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建築業界はIoT活用でどう変わる?建築・建設の活用事例も紹介

建設業界には、技術者の高齢化や慢性的な労働者不足など様々な課題が山積しています。このまま問題を放置してしまうと建築業界存続の危機に繋がると考える経営者も多く、早急な対策が求められています。

建築業界の様々な問題を解決する方法として、今注目されているのがIoT活用です。IoT活用は多方面で注目を浴びていますが、建設業における具体的なIoT活用とはどのようなものなのでしょうか。

今回は、建築業界を取り巻く問題と、IoT活用によって建設業がどのように変わるのかを解説していきましょう。

建築業界を取り巻く課題

建築業界には大きく3つの問題があります。

・就労者の人口減少

・就労者の高齢化

・建設業における事故

それぞれ詳しく解説していきます。

就労者の人口減少

国土交通省の公表「建設業就業者の現状」によると、建設業界の就業者は平成9年(1997年)の685万人をピークに右肩下がりに減少を続け、平成22年(2010年)に500万人を割り、その後も500万人前後を推移しています。入職者の数も平成7年(1995年)は約8万人だったのに対し、平成17年(2005年)以降は3万人前後、平成27年(2015年)には少し増加しましたが4万人弱と、建設業界に入職する人は少なくなっています。

建設業界の有効求人倍率は5倍以上※2と、他の業界と比較して非常に高く、建設業界の人手不足と人気の低さが如実に現れています。

就労者の高齢化

就業人数と比例して上がり続けているのは、建設業界の就業者の平均年齢です。29歳以下の就業者はピーク時には業界の21%を占めていましたが、平成29年(2017年)には11%に減少しています。反面、55歳以上の就業者は年々増え続け、就業者全体の約35%となっており、建設業界の高齢化が顕著になっています。

建設業界の高齢化が進んでいる要因の1つとして、離職率の高さが挙げられます。就業してから3年間の離職率が約47%と、入社してから3年以内で半分近くが辞めていることになります。特に1年目での離職率が24.5%と、様々な業種のなかで唯一20%を超えていることから、その離職率の深刻さがわかります。離職する理由として、休日の不安定さや作業の危険性、賃金の問題などの就業内容と比較して賃金や福利厚生が伴っていないことが挙げられています。

建設業における事故

建築業界は作業内容の危険性から、毎年多数の死傷者を出している業界でもあります。「令和2年労働災害発生状況の分析等」によると、令和2年(2020年)に建設業界で起きた労働災害による死傷者数は約1万5千人、そのうちの258人が死亡しています。労働災害の内容として、「墜落、転落」と「転倒」が半数近くを占めており、高所作業が多い建設業に特徴的な労働災害と言えるでしょう。

建築・建設業におけるIoT技術の活用

建設業界の人材不足や高齢化に対して、国土交通省はIoTの活用を推し進める「i-Construction推進コンソーシアム」を平成28年(2016年)に発足しました。

IoTとは「Internet of Things」の略称であり、インターネット技術を利用して今まで人に頼っていた仕事をデジタル化することで業務を効率的に進めることができます。企業がIoTを活用することによって、労働者が少なくても少人数で仕事ができる環境づくりや、労働災害による死傷者数を減らすことを目的としています。

具体的な活用方法と考えられているのは、ドローンを使った測量や現在主流になっているCADによる設計図の作成から、BIMに変えることによって図面情報に加えて設備情報や仕上げなど情報も一緒に管理するなどが挙げられます。

既にIoT技術を活用した施工を行った事例がいくつもあるので、一部を紹介していきましょう。

ドローン・ICT建機の導入

導入事例:秋田県大館市の河川改修工事

導入技術:ドローンによる現場の空中写真撮影及び測量・ICT建機の利用

ドローンを利用することによって、空中も撮影と測量を行うことによって、人では難しい3Dによる測量データを作成することができました。作業後に撮影することで、日々の出来形の確認を細かなデータで確認することができるなど、業務管理の見える化によって測量日数の短縮にもなります。

工事は機械が3次元データをもとに自動制御を行うICTマシンを導入することにより、仕上がり制度の向上と測量が不要になったことによる人員削減に繋がりました。

LS測量の導入

導入事例:島根県大田市の道路整備工事

導入技術:LS測量及びICT建機の利用

LS測量とは、「3Dレーザースキャナ測量」の略称であり、対象物にレーザー光を当てて跳ね返った地形情報を3Dモデルデータとして取得が可能です。このLS測量は平面のみならず、平面にいながら斜面の測量も可能になるため、今まで斜面に登って測量していて滑落の危険があった測量方法よりも安全にかつ正確に測量することができます。

工事にICT建機を利用することによって、若手オペレータでも熟練オペレータと同等の施工が可能になったため、品質と安定性が向上しました。

建築・建設業界でのIoT活用は、今後も拡大傾向

Reportocean.comは、令和2年(2020年)12月12日の記事において「IOT In Construction Market Research Report」というタイトルで、今後のIoT活用と今後の拡大について述べました。

同記事によると、建設市場規模における世界のIoTは、2019年(令和1年)の8,179.9百万ドルから、2027年には19,039.8百万ドルまで成長すると予想しています。

記事によると、米国に拠点を置く建設機械会社が実施した調査により、「現場での土木工事でIoTテクノロジーを使用すると、燃料消費量が40%、総工数が36%、プロジェクトフェーズが40%短縮されます。」という調査結果が載せられています。

建設現場のみならず、IoT活用は様々な場面で進められており様々な業界で拡大されています。

そこで最後に、IoT活用による将来の姿について一部見ていきましょう。

物件の内見の無人化

建物のIoT化事例として、扉の鍵の管理と制御を行うスマートロックが既に誕生しています。

扉の内側に取りつけることによってスマートフォンやパソコンから鍵の施錠と開錠を操作することができるようになる商品です。スマートロックを利用することにより、利用者や時間を限定して鍵の施錠と開錠を自由に行うことができます。

活用方法として、物件の内見の際に不動産会社の担当者などが現場に行くことなく、内見希望者からの連絡1つでわざわざ現場に行くことなく鍵の開け閉めと鍵の管理の両方を可能にします。

住宅で使う電力の制御

IoT活用は住宅などの家屋の電力制御システムの活用にも繋がっています。HEMS(Home Energy Management Systemの略)は太陽光発電などで得られた発電量及び、建物内で使用した電力量と電力市場に関連する情報に基づいて、電力使用量と売電量を自動制御するシステムです。

電力価格が安い時は売電せずに蓄電して、電力価格が高い時は売電するといった効率的な電力利用をしてくれます。

効率的なデータ活用

測量を3Dモデリングで行った場合、データ量は通常の測量図などよりも膨大になりパソコンのメモリーを圧迫することになるでしょう。しかしIoT機器が収集したデータはクラウドなどのネットサーバーに送信して保存が可能になるため、容量の大きなデータでも保存し続けることができます。

会社内でネットサーバーを共有させると、遠隔地にいる社員ともデータの共有がすることができるため業務効率も上がりるでしょう。

今後、AI技術が発展していけばIoT活用によって得られたデータをAIが分析して、最適な施工行程や施工計画を経てられるようになる可能性があります。IoT活用が進められることによって新しい技術が発見されて、生み出されていくでしょう。今まで人の手で行っていた建物の建築が、将来的には最低限の人員だけで出来るようになる未来は近いかもしれません。

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