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IoTサービスの今後の展望を考える。将来期待されていること

IoTといった言葉を耳にする機会が増えましたが、実際に生活で利用している家庭はまだまだ少ないのが現状です。

今後、日本でIoT・スマートホームの導入が進めば、我々の生活はどのように変化するのでしょうか。

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日本のIoTサービス・製品の将来

まず、将来的に日本でIoTやスマートホームが普及するのかを考えてみます。
そもそもIoT機器はどういったことができるのか、日本と世界の普及率の比較などについても取り上げます。

IoT機器ができること

IoTの技術によって実現できる機能は、大きく分けて下記の4つに分類できます。

離れた場所からモノを操作する(例:外出先からエアコンをつける)
離れた場所からモノの状態を知る(例:外出先から自宅の室温や照明の状態を確認する)
モノや人の動きを検知する(例:人の動きに合わせて照明の点灯・消灯をする)
モノとモノを繋ぐ(例:スマートスピーカーで家電を操作する)

全ての機能に共通するのは、遠隔からモノの状態を知り制御することです。

現在実証実験が進む自動運転車のように、上記の機能を複数活用したIoTもあります。信号機からデータを受信して、自動運転車が交通渋滞の緩和に最適な判断をする取り組みなどが例として挙げられます。

人ではなくモノ同士が自動的に判断と動作をするので、安全性と生産性の向上が期待される技術です。

日本と欧米におけるスマートホームの普及率

IT専門の調査会社であるIDCJapanの調査によると、世界における2019~2023年のスマートホームデバイス出荷台数は年間平均成長率が14.4%にもなると予想されてます。

最も出荷台数が多いのは米国で、2023年には出荷台数が5億6,000万台に到達すると予測されています。
一方で、日本国内におけるスマートホームデバイスの2023年時点での予測出荷台数は、約1,353万台にすぎません。
米国と比べるとかなり少ないですが、2019~2023年の年間成長率は11.8%で市場の拡大は続くとみられています。

日本のスマートホーム普及率が低い3つの要因

なぜ日本のスマートホーム普及率が低いのでしょうか。その要因は3つあります。

1つ目は、日本の治安の良さです。空き巣等による犯罪発生率が低いことが影響している考えられています。
法務省の令和2年版犯罪白書によると、2016年の日本における侵入盗は59.9件でアメリカでは429.7件(人口10万人当たり)です。
スマートホームにおいて世界最大の市場になると予測されているのが、セキュリティ関連の分野です。
米国では戸建て住宅の割合が多く空き巣等の犯罪発生率が高いので、セキュリティ関連のスマートホームデバイスに対するニーズが特にあります。
日米の住宅に対する防犯事情の違いが、スマートホームの普及率に大きな影響を及ぼしています。

2つ目の要因は、住宅の広さです。
米国では敷地の広い戸建て住宅が多いので、ロボット掃除機やカーテンの自動開閉を行う機器の導入で家事にかかる労力を大きく減らすことができます。
一方で狭い住宅が多い日本では、高価なスマートホームデバイスを導入しても広い住宅ほどのメリットを得ることができません。
上記2つの要因によって、日本のスマートホーム普及率は米国に比べると遅れています。

3つ目は、購入時や毎月の維持に費用が発生するため、機器の購入を敬遠する人が多いということも挙げられます。インターネットに接続して利用する月定額のサービスも多く、そもそものインターネット環境を作るための費用なども考えると、導入を見送ってしまう人も多いでしょう。

将来、IoT製品の価格は安くなる?

先述のように、IoT導入が進まない要因として挙げられる導入費用やコストに関しては、将来的に改善されるかもしれません。その理由について紹介します。

IoT製品はコモディティ化することで低価格になる

IoT製品は、センサーのない通常の機器と比べると高価です。
IoT製品を機能させるためには、センサーを組み込まなければなりません。
それぞれの製品によってセンサーの種類は変わりますが、音や光や温度・湿度などを検出するものがあります。

しかし、IoT製品がコモディティ化することで、低価格で高性能な製品が増えていく可能性があります。
コモディティ化とは、高付加価値を持っていた商品の市場価値が低下して一般的な商品になることです。
例えば、パソコンが一般的に流通し始めた1990年の平均価格は約28万4000円ですが、現在は約2~3万円で購入できるものもあります。
IoT製品もパソコンと同様にコモディティ化すれば、センサーを組み込んでいない商品と同等の価格で販売されるかもしれません。

