ReTech メディア

HOME > ReTech メディア > IoT知識 > 高齢者を見守るIoT技術を紹介。今後の不動産業界に求められるIoT活用とは?

高齢者を見守るIoT技術を紹介。今後の不動産業界に求められるIoT活用とは?

日本における2020年の特殊出生率は1.34%で、5年連続の低下により少子化が進む一方、単身高齢者の数は増加の一途を辿っています。

不動産業界では、不動産そのものや家電・家具におけるIoTの活用を通して高齢者を見守ることが求められています。

では、高齢者を見守るIoT技術とはどういったものなのでしょうか。

日本で増加する単身高齢者世帯

内閣府が公開した「令和2年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らしの男女は増加傾向にあります。

昭和55年(1980年)には男性19万人、女性69万人(合計88万人)だったものが、平成27年(2015年)には男性192万人、女性400万人(合計592万人)に増加し、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、令和2年以降もさらに上昇することを見込んでいます。

また、同白書によると、”令和元年(2019年)現在の高齢化率は、最も高い秋田県で37.2%、最も低い沖縄県で22.2%となっています。今後も高齢化率はすべての都道府県で上昇すると見込んでいて、令和27年(2045年)には、最も高い秋田県では50.1%となり、最も低い東京都でも30%を超えて30.7%に達すると見込まれてい”ます。

また、”我が国の高齢化は、大都市圏を含めて全国的な広がりをみることとなる。”としています。

参考元:

4 地域別にみた高齢化|令和2年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

今後、日本では大都市部では人口は横ばいながら75歳以上の人口が急増し、町村部では75歳以上の人口の増加は緩やかであっても総人口も減少していくものと推定されることから、高齢者の安全・安心を見守る対策が必要であり、それは近くにいる人はもとより遠くに離れている人にも取り入れることができる対策が求められます。

単身高齢者世帯が増える原因

単身高齢者が増加する要因は、配偶者が死亡したために一人暮らしになったり、子供がいなかったり少なかったりすること、また核家族化が進んでいることが原因です。

また、高齢者の意識として、労働年齢が高くなっていることから経済的な心配がなく、生きがいを感じているので一人暮らしでも不自由を感じていないこと、今住んでいる所が気に入っているので子供から一緒に住むことを提案されてもあえて一人暮らしを続けている場合があります。なにより、気楽で良いからと一人暮らしを選択しているといったことも挙げられます。

一人暮らしのリスク

高齢者が一人暮らしをするうえで、どのようなリスクがあるでしょうか。

犯罪などに巻き込まれやすくなる

身近に相談できる人がいないために、一人暮らしのために振り込め詐欺にあったり、悪質な訪問販売の被害にあったりする可能性が高まります。

病気の進行に気がつけない

誰とも話していない生活が続けば認知症や介護度が進んでいたとしても、本人に自覚がないため気づくことができないことがあります。

話すことがあったとしても、病気はプライベートでデリケートなことであり、なかなか他人は相手にたずねにくい事柄でもあります。

孤独死

一人暮らしであれば孤独死は避けられないことだといえます。

万一亡くなっても誰にも気づかれないことや、助けを求めたくても声が届くところに人がいないことがあります。

一人暮らしのリスクを減らすための対策

一人暮らしのリスクを減らすための対策はどのようなことができるでしょうか。

毎日の食事に気をつける

高齢者が一人で暮らしていると食事の仕度がおろそかになりがちです。

そこで食事の宅配サービスを利用すれば毎日栄養バランスを考慮したバランスのよい食事をとることができます。

食事の宅配なら直接配達の際に顔を合わせるので安否の確認も可能です。

生協ではまさに食事と見守りサービスをセットにして提供しています。

参考:

見守り安心サービス|生協の宅配パルシステム

見守りサービスの利用

最近では様々な高齢者見守りサービスが提供されています。

郵便局などでも見守りサービスを提供していますし、IoT技術を活用した見守りサービスであれば遠く離れてくらしていても一人暮らしの高齢者を見守ることが可能です。

IoT技術を活用した見守りシステム

IoT(Internet of Things)とは、モノとモノをインターネット経由で接続して様々な情報交換を相互に行なう仕組みをいいます。

IoT技術を利用することにより、離れた場所からでも安否を確認することができるようになります。

室内カメラ・スマートロック

見守りカメラはいろいろな会社から販売されています。

その中で注目した2社を紹介します。

iSEED(アイシード)という会社はいろいろな見守りサービスを提供していますが、その中で見守り電話『タピア』というサービスがあります。テレビ電話としても使えるので直接会話をすることができますし、在宅介護の声かけや安否確認、薬を飲む時間を教えてくれたりもします。カメラは350度回転するので遠隔操作でも室内を見渡すことができます。おしゃべりパルモ タピア

ラムロックという会社からは『みまもりcube』という見守りカメラが発売されています。
cube本体にSIMカードが内蔵されているのでコンセントに差し込むだけで使えます。映像の確認だけではなく、会話もできます。
見守りカメラで高齢者見守り 徘徊防止|介護にみまもりCUBE

