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HEMSの補助金が打ち切られた理由とは。これからのエネルギー問題を助ける技術

HEMSは、2013年突如補助金が打ち切りになり、話題となりました。

今回は、HEMSの補助金が打ち切りになった時期や経緯の解説に加え、エネルギー問題の解決に貢献する新しい技術活用についても解説します。

HEMSの補助金が打ち切りになった経緯とは

改めて、HEMSとはどういったものなのか。また、HEMSの助成金や打ち切りになった経緯について紹介します。

HEMSとは

HEMSとは、「Home Energy Management System」の略称です。

家庭で利用するエネルギーを管理するシステムで、専用の端末やスマートメーター、無線通信機器、HEMS対応家電を連動させることで「電気の見える化」や「電気の自動制御」を可能にするシステムです。

国は、2030年までにすべての住宅にHEMSの設置を完了することを目標としており、その導入が推奨されています。

出典:国家戦略室「グリーン政策大網

補助金について

HEMSの補助金は、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が担当していました。

補助の目的は、「2011年に発生した東日本大震災の震災復興」でした。

そのため、補助金は、経済産業省管轄の環境対応車普及促進基金の一部として復興関連予算から捻出されており、2011年・2013年一部の時期に一定の条件を満たした導入者に補助金の給付が行われました。

補助金の打ち切り時期と理由

補助金は、2013年9月に急遽打ち切りとなりました。

理由は、2013年7月2日に発表された、復興庁の『復興関連予算で造成された「全国向け事業に係る基金」の使途の厳格化の徹底について』で確認ができます。

簡単にまとめると、もともと復興予算は被災地の復興を目的としており、経済状況が震災直後と比べると大きく改善された時点で、復興関連予算の使用について厳格化しようということが決まったのです。

HEMSの補助金は、環境対応車普及促進基金の一部として復興予算から捻出をしていたため、使途の厳格化によって予算の対象外となってしまい、結果、補助金の打ち切りが決まりました。

HEMSの取り組みは終わったわけではない

HEMSの国からの補助金は打ち切られましたが、各自治体は、独自の補助金制度を導入しています。

また、政府は2030年にすべての住宅にHEMSを普及させることを目標としているため、将来的に補助金が異なる予算をもとに交付される可能性もあります。

最近では、DER(分散型エネルギー源)やエネルギー庁によるさまざまな取り組みがされているため、今後もエネルギー政策は多くの注目を浴びることが予想されています。

こういった取り組みに合わせて、家庭の電気を管理することのできるシステムであるHEMSは、さらに注目を浴びるでしょう。

自治体の補助金

2021年度現在、HEMSに関する国の補助金はありませんが、独自でHEMSの補助金を用意している自治体もあります。

太陽光発電システムや蓄電池などと併せて補助金の受給申請を行うことで、より充実した補助を受けることができる自治体もありますので、HEMSや太陽光システム、蓄電池の導入を考えている方は、各地方自治体のHPを確認してください。

基本的に、導入をする前に申請が必要ですので、前もって自治体に相談しておきましょう。

DERの取り組み

DERとは、分散型エネルギー源のことを指します。

日本は、発電に必要な資源が乏しいため、輸入に頼っています。また、温室効果ガスの削減を世界全体で目指しています。

東日本大震災の時のように、今後も災害が発生し、一部の発電所の使用が停止された場合、電力の供給が間に合わない可能性もあります。

こういった理由から、2018年7月に『第5次エネルギー基本計画』が閣議決定され、安全性を大前提とした、自給率、経済効率性、環境適合の観点から多様なエネルギーを組み合わす必要性が強調されました。

その結果、発電所によるエネルギー供給のみに頼るのではなく、太陽光発電や家庭用蓄電池を利用して自家発電を行い、家庭で消費することが推奨されています。

HEMSは、太陽光発電システムや家庭用蓄電池のエネルギー管理を行うことができるシステムですので、DERの取り組みがより活性化したら、さらに注目を浴びることになるでしょう。

