IoT技術は介護業界の課題解決になるのか?具体的な問題点や解決事例を紹介


IoT技術は、介護業界の課題を解決することに貢献できるのでしょうか。
少子高齢化社会を迎えている日本では、介護を必要とする高齢者と、その介護を就く介護者のバランスなど問題が山積しています。高齢化や介護者の実態を踏まえながらテクノロジーと介護について紹介します。
介護業界を取り巻く課題
日本が少子高齢化社会だと言われて久しいです。
介護業界の課題を探るために、高齢化の現状と介護者の実態を整理しておきましょう。
高齢者増加に伴った要介護者の増加
下記のグラフは内閣府が公表した高齢化の推移と将来の推計です。

日本の総人口は2019年10月1日現在で1億2,617人です。
そのうち、65歳以上の人口は28.4%の3,589万人、65歳~74歳は1,740万人(13.8%)、75歳以上では1,849万人(14.7%)になっています。
今後、日本の総人口は減少傾向にあり、2029年に1億2,000万人を割り込み、2053年には1億人を割って9,924万人、更に2065年には8,808万人になると推計されています。
65歳以上の人口は、団塊の世代が65歳以上となった2015年には3,387万人となり、75歳以上となる2025年には3,677万人に達する見込みで、2042年のピークでは3,935万人になると予想されています。
65歳以上の人口と15歳~64歳の人口の比率をみると、1950年には一人の65歳の人に対して12.1人がいたのに対して、2015年には2.3人となっており、さらに2065年には65歳以上の人一人に対して現役世代は1.3人の比率になるとの予測です。
下のグラフは健康寿命と平均寿命の推移を表しています。

日常生活に制限がない健康寿命は2016年では男性が72.14年、女性が74.79年となっていて、2010年と比べて男性では1.72年、女性は1.17年延びています。
この間、平均寿命と健康寿命の差が、男性では2010年で9.14年であるのに2016年では8.84年、女性では2010年12.68年であったものが2016年で12.35年と縮小されてきています。
介護従事者の人手不足
高齢者の増加につれて重要となってくるのが介護職に就く従事者の数です。
下のグラフは、介護関係の職種の有効求人倍率と全職業の有効求人倍率を比較したものです。
介護関係の有効求人倍率は全職業の求人倍率と比べて高い水準を維持し続けていることが分かります。

2007年~2009年のリーマンショックの際にも介護職の求人倍率への影響は、全職業の求人倍率と比べて遅れてでており、2014年以降は介護職の有効求人倍率は全職業の求人倍率と比べて飛躍的に高まっていることが分かります。
介護の担い手
実際に介護を担っているのはどのような立場の人なのかを見てみましょう。
これは、0要介護者と介護者の続柄を表したグラフです。

6割弱の同居の家族が介護者となっており、配偶者は25.2%、子供は21.8%、子供の配偶者が9.7%となっています。
性別では男性が34.0%、女性が66.0%になっています。
介護している人の年齢は男性が70.1%、女性は69.9%が60歳以上となっています。

また、介護や看護と仕事を両立させることが困難となり、会社を辞めるといった事態も少なくないようです。
介護業界の課題解決方法とは
このように、高齢者の数は今後増加していき、一方で現役世代の人数は減少していきます。
平均寿命と健康寿命との差が少しずつ減少してきてはいますが、ゼロにならない限り介護を必要としている人数は増加していきます。
介護従事者の人手不足は慢性的であり、多彩な人材が介護職に興味を持ってくれる仕組みを作っていく必要があります。
また、実際に介護をしているのは同居の家族が多く、仕事を辞めて介護をしている人の数も依然として高いままです。
そこで注目されるのがIoT技術ははじめとした、様々なサービスです。
ロボット技術を利用した要介護者の補助やICTによる要介護者のバイタルデータの一括管理、遠隔からの見守りなどによって、工数や手間の削減ができれば介護者の負担も軽減されます。
ICTを活用することにより、介護職に対するイメージを改善し、労力や手間を少なくしていくことができれば、新たな人材が介護業界へ参加することも見込めるでしょう。
