スマートキッチンで家事負担を削減できる?スマートキッチンの仕組みや事例を紹介

共働き世帯にとって、日々の家事は大きな負担になっています。なかでも毎日の食に関わるキッチンの家事に、頭を悩ます人も多いようです。
そういったキッチンでの家事負担の解決策として注目されているのがスマートキッチンです。スマートキッチンとはどのようなサービスなのかを解説します。
家事において負担を感じるのはキッチンまわり?
厚生労働省が発表している共働き等世帯数の年次推移を見ると、2020年度では68%の家庭が共働き世帯であると発表されています。また、今後も共働き世帯は増加していくと考えられています。
共働き世帯は仕事をしている時間が長いため、家事が負担に感じているケースが多いです。実際どのような家事が負担だと感じているのかをリンナイ「夫婦の家事分担」に関する意識調査をもとに紹介します。
家事の9割を妻が行っている
以下のグラフはリンナイが、全国2,350名の夫婦に対し、家事の役割分担を聞いた結果です。

グラフを見ると、「家事の9割を妻・1割が夫」が行っているという家庭が最も多いことがわかります。先述のように、共働き世帯が増加傾向にあるため、妻も仕事をしていながらも家事の割合が多く、家事を負担と感じる家庭が多いことが推測できます。
昨今では、家事の分担や「イクメン」といった言葉も生まれ、子育てや家事に参加する夫が増えているといわれています。しかし、男女の割合としてはまだまだ女性に家事負担の比重が多いようです。
妻の家事時間が長い
以下の表は妻の一日の家事時間と男性の家事時間の割合を示したものです。
家事時間 | 妻 | 旦那 |
---|---|---|
1時間未満 | 1% | 22% |
1時間~2時間 | 11% | 48% |
2時間~3時間 | 20% | 17% |
3時間~4時間 | 28% | 6% |
4時間~5時間 | 18% | 1% |
5時間~6時間 | 10% | 2% |
6時間以上 | 11% | 4% |
リンナイ「夫婦の家事分担」に関する意識調査より
女性の家事時間で最も多いのは「3時間〜4時間」でした。仕事をしている妻の場合1日の労働時間が8時間、家事の時間3時間~4時間、睡眠時間8時間と想定すると、自分の一日の自由時間は4時間~5時間程度しかありません。負担を軽減して効率よく家事をこなしたいと考えている家庭も多いのではないでしょうか。
家事の負担の多くはキッチンまわり

女性の多くは、キッチンまわりの家事を負担に感じているというケースが多いようです。毎日の献立を考えることやコンロなど調理機器の掃除・手入れなどが挙げられます。もちろん洗濯や掃除という意見もありますが、毎日違う料理を作らないといけないため、料理が効率よく行えれば家事もラクになるでしょう。そこでおすすめできるのがスマートキッチンです。次の項ではスマートキッチンについて詳しく解説します。
家事負担を軽減させるスマートキッチンとは
スマートキッチンは家事負担の軽減や効率化などが可能なため、近年注目を浴びています。実際どのような仕組みなのかを活用事例とともに紹介します。
スマートキッチンとは
スマートキッチンとはIoTが導入されたキッチンのことを指します。インターネットをつなげることで、キッチンや冷蔵庫内の食材データや、それらを使った毎日の献立を管理することができます。
さらにECサイトでの商品購買なども可能です。毎日の家事負担を軽減でき、なおかつ時短にもつながります。さらにオーブンなどにはカメラが搭載されており、自動で焼き加減や出来上がりを調整してくれるため、料理での失敗を軽減することが可能となります。
IoT家電を活用した家具を活用
近年ではIoTが導入された家電が多くあります。冷蔵庫であれば、買い物先で冷蔵庫内の中身を確認することができ、不足している食材をスマートフォンでチェックできます。スマートオーブンの場合、食材の温度管理ができ、適切な焼き加減を再現することが可能です。スマートキッチンと組み合わせれば、より家事の効率化が図るだけなく、負担を減らすこともできるでしょう。
広がるスマートキッチンサービス
レシピサービスを提供するクックパッドは、2018年にスマートキッチンサービスの「OiCy」を発表しました。「OiCy」はクックパッド内のレシピを、インターネットによって各家電に伝え、調理が行われるサービスです。
機器が自動で制御してくれるため、料理を簡単に行うことができます。また、同社では適切な調味料の分量を自動で計量してくれる「OiCy Taste」も発表しました。クックパッド内のレシピだけでなく、オリジナルの味付けにすることもできるようになります。ただし、現段階ではコンセプトモデルの状態であるため、発売は未定。しかし同社以外にもスマートキッチンに関するサービスは増えることが想定できるでしょう。
スマートキッチンはスマートホームと連動することで、活用の幅がさらに広がる

家事の負担を減らすスマートキッチンは、近年需要が高まっているスマートホームとの相性が高いです。とはいえスマートホームについて分からない方も多いため、ここでは概要を紹介します。これからマイホームの建築・購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
スマートホームとは
スマートホームとは、インターネットに接続された各家電や機器同士が、相互に情報をやりとりし、機器単体では難しいような制御や操作を行って住環境を快適にすることを目的としたサービスです。
たとえば、スマートエアコンとIoT温度計を連動させることで、設定した温度を下回った場合に自動で暖房が点くといった制御が可能になります。
また、住まいのエネルギー消費を管理することも可能で、省エネや消費電力の低減なども見込めます。
スマートホームのメリット
スマートホームにする代表的なメリットは、以下の3つが挙げられます。
スマホアプリ一台で自宅の家電を管理することができる
スマートホームにすれば、自宅のIoT家電の操作をアプリひとつで行うことができます。本来IoTが導入された家電は、それぞれのアプリで操作する必要があります。もちろん家電メーカーが同じであれば、ひとつのアプリで操作できることもありますが、冷蔵庫のメーカーと照明のメーカーが同じになるケースは少ないでしょう。しかし他メーカーであってもスマートホームにすれば、全て一つのアプリで家電操作が可能となるメリットがあります。
家事や防犯の効率が上がる
外出先でも洗濯物が終わった知らせや自宅の鍵の施錠状況の確認などが可能です。外にいても家の状況が分かる点は大きなメリットともいえるでしょう。外出した際、「家の電気の消し忘れがある」「鍵が開いたまま」という知らせが受け取れるため、無駄な電気代の削減や防犯にもつながります。
電気料金の削減につながる
HEMSを導入したスマートホームは月々の電気料金が見える化できるため、節電を心がけることが可能となります。その結果電気料金の節約が可能です。近年ではエネルギー不足が深刻化し、電気料金が高騰しております。スマートホームで電気料金を確認しながら生活すれば、節電することも可能です。