スマートロックは後付けできるドアロックで、インターネットで接続されたスマホにドアの開閉を教えてくれます。スマートロックもいろいろな会社から提供されています。
後付け「スマートロック」で見守り: 簡単装着・月額300円から可能な『bitlock LITE』発売へ:ビットキー :みまもりプレスNEWS SHEET
スマートロック「Qrio Lock(キュリオロック)」でドアの鍵の開閉をスムーズに!|MANOMA(マノマ) ソニーのスマートホームサービス

高齢者見守りセンサー

日立からセンサー式の見守りサービスが提供されています。

10畳程度のお部屋全体の動きを感知することができるので朝目覚めてからの動きをアニメーションで伝えてくれます。最大5人までスマホで対象者の動きを確認できるため安心です。

また日立からはこの見守りサービス「ドシテル」と冷蔵庫が連動して冷蔵庫の開け閉めで安否の確認ができるサービスも提供されています。活動センサーとアプリ通知について|日立の見守りサービス『ドシテル』

IoT技術を活用した見守り家電

「HelloLight」(ハローライト)は、LEDのON/OFFを通信で知らせることができる世界初のIoT電球で今ある電球をひとつ交換するだけで、見守り・防犯サービスが開始できます。電球内のSIMが発信するため、特別な専用機器やWi-Fiの設定は不要です。電球なので設置も簡単ですし、点灯消灯の動きがなければ安否がわかるので便利です。史上最もシンプルな見守り・防犯デバイス「HelloLight(ハローライト)」

象印マホービンからはi-pot(アイポット)という見守りサービスが提供されていて、ポット自体にも高齢者でも安心のうっかり触れてしまってもお湯がでない機能などがあり、ポットの使用状況で安否を確認することができます。商品について | みまもりほっとライン | 象印マホービン株式会社

東京電力では家電の使用状況をスマホに伝えるサービスを提供しています。分電盤にセンサーを設置することで家電の使用状況を確認出来ます。東京電力だけではなく、沖縄以外の日本全国のどの電力会社と契約中でも利用可能です。
高齢者見守りサービス「遠くても安心プラン」|東京電力エナジーパートナー | くらしサポートサービス

ソフトバンクからはノバルスが開発した「みまもり電池」を利用した見守りサービスが提供されています。
このサービスのおもしろいところは家電ではなく、電池を見守りサービスに利用していることです。
離れて暮らす家族に安心をお届けする「みまもりサービス」を提供開始 | プレスリリース | ニュース | 企業・IR

高齢者の見守りは不動産業界にとっても大きな課題

下の図は東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数の推移を表すものです。

平成15年から続いて増加傾向にあり、高齢者の一人暮らしが増えていることからも、今後も増加傾向は続くものと見込まれます。

死因不明の急性死や事故で亡くなった人の検案、解剖を行っている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、平成28(2016)年に3,179人となっている

高齢者世代への対策

厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することを見込み、2025年を目途に重度の要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるように地域包括支援センターを中心にして地域包括支援システムの構築に力を入れています。

各地方の地域包括支援センターの活動状況を相互に情報交換して、地域にあった支援体制を整える取り組みをしており、例えば相談事があれば無償で呼び出せる相談ボタンを設置したり、消防に直接つながる緊急ボタンを備えた緊急通報システムを設置したりして、高齢世帯が自宅で安心して生活できるように工夫をしています。

地域包括ケアシステムの実現へ向けて

孤独死の不動産価格への影響

今まで心理的な瑕疵についての基準がなかったのですが、2021年5月20日から国土交通省がガイドライン(案)を発表しパブリックコメントを募集していたところ、現在は取りまとめ中でまとまり次第正式にガイドラインとして公表される予定です。

「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」(案)に関する意見募集について|e-Govパブリック・コメント

ガイドライン(案)では次の事項に該当する案件に「告示義務」があるとしました。

  • 他殺
  • 自殺
  • 事故死
  • 火災による死亡
  • 原因不明の死亡
  • 孤独死

嫌悪感を抱く人は少ないため、老衰や病死などの自然死、日常生活の不慮の事故(階段からの転落、入浴中の転倒、食事の誤嚥など)については告示義務がないとしています。

ただし、自然死であっても長期間にわたって放置され異臭が発生したものは告示義務があるとしています。

このように告示義務がある物件は『事故物件』とよばれており、事故物件は一般的に2割~5割程度は安くなると言われています。

不動産業界への課題

今後ますます高齢者が一人で暮らすことが増えることが予想されています。

賃貸住宅でも一人暮らしの方が増えていくと思われますが、紹介したような見守りサービスを付帯させることで不動産と安心をセットでサービスできることになります。

今後販売されるマンションや一戸建ての住宅でもこのようなサービスが付帯していれば安心感が増して購入意欲を刺激することが期待できます。

また、見守りサービスを付帯することは、高齢者の安否の早期発見ができることから孤独死の防止にも役立ち、事故物件となることを防ぐことができるメリットもあります。

お問い合わせ・資料請求、セミナー申し込み

SpaceCoreへのご質問はもちろん、まずはIotやAI導入を検討するかたへ市場調査資料のご提供やセミナー開催を行なっています。お気軽にお問い合わせください。