介護業界で活用されるIoT技術とは

では、実際に介護の現場で活用されているIoT技術・製品にはどういったものがあるのでしょうか。
IoTベッド
IoTベッドは、要介護者・患者の睡眠状態や呼吸数・心拍数といったバイタルサインをリアルタイムで計測できるなどの機能が備わったベッドです。
触診をしなくても、状態が分かるため、労力削減に繋がっています。
病医院などで活用されているIoTベッドでは、スタッフステーションから、すべての病床の患者の状態を看護師らが一覧表示で確認できるといったものもあります。
IoT活用による介護見守り
遠隔地や離れた場所に住む高齢者を見守ることを目的としたIoT機器も、介護業界で注目が集まっています。
玄関に人感センサーを設置することで、認知症であっても体は健康な高齢者の徘徊の予防やGPSを利用するなどして、外に出てしまった高齢者の居場所が分かるサービスもあります。
また、スマートカメラを活用することで、離れた場所からでもリアルタイムで家の状況を映像で確認する技術なども活用が進んでいます。
介護ロボット
介護をサポートするロボット技術にも期待が高まっています。
要介護者の立ち座りをサポートしたり、センサーで排泄を予測して知らせてくれたり、リハビリのデータを自動的に記録するものなど、機能・目的は多岐にわたります。
・装着型パワーアシスト
介護者が装着するタイプのものと、要介護者自身が装着するタイプのものがあります。
介護者が装着し、ベッドから車いす、車いすから便器の間などの移動の際の腰の負担を軽減することが可能です。
また、要介護者が装着し、パワーアシストが立ち座りや歩行の支援、転倒を予防するものも登場しています。
・歩行アシストカート
ロボット技術を用いて高齢者の外出をサポートし、荷物を運搬できるようにする介護機器があります。
手押し車型の機器で、モーターを内蔵することで上り坂では推進し、下り坂ではブレーキをかけるなどして安全な移動をアシストしてくれます。
・自動排せつ処理装置
排せつ物の処理にロボット技術を活用したサービスも、介護者をサポートしています。
大小便を自動で感知する仕組みで、排泄物の吸引や洗浄、乾燥までを自動で行うものもあります。おむつを取り替える手間などが不要になり、脱臭機能も備わっているため、排せつ物のにおいが室内に広がりません。
・入浴支援
要介護者が一人でも入浴できるように、一連の動作を支援するロボット技術です。
浴室での転倒や溺れてしまうリスクを抑えられます。介護者・要介護者双方の身体的な負担を軽減することができます。
介護領域におけるIoT市場規模についてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:介護領域のIoT市場規模はどれくらい?補助金や在宅介護の負担軽減についても紹介
介護現場でのIoT活用事例
介護現場で活用されているIoTの事例について紹介します。
見守りセンサーによる利用者の安全確保
介護現場では、利用者の安全確保が最優先課題の一つです。IoTを活用した見守りセンサーは、利用者の動きや状態をリアルタイムで把握することができ、転倒や徘徊などの事故を未然に防ぐことに役立ちます。たとえば、ベッドや椅子に設置した圧力センサーが利用者の起き上がりや離床を検知し、スタッフにアラートを送信する仕組みがあります。また、居室や廊下に設置した赤外線センサーが利用者の움直りを感知し、異常があれば即座に対応できるようになっています。こうした見守りセンサーの活用により、利用者の安全性が大きく向上しています。
ウェアラブルデバイスによるバイタルデータ収集
IoTウェアラブルデバイスを利用者に装着することで、心拍数や血圧、体温といったバイタルデータをリアルタイムで収集できるようになりました。このデータを分析することで、利用者の健康状態の変化を早期に発見し、適切なケアにつなげることが可能です。
スマートウォッチ型のデバイスを利用者に着けてもらい、日々の活動量や睡眠状況を記録。データの変化からADLの低下や認知症の進行などを予測し、ケアプランの見直しや医療機関への受診につなげるケースがあります。また、リストバンド型の専用デバイスを使って脈拍や血中酸素濃度をモニタリングし、急な体調悪化にいち早く気づける介護施設も出てきています。
