのような方に入居してもらいたいか、どのような方をターゲットにすればよいのかを検討して、ターゲットに適した設備を導入しましょう。
独身者の若い方、ファミリー向け、法人契約などターゲットは様々ですが、それぞれのニーズは異なります。
設備を導入するには費用がかかるので、効率的な導入を検討しましょう。
先に紹介した人気設備が参考になるでしょう単身者をターゲットにしているのにガレージを用意する必要はなく、ファミリーをターゲットにするならお風呂の追いだき機能を検討するようなことが大切です。
関心が高まる最新設備・スマートホームサービス

時代とともに賃貸物件に備え付ける設備も変わっています。
以前ならあこがれだった設備も現在では当たり前のことだったりすることもあります。
関心が高まっている最新設備やスマートホームサービスについて検討してみましょう。
近年では基本的とされている設備
ひと昔前だとあこがれの設備だったものが、近年では設置されているのが当然のように感じられている設備には以下のようなものがあります。
地域性や賃料によっても異なりますが、現在ではあって当たり前だと考えられている設備を確認しておきましょう。
- 独立した洗面台
- シャワートイレ
- シャワーとトイレが別になっている
- コンロ(ガス・IH)
- TVモニター付きのインターホン
スマートホーム化にも関心が高まっている
ランキングで紹介した人気設備では、単身者向け・ファミリー向けどちらでも「インターネット無料」「高速インターネット」「セキュリティ(単身者向けでは「防犯カメラ」、ファミリー向けでは「ホームセキュリティ」)」が高い順位をつけていました。
近年では賃貸物件でも簡単に後付けできることから入居者が自分でスマートロックを設置する方も増えています。中には、スマートロックだけでなく、照明や音響機器、お風呂の追いだきなどとも連携させてスマートホーム化をされる方もいます。
スマートホームサービスも魅力的
このような情勢に先駆けて無料インターネットや高速インターネットを設置するならいっそのこと一挙にスマートホーム化をするのもよいでしょう。
賃貸物件をスマートホーム化すればスマートロックをはじめスマートカメラなどを導入することでセキュリティは格段にあがり、スマートスピーカーをハブとしていろいろなデバイスがつながり生活の利便性も高まります。
もちろんオーナーはすべての器具をスマートホーム化する必要はなく、スマートホーム化しやすい環境を整えるだけでよいのです。
賃貸物件のスマートホーム化を検討するならスマートホームサービス提供会社に相談してみましょう。
スマートホームサービス提供会社はいろいろなスマートホームを手がけているのでノウハウを蓄積しており、オーナーの賃貸物件に最適なスマートホーム環境を提案してくれるでしょう。