ReTech メディア

スマートホームで自宅のセキュリティ対策!具体的な活用機器や利用シーンも解説

スマートホームは、自宅のセキュリティや防犯対策としてどのように活用できるのでしょうか。スマートホームによる防犯対策の活用例や利用シーンについて解説します。

高まるスマートホームを活用したセキュリティ・防犯対策のニーズ

近年、自宅や家を犯行現場にした犯罪やトラブルが日々頻発しています。そういったなかで、自宅のセキュリティ対策にスマートホームの活用を検討する人が増えています。

高まるセキュリティ意識

現在、セキュリティ・防犯対策のニーズが高まっており、その背景には共働き世帯の増加や核家族化、単身高齢者世帯の増加などがあります。自宅を不在にしている時間が長くなる一方で、監視する人の目が足りなくなっているのです。

それに伴ってか、近年では自宅を狙った強盗事件が相次いでおり、より有効なセキュリティ・防犯対策が求められています。そうしたセキュリティ・防犯対策のニーズに応えるために、現実的かつ強力な手段が「スマートホームの活用」です。

約4分の1が「防犯目的」にスマートホーム家電を利用

2023年にスマートホーム家電情報サイト「BENRI LIFE」がスマートホーム家電の利用者818人に「スマートホーム家電の利用シーン」についてアンケート集計を行いました。

調査によると、「家電の自動制御」「家事効率化」といった主な利用用途に次いで、「防犯・ホームセキュリティ」と回答した方が4分の1以上(25.8%)を占めており、防犯意識の高まりがうかがえます。

「BENRI LIFE」の調査より

防犯の3大原則として「光」「音」「人の目」が知られていますが、スマートホーム機器の活用によって、これらの原則を機能的に代替することは非常に合理的だと考えられます。

ますます拡大するセキュリティ市場

世界的なコンサルティング会社のA.T.カーニーによるスマートホーム市場調査によると、スマートホームにおけるセキュリティ機器の市場が、2015年から2020年の5年間で約6倍(16億ドル→95億ドル)に急伸したことが分かっています(参考記事:ビジネスネットワーク)。さらに、スマートホームにおける防犯ニーズがその後10年間で7倍近く(615億ドル、日本円にして約8兆円)の市場規模に高まるとの予測を出しています。

A.T.カーニーの調査より

スマートホームデバイスを活用したセキュリティ対策事例を紹介

IoTや5Gなど通信技術の発展に呼応するかのように、高まりをみせる「スマートホームにおける防犯ニーズ」。

スマートホームデバイスはいまや、家庭内のあらゆる場面において優れた性能を発揮しています。専用のスマートホームデバイスを活用すれば、仕事や旅行、買い物などの外出・不在時でも、手持ちのスマートフォンでリアルタイムに自宅の様子がチェックできます。

セキュリティ対策には、具体的にどのようなスマートホームデバイス・機器が活用できるのでしょうか。それぞれの機器と活用事例を紹介します。

スマートロック

スマートロックは、スマートフォンなどで自宅のカギを開け閉めすることができます。鍵を忘れても開錠できたり、セキュリティ向上のためのオートロック化も可能です。

スマートカメラ

スマートカメラは、高画質な解像度でクリアな映像を記録でき、防犯の強い味方です。 従来の赤外線カメラと違い、夜間の映像もフルカラーで確認できます。赤ちゃんやペットの見守り・監視にも利用可能です。

スマート防犯センサー

設置された防犯カメラの場合、見破られるおそれもあります。開閉センサーを備えたスマート防犯センサーは、不審者に気づかれずに侵入を検知し、未然に犯罪行為を防ぎます。

防犯センサーライト

防犯センサーライトを用いた自動照明システムは防犯効率を高め、侵入や窃盗といった犯罪行為を防止します。

スマートホームによるセキュリティ対策のメリット

スマートホームデバイスを用いたセキュリティ対策には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

浸透しない日本のホームセキュリティ

日本のホームセキュリティ市場は、セコムと綜合警備保障(ALSOK)の2社が大半を占めています。 各社の公式サイトをみると、2023年時点のセキュリティ契約件数(個人)はそれぞれ154万件、47万件となっています。
参考:

合計すると約200万世帯ですが、これは日本の総世帯数(約5,300万世帯)のうち、わずか約3.8%に過ぎません。アメリカにおけるホームセキュリティの普及率(約20%)と比べると、かなり低い割合です。

その理由としては、治安のよさと生活格差の小ささが挙げられます。海外諸国に比べれば日本の平均的な地域はまだまだ治安がよく、安全面の心配はそれほど大きくありません。また、格差が比較的小さい日本では、侵入されるような大邸宅も少ないのが実情です。

ホームセキュリティのデメリット

ホームセキュリティサービスにはデメリットも存在します。

まず、システムの導入には高額な初期費用や月額料金がかかることです。また、ホームセキュリティについての情報が不足している点も、普及率が低い要因のひとつです。セキュリティの重要性や適切な対策について必要な情報が得られない場合、セキュリティシステムの導入に躊躇するでしょう。 

このように、費用や調べる手間をかけてまで、日本ではホームセキュリティを導入しようという発想になりにくいようです。

スマートホームによるセキュリティのメリット

昨今増えている犯罪などを考えると、お住まいの地域によって自宅のセキュリティが心配な方も増えていることでしょう。こうした不安を解消してくれるのが、「スマートホームによるセキュリティ」です。

従来のホームセキュリティと比べ、スマートホームによるセキュリティにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット①:低コスト

スマートロックやスマートカメラといった専用のスマートホーム家電や機器を利用すると、ホームセキュリティに比べて導入コストを抑えられます。

メリット②:カスタマイズ性が高い

一律のホームセキュリティサービスは、お住まいの住居や地域など、さまざまな個々のニーズに対応しにくいという欠点がありました。

その点、好みのスマートホーム家電や機器を利用すると、自宅の部屋割りやレイアウトに応じて自由にカスタマイズしたセキュリティ設計が可能です。

メリット③:他のスマートホームサービス・家電との連携が可能

防犯・セキュリティのためだけにスマート家電や機器を活用するとなると、導入コストが高く感じられるかもしれません。何よりもったいないのは、スマートホームシステムのさまざまな長所を活かせないところです。

スマートホームによるセキュリティの大きな強みは、スマートスピーカーやスマート照明など、他のサービスや家電と連携可能なことです。

日常的に利用する家電の利便性を高めたり、エンターテインメントやコミュニケーション活性化の目的にもスマート家電や機器は大変役立ちます。「防犯・セキュリティ」はスマートホームの持つ機能の一部に過ぎず、こうした住環境の向上は大きなメリットになるでしょう。

セキュリティが不安な方はスマートホームの活用を検討しましょう

防犯やセキュリティにとどまらず、スマート家電や機器の活用は家庭内のさまざまなシーンで有効です。

飛躍的な市場拡大に伴い、便利なスマート家電・機器は今後も続々登場する見込みです。安全性・コスト・利便性のトータルでみて、ホームライフがより暮らしやすく快適なものになることは間違いないでしょう。

  • トップ
  • よくある事例
  • スマートホームで自宅のセキュリティ対策!具体的な活用機器や利用シーンも解説