介護ロボットによる負担軽減
高齢化の進展に伴い、介護現場では深刻な人手不足が課題となっています。そこで注目されているのが、介護ロボットの活用です。
移乗介助を支援するロボットスーツは、利用者の体を抱えて移動させる際の腰部への負担を大幅に和らげることができます。移乗はケアの中でも特に身体的負担が大きい作業ですが、ロボットの力を借りることでスタッフの腰痛リスクを下げながら、利用者に安全で快適な移乗を提供できるのです。食事介助を行う食事搬送ロボットや、見守りセンサーを組み込んだコミュニケーションロボットの導入も増えてきました。こうした介護ロボットの力を借りながら、人の手でなければできないケアに注力する。IoTはそんな介護現場の働き方改革を後押ししています。
その他の活用事例
このほかにも、介護現場ではさまざまなIoTソリューションが導入されています。インカム型のウェアラブルデバイスを使った音声による情報共有システム、ネットワークカメラとAIを組み合わせた見守りシステム、タブレットを使ったオンライン面会システムなどがその一例です。
利用者一人ひとりのニーズに寄り添いながら、ケアの質と効率を高めるツールとして、IoTへの期待は高まる一方です。大手介護事業者の中には、自前でIoT開発チームを立ち上げ、介護現場の課題解決に取り組む動きも出てきました。今後、介護分野におけるIoTの活用はますます加速していくことでしょう。
介護現場へのIoT導入によるメリット
介護現場にIoTを導入することで、介護を受ける側、介護を行う側双方にメリットがあります。
業務の効率化・省力化
IoTの導入によって、介護スタッフの業務効率が大きく改善されます。たとえば、見守りセンサーやウェアラブルデバイスを活用することで、利用者の状態をリアルタイムで把握できるため、巡回や確認の手間が省けます。また、介護記録の自動化や、インカムを使ったハンズフリーでの情報共有などにより、スタッフ間のコミュニケーションがスムーズになり、ケアにかける時間を捻出できます。介護ロボットを導入すれば、移乗や入浴、食事介助といった負担の大きい身体介護の一部を機械に任せられるため、スタッフの肉体的・精神的な負担を大幅に軽減できるでしょう。記録作成などの間接業務も自動化することで、よりケアに専念できる環境が整います。
利用者の安全性向上とQOL改善
見守りセンサーやウェアラブルデバイス、介護ロボットの活用は、利用者の安全性を高めることにも直結します。転倒・転落や徘徊、誤嚥、心疾患の発作など、介護現場で起こりうる事故のリスクを、IoTの力で未然に防ぐことができるのです。
また、バイタルデータを常時モニタリングすることで、体調の変化にいち早く気づき、早期発見・早期対応につなげられます。薬の飲み忘れ防止など、服薬管理の面でもIoTデバイスが威力を発揮します。
さらに、利用者の状況に合わせたケアや、きめ細かなコミュニケーションの実現は、QOL(生活の質)の向上にも寄与します。ロボットの力を借りることで、安全・安心・快適な介護サービスの提供が可能になります。家族とのオンライン面会も、利用者に喜びと安らぎをもたらすでしょう。こうしたケアの質の向上は、利用者の尊厳を守り、生きる意欲を引き出すことにつながるはずです。
エビデンスに基づくケアの実現
IoTを介護現場に取り入れることで、エビデンス(根拠)に基づいたケアを実現できます。見守りセンサーやウェアラブルデバイスで収集したデータを分析することで、利用者の状態やケアの効果を客観的に評価し、サービス改善に役立てることができます。
例えば、ある利用者の睡眠データを詳しく見ていくと、なかなか寝付けない、夜中に何度も目覚めるといった課題が浮かび上がったとします。その情報を基に、日中の過ごし方や環境を見直すことで、安眠につながるケア方法を検討できます。こうしたPDCAサイクルをスムーズに回すことは、これまでのアナログな介護記録では簡単ではありませんでした。客観的なデータを集め、可視化し、分析・活用する。IoTを導入することで、介護サービスの質を継続的に高めていくための基盤を作ることができるのです。
人材不足の解消