IoT製品のコモディティ化でサービスも低価格になる

IoT製品がコモディティ化すると、様々なサービスも低価格になります。
IoT製品を導入する企業が増えると、人件費の削減につながるからです。
例えば、ホテル業界のフロントではチェックインやルームキーの受け渡しに電話対応など、多くの業務を人間がこなさなければなりません。
また、インバウンド需要により客層が多様化していることで、多言語に対応できるサービスが求められています。

人員を増やさずにサービスの質を高めるためには、IoT製品を導入する必要があります。
IoTに対応したチェックイン機やスマートフォンを利用したキーシステムを導入すれば、フロントにスタッフを配置する必要がなくなります。
また、翻訳タブレットを設置すれば、様々な国の観光客に対してスタッフを介することなく質の高いサービスを実施できます。
IoT製品を導入する初期費用はかかりますが、サービスの質を低下させることなく人件費を削減できるのです。

低価格でスマートホームを導入することもできる

スマートリモコンやスマートプラグを使えば、低価格でスマートホームを導入できます。
IoT製品ではない古い家電も、インターネットに繋がったスマートリモコンやスマートプラグを介してIoT製品化することが可能です。

スマートリモコンは普段使っているリモコンの代わりに家電に指示を出してくれるので、テレビやエアコンなどの家電を外出先から操作できるようになります。
スマートプラグを使うことで、ホットカーペットや照明の制御もIoT化することができます。
スマートプラグに接続した製品の電気使用量をスマホのアプリで確認できるものもあるので、省エネや家計の見直しにも役立ちます。

将来、IoTが期待されていること

IoTやスマートホームは、日本が抱える社会問題の解決策としても期待されています。
具体的にどのような活用方法が考えられているのでしょうか。

日本における少子高齢化社会の将来像

日本の高齢化は1970年頃から始まり、他国に比べて極端に早く進行しています。
出生率も長期にわたって減少しており、平成期に入ってからは人口を維持するのに必要な水準を下回るようになりました。

総務省の日本の将来推計人口(平成29年4月推計)によると、日本における少子高齢化はこれからも進行していくと予測されています。

約50年後まで65歳以上の人口はほぼ横ばいで推移しますが、生産年齢人口である15~64歳の人口は大幅に減少していきます。また、高齢化率は現在よりも約10%上昇するとされています。

少子高齢化が進行することによって、多くの業界が人手不足に陥ります。
各業界の中でも、介護業界は最も深刻な人手不足になる業界の1つです。
介護を必要とする高齢者の人口が増え、働き手である生産年齢人口が減少するからです。
また、介護職は仕事の大変さに対して社会的評価が低く、平均年収も他の業界に比べると決して高いとは言えません。
そのため、離職率が高いという特徴もあります。

少子高齢化が進む社会では、空き家問題についても考えなければなりません。
自宅を所有する高齢者が子供の家や老人ホームに転居することで、空き家が発生します。
団塊世代の高齢化によって高齢者が急激に増えるとともに、空き家も一気に増えることになります。

IoTで遠隔地から高齢者の見守りや空き家の管理が可能になる

少子高齢化によって生じる様々な問題を、IoTの技術によって解消することが期待されています。
介護業界では、見守りのIoT製品が業務負担の軽減と介護の質の向上につながると注目されています。
人手不足になりがちな夜勤時でも、リアルタイムに高齢者を見守ることができます。
見守り型のIoT製品は、ドアやエアコンや家電、センサーマットなどがあります。
身近な製品に搭載されているので、介護施設だけではなく遠隔地にいる高齢の家族を見守ることにも活用できます。

社会課題の1つになってきた空き家の管理にも、IoTの技術を活用できます。
スマートセキュリティカメラを使えば、遠隔地からでも空き家の状況をスマホからチェックできます。
カメラが動きや音を検知した時にスマホに通知がくる機能もあるので、不審者の存在にリアルタイムで気付くことができます。

また、赤外線によって人を感知してアプリに通知をする機器もあるので、カメラが設置できない場所の防犯対策もできます。

IoTが少しずつ普及してきたことにより、IoT製品を導入するハードルは下がってきています。
少子高齢化による人手不足を補うためには、IoTなどのテクノロジーを積極的に駆使していく必要があるはずです。積極的に情報を集めていきましょう。

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