ReTech メディア

HOME > ReTech メディア > 業界分析 > 不動産業界でCRMサービスはどのように活用されている?業種別CRMの特徴とは

不動産業界でCRMサービスはどのように活用されている?業種別CRMの特徴とは

不動産業界において、「CRM(顧客管理)」は、とても重要だと考えられています。

特に、不動産売買や仲介に関しては、高額な商品の特性上、他の商品とは異なり、成約(契約)までには長期間に及ぶのも不思議ではありません。

今回は、不動産業界におけるCRMの重要性とDX(デジタルトランスフォーメーション)の今後の行方について、分かりやすく解説します。

CRMとはどういったもの?

CRMは、Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネージメント)の略で、通常、日本語では「顧客関係管理」や「顧客管理」と訳されます。

CRMは顧客との関係性を適切に管理する「顧客管理」そのものであり、CRMシステムを使用し、顧客情報や取引履歴などの詳細なデータの蓄積を通じて、顧客第一主義で事業を展開する経営手法です。

CRMが必要な理由は?

不動産業界に限らず、なぜCRMシステムが必要なのでしょうか。主な理由2つを紹介します。

マーケットの環境変化と消費者ニーズの多様化

技術革新やインターネットの普及などによって、日本経済の環境変化は激しさを増しています。一方、この環境変化は、消費者の価値観を変貌させ、消費者ニーズを多様化させる要因になっています。このような顧客ニーズの多様化に対応するためには、CRMが重要になるのです。

企業競争の激化

現在の日本経済は、外資系を含めた企業間の競争が激化しています。また人口減少などもあり、右肩上がりのマーケット拡大は期待できず、限られたパイを競合他社と奪いあう構図になっています。そのため、他社との差別化を図る意味でもCRMによる事業展開が必要なのです。

CRMの機能

CRMシステムは顧客情報を緻密に管理し、それらの情報をもとにして、顧客と強固な関係を構築し、企業成果につなげられる機能がたくさんあります。具体的に紹介します。

顧客単位での情報管理

顧客の氏名や住所などの基本的な情報だけではなく、取引レコード(取引日や取引金額)などの詳細な情報を管理可能です。

問い合わせ管理

CRMシステムでは、顧客からの電話、メール、FAXなどの問い合わせ内容、面談時での会話記録などが管理可能です。担当者以外の社員が対応する際、一元管理されたCRMシステムで情報を把握できるのは、顧客対応上からもとても効果的です。

CRMのメリットとデメリット

こちらではCRMのメリットとデメリットを整理してみます。それぞれ2つ紹介します。

メリット:部署間で顧客情報の共有が可能

営業担当者はしっかり顧客の情報をつかんでいるものの、属人的で営業担当者しかその顧客のことを理解できていない企業は多いです。しかし、CRMシステムの導入によって、社内のどこからでも情報を入手できる体制になりますので、顧客ニーズにあった接客対応が可能です。

メリット:成約率アップを見込むことができる

CRMシステムでは詳細な顧客情報を集約可能であり、顧客の特性とニーズにあった提案がタイムリーに実践できますので、成約率はアップします。

デメリット:導入コストがかかる!

CRMシステムを導入する際のデメリットにされる一つが導入コストとその手間であり、導入に踏み切れない会社も多いです。

デメリット:自社に適したCRMシステムが見つけられない

自社の強みや課題そのものが整理できていない会社は多いです。自社の課題が整理できていないと、そもそもどのようなCRMシステムを導入していいのかわからず、導入を断念してしまう会社もあるのです。

不動産業界におけるCRM活用方法とは

追客営業が重要になる不動産業界でも、CRMを活用した営業体制をしっかり構築したいと考えている企業が増えていきます。では、不動産業界ではどのように活用されているか解説します。

ハウスメーカーでのCRM活用

「顧客見える化」と「顧客へのスピーディなアプローチ」を実践するために、ハウスメーカーでもCRMが活用されています。

「顧客の見える化」は、住所などの基本的な情報だけではなく、過去の取引レコード・接触回数・趣味や興味があることなど、その顧客の深い部分までの情報管理をCRMシステムで実践可能です。広範囲な情報によって顧客ニーズをより具体化して、自社のマーケティングに活用されています。