介護ロボットやセンサー、見守りシステムなどの活用で、限られた人員でもサービスの質を落とさずに、安全で効率的なケアが提供できるようになります。介護スタッフの負担を減らし、魅力的な職場環境を整備することは、新たな介護人材の確保にもつながります。また、遠隔での見守りやコミュニケーションを可能にするIoTは、限界集落など人材確保が特に困難な地域の介護を支える力にもなるでしょう。介護サービスの地域格差解消にも、IoTの活用は欠かせません。
介護現場へのIoT導入の課題
IoTを介護現場に導入する際には様々な課題も存在しています。
コストの問題
IoT導入には、初期費用と維持管理費用の両面で、一定のコスト負担が生じます。センサーやウェアラブルデバイス、介護ロボットなどのハードウェア、データを分析・活用するソフトウェア、それを支えるインフラ整備など、導入にあたってのイニシャルコストは小さくありません。
また、機器の保守点検や、データ通信などのランニングコストも見込んでおく必要があります。こうした費用をどう捻出するかは、多くの介護事業者にとって悩ましい課題といえるでしょう。機器やシステムが陳腐化するサイクルが早い業界の特性も、コスト面の不安を大きくしている一因かもしれません。各種補助金の活用や、費用対効果を見極める目を養うことはもちろん大切です。それ以上に重要なのは、IoTをどう活用すれば利用者に最大限の恩恵をもたらせるか、という視点を持つことではないでしょうか。
機器の操作性・メンテナンス性
IoT機器やシステムは、それを使う介護スタッフや利用者にとって、操作しやすく、メンテナンスしやすいことが求められます。特に高齢の利用者の中には、ボタン一つの操作でも戸惑う人がいるかもしれません。認知機能の低下により、初めは使えていた機器でも、徐々に使いこなせなくなるケースも考えられます。こうした利用者の状況に合わせ、操作をよりシンプルにしたり、画面の文字を大きくしたりと、柔軟にカスタマイズできる機器選定が欠かせません。
また、機器の設置や設定、トラブル対応など、介護スタッフに過度な負担がかからないよう、サポート体制の充実も重要なポイントです。IoT企業と連携し、使い方の研修を行うなど、介護スタッフがIoTを正しく理解し、活用できるよう支援していく必要があります。
セキュリティとプライバシーの確保
介護現場で扱う情報の中には、利用者の心身の状態をはじめとした、センシティブなパーソナルデータが数多く含まれています。IoTの導入により、こうした情報がデジタルデータ化され、ネットワークを通じてやりとりされるようになりました。
サイバー攻撃などによって情報が外部に流出すれば、利用者の尊厳を脅かし、安全を損ねる重大な事態を招くことになります。介護事業者には、セキュリティ対策の徹底が何より求められます。適切なアクセス制御、データの暗号化、ウイルス対策など、多層的なセキュリティ対策を施し、システムの脆弱性を可能な限り排除する必要があります。そして、管理者から現場スタッフまで、一人ひとりがセキュリティの重要性を認識し、リテラシーを高めていく努力も求められます。IoT時代の介護現場に求められるのは、高度なセキュリティ対策と、それを支える人の意識改革といえるでしょう。
スタッフの理解と協力
IoTの導入は、介護スタッフの働き方に大きな変革をもたらします。今まで人の手で行ってきた作業の一部が、ロボットやシステムに置き換わることへの不安や抵抗感を持つスタッフもいるかもしれません。こうした現場の反応に真摯に耳を傾け、丁寧に向き合っていくことが何より重要です。
IoTはあくまで、利用者によりよいケアを届けるための手段であり、機械の力だけでケアが完結するわけではありません。むしろ、スタッフ一人ひとりの専門性や創意工夫こそ、質の高いケアには欠かせない要素と言えます。IoTを現場に溶け込ませるには、それを使いこなし、ケアに活かそうとするスタッフの理解と協力が不可欠なのです。そのためには、IoT導入の目的やメリットを丁寧に説明し、スタッフの率直な意見にも耳を傾ける姿勢が重要でしょう。スタッフ自身がIoTの可能性に気づき、前向きに活用していけるよう、研修などの機会を設けることも効果的だと考えられます。
国を挙げた介護業界のIT・IoT化を推進
日本では、2001年1月に「e-Japan戦略」を策定し、「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)」を設置しました。