エネルギー庁の取り組みZEH

経済産業省資源エネルギー庁は、省エネルギー政策の一環として、住宅そのものを省エネにすることを進めています。

そのため、家庭のエネルギー消費量の3割を占めている冷暖房機器によるエネルギー消費量を抑え、ZEH(ゼロ・ネット・エネルギー・ハウス)の実現を目指しています。

エネルギー庁「省エネ住宅 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト 」によると、ZEHとは「外皮の断熱性能を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」のことをいいます。

つまり、ZEHとは、

・住宅の断熱性能を上げる

・高効率な設備を導入する

・再生可能なエネルギーを導入する

→家庭で消費するエネルギーよりも、作り出すエネルギーを増やす

という住宅のことをいいます。

平成25年、省エネ法が改正されました。

その中で、住宅の断熱性能と消費エネルギーの観点から基準を定め、その基準を満たした住宅を建設するという努力義務を建築主に課すなど、省エネ住宅に対する意識が高まっています。

省エネ住宅を実現していくためには、各家庭でエネルギーの管理ができなければいけません。

HEMSの

・電気を見える化

・使いすぎている家電の制御

・電気以外のエネルギーも管理可能

というシステムがZEHを実現していくために必要となります。

エネルギー庁が、省エネハウスを推奨し、ZEHがさらに普及した時、HEMSへの注目がより集まっていくと予想されています。

IoT・スマートホームは省電力にも貢献する

近年、HEMS以外にも、IoTや人工知能(AI)、スマートホームといった新しいデジタル技術が発展しています。

国は、こういったデジタル技術をエネルギーの分野に活用することで

①需給予測の高度化

②発電所の最適運転

③デマンドレスポンスやVPP等の分散型電力の情報取集

が可能になると予測しています。

期待が高まる新しい技術として、IoTやスマートホームとは何かを説明します。

IoTでエネルギーを賢く使う

IoTとは、「Internet of Thing」の略称です。

家電とインターネットをつなぐことで家電をより効率的に便利に使用することができるシステムです。

最近だと、エアコンとインターネットを接続させ、アプリを携帯にダウンロードすることで外出先からエアコンの操作が可能という機能が紹介されています。

給湯器にも同じような機能があり、外出先からお湯を入れ、追い炊きができます。

寒い冬に家に帰ったら温かいお風呂にすぐ入れる、暑い夏に涼しい部屋が帰宅前に準備されている、というように快適な暮らしを実現させます。

また、鍵とIoTを連動させると、鍵がなくても携帯のアプリで鍵の開錠、施錠が可能になるというスマートロックの機能も紹介されています。

IoTは、生活を快適にする機能があるだけではなく、省エネにも有効です。

HEMSと同様にスマートメーターを利用して、電気の見える化を可能にします。

そのため、日々の暮らしの中で節電の意識を高めることができます。さらには、各家庭の発電設備や蓄電設備、家電と連動させることで、正確なエネルギー消費状況を把握させることができます。

その結果、電気の使用状況を収集している機関にデータを送信することが可能となり、電気の使用が多くなる時間帯に電気料金を上げ、使用が少ない時間帯には料金を下げるという「電気料金型デマンドレスポンス」や、電力会社との契約の中で節電要請があった際に節電を行えば何らかの報酬を支払うといった「インセンティブ型デマンドレスポンス」を可能にします。

このようなデマンドレスポンスでは、効率的な電力の供給を可能とし、無駄な発電を削減することができます。

IoTは、エネルギーの利用について、情報の収集を可能とし、省エネを実現することができます。

スマートハウスで省エネを促進

スマートハウスとは、ITを活用した住宅のことです。

ここまで紹介した、HEMSや太陽光発電システム、家庭用蓄電池を導入した住宅をスマートハウスといいます。スマートハウスは、太陽光発電システムを導入することで、自宅で電力を作り出すことができます。

また、家庭用蓄電池に夜間の安い電気や、自家発電の電気を貯めておくことで、日中その電気を使用することができます。

自家発電を進めることで、DER(分散型エネルギー源)を促進させ、さらに光熱費を抑えることができるなどたくさんのメリットがあります。HEMSによって、節電に対する意識も高まるため節電が期待されます。

スマートホームを建てることは、省エネにつながっていきます。

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