賃貸管理でのCRM

不動産業界の中でも、不動産賃貸管理業でのCRMの導入効果は高いといわれています。

不動産売買や仲介業とは異なり、不動産賃貸管理業では契約時点だけではなく、入居者が退去するまで、入居者からの家賃管理や火災保険など、多岐にわたる管理が必要です。また、大家とのやりとりや賃貸物件の修繕レコードなども必要です。

CRMではこれらの項目を一元管理可能で、紙ベースの煩雑な作業が大幅に効率化できます。

CRMは不動産業界の広告手法にも影響

不動産業界の広告や宣伝は、ポスティングなどの折込チラシや新聞広告チラシなどの旧来の伝統的な方法が主流でした。

しかし、CRMシステムの導入により、これまでなら実現できなかった追客営業が可能になる点や、詳細な顧客情報から見込み客を絞り込んで実施する「ターゲットマーケティング」が可能になります。

また、CRMシステムとLINEなどのSNSを連携させる広告や宣伝方法なども今後さらに発展していくものと予想されます。

これからの不動産業界ではテクノロジー活用が不可欠に

不動産業界のデジタル化は、昔からのアナログ的な手法に業界全体がこだわってきたことで、他業界よりも大幅に遅れているといわれていました。しかし、近年、CRMだけではなく不動産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)は急速に進んでいます。

IoT

不動産業界には、さまざまなIoT機器が導入されています。特に導入が進んでいるIoTツールを紹介します。

スマートロック

不動産業界で広く普及しているIoTツールの1つがスマートロックです。

オートロック機能だけではなく、入口ドアの開閉履歴、また賃貸物件の入退去時では、これまで使用していたキーのロック機能を完全消去して無効にできるスマートロックシステムなどもあります。

スマートカメラ

スマートカメラでは、インターネットに接続して、スマホなどで、リアルタイムに自宅内の様子を外出先からでも映像で確認可能です。お子さんやペットの様子を確認してみたいときなどは非常に便利です。

不動産テックの全体像

不動産テックを推進する不動産テック協会では、不動産業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)つまり不動産テックの全体像を、「不動産テックカオスマップ(第7版)」で、12種類合計446サービスを紹介しています。

12種類のサービスは、下記のとおりです。

  1. ローン・保証(13サービス)
  2. クラウドファンディング(23サービス)
  3. 仲介業務支援(59サービス)
  4. 管理業務支援(85サービス)
  5. 価格可視化・査定(26サービス)
  6. 不動産情報(16サービス)
  7. 物件情報・メディア(52サービス)
  8. マッチング(44サービス)
  9. VR・AR(31サービス)
  10. IoT(35サービス)
  11. リフォーム・リノベーション(26サービス)
  12. スペース・シェアリング(36サービス)

特に拡大が見込まれる仲介・管理業務支援市場

矢野経済研究所は、国内の不動産テック市場を調査し、消費者向けサービス及び事業者向けサービスの両面から、将来展望などを公開しました。

それによると、不動産テック市場の中でも、特に大きく拡大が見込まれる領域として、「マッチングサービス市場」、「仲介・管理業務支援と価格査定系市場」をあげています。

「マッチングサービス」市場は、主に中古住宅流通市場をメインに、テクノロジーを駆使し効率的なマッチングを実現する事業者や顧客獲得の拡大に努める事業者などが多く、成長が大いに期待できるとされています。

また、「仲介・管理業務支援と価格査定系市場」は、日本の人口減少に伴う不動産業界全体の業務効率化や労働生産性の向上を図る上で、DXツールに対するニーズは今後も一層高まっていくでしょう。

お問い合わせ・資料請求、セミナー申し込み

SpaceCoreへのご質問はもちろん、まずはIotやAI導入を検討するかたへ市場調査資料のご提供やセミナー開催を行なっています。お気軽にお問い合わせください。