その後、2013年1月には、 ITの利活用に重点を移し世界最先端のIT国家を目指すため、新たなIT戦略(世界最先端IT国家創造宣言)を閣議決定しました。
現在も国を挙げてIT化を推進しており、厚生労働省も例外ではありません。
おさらいになりますが、ITとはInformation Technologyの略称で、情報技術のことを言います。
そしてICTとは、Information and Communication Technologyの略称で情報通信技術のことを表しています。ICTにはCommunication という言葉が入っているためにSNS等に代表されるようなIT技術をコミュニケーションに活用する事を強調した使い方をしているようです。
さらにIoTとは、Internet of Thingsの略称で、スマートスピーカーやネットワークカメラなど、モノとインターネットをつないで情報を共有することを表しています。
厚生労働省が推進する介護現場のICT化
厚生労働省では介護現場におけるICTを進めています。
ICTの活用については、従来の紙媒体での情報のやり取りからICTを介護現場のインフラとして導入していくことが求められています。
ICTの活用により介護職員が行政に提出する文書等の作成を効率化し、本来の介護サービスの提供に集中できるようになります。
また、介護現場の情報をICT化することで、ビッグデータを蓄積し、エビデンスに基づく介護サービスの提供を促進することができます。
間接的業務についてICTを活用することにより、働きやすい環境を作り、介護業界のイメージを刷新し、介護分野への人材の参入促進につながることが期待されています。
厚生労働省では、平成28年度に「居宅サービス事業所におけるICT 機器・ソフトウェア導入に関する手引き」を公表したことをはじめ、さまざまなガイドラインを作成するだけでなく、地域医療介護総合確保基金により、 記録業務、情報共有業務、請求業務を一気通貫で行う事が出来るよう、介護ソフトやタブレット端末の導入を支援しています。
ICT化実践事例の紹介
総務省では、ICTを利用して地域活性化を諮っている具体的な事例を紹介しています。
例えば次のような事例が紹介されています。
・佐渡地域医療連携ネットワーク「さどひまわりネット」
電子カルテに頼らずに医療情報を自動収集し、施設規模を問わず双方向に情報共有するネットワークシステムと、ICTを離れた「オフ会」を開催しながら、コミュニケーションをベースとした協働を可能とする体制を構築。診療時のリスクを軽減し、安全で質の高い医療・介護サービスの提供に寄与。
・ICTで地域包括ケアの更なる進化をめざす天かけるネットの取組
尾道市医師会方式として良く知られている切れ目のない医療・介護連携にICT ネットワークを被せ、多職種協働の円滑な情報共有を目指す。医療と介護とが一体化された適切な情報入力システムを開発、さらに壮年期の健康推進、健康寿命延伸を目的として健診情報等を連携させ地域包括ケアICTシステムを構築。病気にならぬよう(未病)、なっても重症化させない、介護予防も図り健康寿命を延伸できる。
こちらでフリーワード検索に『介護』といれることで、介護関連のデータが表示できます。
ICT地域活性化事例100選|ICT地域活性化ポータル|総務省
地方自治体も独自でICTを活用するための事業を展開しています。
埼玉県では「令和3年度スマート介護施設モデル事業」業務委託契約に係る企画提案の公募を行ないました。
参考:
埼玉県「令和3年度スマート介護施設モデル事業」業務委託契約に係る企画提案の公募(プロポーザル)
介護に求められているICT化のメリットとは
介護のICT化を進めることで、これまで手作業で行なっていたことの自動化や業務プロセスの短縮が可能になるばかりでなく、他の職員と情報を共有しやすくなります。
また、離れていてもできることが増えるために、柔軟な働き方ができるようになります。
その一方で、IoT・ICT機器を使いこなせない人が一定数存在することは、今後の課題となってくるでしょう。
高齢者にとっては馴染みがないもので、介護をする側も慣れるまでに苦労を感じることがあると思われます。
「老老介護」のケースが多数存在している現状では、要介護者にとっても介護者にとっても扱いやすい方法でのICTの導入が望まれるのです。




