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スマートハウスの費用を解説。初期費用や月々のコストはいくらぐらい?

太陽光発電やエネファームなどを利用して、電気を再利用するスマートハウスは、光熱費節約の一つの手段として今注目を浴びています。 電気の消費状況や蓄電状況などはHEMSと呼ばれるシステムで管理されており、CO2削減の面でも優れているため、政府も2030年までに全世帯にHEMSの普及を目指しています。 では、実際に住宅をスマートハウスにする場合は、どの程度の費用がかかるのでしょうか。 今回は、スマートハウスに関わる費用について詳しく解説していきましょう。

スマートハウスの費用相場はいくらぐらい?

自宅をスマートハウスにすると一口にいっても、太陽光発電システムや蓄電システムの購入など、様々な費用がかかってきます。 他にもサービス内容によっては、費用にばらつきがあり、費用名目は多岐に渡るでしょう。そこで、今回は例を出しながらスマートハウスにかかる費用相場について解説していきましょう。

スマートハウスにかかる初期費用について

経済産業省が令和3年に公表した「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」によると、太陽光発電の設置費用は2020年時点で1kwあたり25.3万円が平均となっています。例えば5kwの太陽光発電システムを設置する場合は、設置費用だけでも126万円かかる計算になります。 設置費用は毎年低下していますが、それでも高額であることには変わらず、設置費用以外にもHEMSや蓄電池の設備費用もかかってきます。 蓄電池はメーカーや製品によって価格は大きく変わってきており、様々なメーカーが販売している蓄電池を見てみると、安ければ数万円から高いものでは300万円を超える製品まで存在します。 HEMSの導入にも20万円程度かかるため、設置費用や蓄電池の種類にもよりますが、初期費用だけでも数百万円かかると考えられます。

システムのランニングコスト

太陽光パネルを利用する場合には、3~4年に一度メンテナンスが必須になってきます。 メンテナンス費用は数万円程度と決して高額ではありませんが、定期的な支出が発生することは覚えておいたほうがよいでしょう。 さらに、太陽光パネルや蓄電池が何らかの要因で壊れてしまう可能性もゼロではありません。 太陽光パネルの法定耐用年数は17年、蓄電池は6年と定められていますが、その前に壊れてしまうこともあります。 メーカー側が保証している期間内ならば、無償もしくは安価で新しい製品と交換してもらえる場合もありますが、保証外の場合は再度購入する必要が出てきてしまうでしょう。

スマートハウスに費用をかける世帯は増加中

近年、急激な拡大を見せているIoTデバイスもスマートハウスに大きく関わってくる存在でもあります。 総務省が公表している「令和2年版情報通信白書」によると、2015年から2019年の間でスマートハウスなどで用いられるコンシューマデバイスが2倍以上に増えており、今後もさらに増え続けると予想されています。

総務省「令和2年版 情報通信白書」より

このように自宅のスマートハウス化を進めている世帯は増えているように思えますが、実際にはどの程度伸びているのでしょうか。今回は、データやグラフから見たスマートハウスにかかる費用について紹介していきましょう。

スマートハウスの普及率について

スマートハウスの要となるHEMSの普及率は2013年時点では、0.3%しかありませんでした。 近年の調査報告書はまだ公表されていませんが、2020年には普及率が3%を超えると予想されており、実際にスマートハウスの認知度は高まっていると考えられます(富士経済「低炭素化/ゼロ・エネルギー住宅の普及に向けたHEMS・MEMS市場の将来展望」)。 さらに、住宅のスマートハウス普及を推進するために、スマートハウスの専門家が誕生したことをご存じでしょうか。家電製品協会が制定した「スマートマスター」という資格は、その名の通りスマートハウスに関わる詳しい知識を持っている人にだけ与えられる資格です。 大手家電量販店などで、このスマートマスターの資格を持っている人を増やしており、消費者に対してスマートハウスの紹介などをしています。このようにスマートハウスを一般に普及させるため、様々な業界が力を入れており、普及に向けた下地ができつつあると考えられます。

スマートハウスには補助金が使える?

スマートハウスを導入するためには高額な費用がかかってしまいますが、実はスマートハウスを導入する際に補助金を使える場合があります。 地方自治体によって実施しているかどうかが変わってきますので、最後はスマートハウス導入の際に利用できる補助金や制度について解説していきましょう。

スマートハウス導入に関する補助金

スマートハウス導入時に利用できる補助金として、スマートハウス普及促進事業というものがあります。 東京都や神奈川県、埼玉県などの一部の都道府県の市町村が行っている補助金制度であり、この制度を利用することで、高額な導入費用の一部を充当することができるでしょう。 補助金制度の内容は地方自治体によって大きく異なりますが、HEMSの導入費用や工事費用、蓄電池購入費用などが対象になっているケースが多いです。 平成25年までは政府主導の補助金がありましたが、現在は政府からの補助金制度は制定されていません。しかし、2030年に向けて今後補助金の交付が始まる可能性があるので、気になる方はたまにチェックしておくのもいいでしょう。

太陽光発電に関する補助金

多くの都道府県でスマートハウス普及促進するために、太陽光発電補助金を出しています。 太陽光パネルの購入費や設置費用が対象になっている補助金であり、スマートハウスと銘打っていませんが、関連する補助金を紹介します。 スマートハウス自体の補助金は一部都道府県のみでしたが、太陽光発電に関する補助金は地方でも積極的に補助金を出しています。他にも省エネに関する補助金の一部もスマートハウスに利用できるケースもあるので、気になる方は地方自治体に一度相談したほうがいいでしょう。 現在、スマートハウスの普及率は低い傾向にありますが、政府がHEMS普及に乗り出しているため、近い将来において徐々に広まっていくことは間違いありません。 CO2削減といった省エネ意識は、日本は海外と比較して遅れており、実際にCOP26で日本が化石賞を取ったことは記憶に新しいでしょう。日本も海外に倣って省エネ意識を高める必要が出てきていますが、スマートハウス導入のために多額の費用がかかることも事実です。 今後、補助金や助成金制度が整ってくれば一般家庭においても導入しやすい環境になっていくと考えられるので、費用の問題で導入をためらっている人は地方自治体の補助金を利用するか、政府からの補助金を待ってみてもいいかもしれません。

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