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不動産投資の利回り、最低ラインはどれくらい?目安や利回りを高める方法も紹介

不動産投資をする上で、「利回り」は非常に重要なポイントです。

利回りとは、投資した費用と回収した費用の割合のことで、何年で回収できるのかを知るための指標となります。そのため、利回りについて正しい知識を持つことで、納得のいく不動産投資にすることができます。

不動産投資における利回りについて知識をつけるとともに、利回りの最低ラインはどれくらいなのかについて考えてみましょう。

不動産投資利回りの最低ラインはどのくらい?

不動産投資で利回りは、どれくらいがOKラインなのでしょうか。投資用不動産の情報を取り扱っている健美家が公開している「収益物件市場動向マンスリーレポート2022年1月期」を見てみましょう。

ちなみに、このレポートで紹介されている利回りは、満室経営かつ経費などを差し引かない表面利回りです。そのため、実際に投資をはじめた際には、数字が異なってしまう可能性があることに注意しましょう。

全国の区分マンションの表面利回り

マンションの一室を投資用マンションとして購入し賃貸収入を得る場合(区分マンション)の利回りは、次のような結果となりました。

地域表面利回り(%)購入価格(万円)
全国7.521,498
北海道11.001,130
東北12.611,966
首都圏6.831,762
信州・北陸16.41448
東海9.061,421
関西8.001,132
中国・四国13.78639
九州・沖縄9.82919

利回りは全国で7%前後となりましたが、都心部とそれ以外のエリアで利回りの差が大きく、首都圏では6.82%となったものの信州・北陸エリアでは16%以上となっています。

ただし各エリアの購入価格にも大きな差があるため、どのエリアでいくらの投資をするのかが重要だといえます。

全国の一棟マンションの表面利回り

マンションの一棟を購入する場合は、利回りが低くなる傾向があります。

地域一棟表面利回り(%)一室表面利回り(%)購入価格(円)
全国7.857.521万6,775
北海道8.7611.001万4,583
東北8.4412.611万9,594
首都圏7.246.831万8,117
信州・北陸11.5416.411万0,597
東海9.129.061万4,254
関西8.478.001万3,999
中国・四国10.2013.781万6,073
九州・沖縄8.179.821万9,117

一棟マンションの場合、都市部になると区分マンションの利回りよりも高い利回り相場となっています。

表面利回りはあくまでも参考

表面利回りで、あくまでも参考までにしておきましょう。

一般的に、不動産投資における表面利回りの最低ラインは5%が目安だといわれています。そして、諸経費などを差し引いた実質利回りの最低ラインは3%が相場です。

また、利回りは不動産投資において、非常に重要なポイントであるものの、利回りだけにこだわるのは危険です。築年数の経った安い物件なら利回りは高くなりますが、借り手が見つかりにくくなり、長期間の空室が発生するかもしれません。また、メンテナンス頻度も多くなり、将来的に見れば利回りは悪化するでしょう。

このように、利回りは前述した相場を見据えながらも、ほかの投資プランを検討しておくことが重要です。

利回りの計算方法

そもそも利回りはどのようにして計算するのでしょうか。

また、利回りには「表面利回り」「実質利回り」といった種類があり、それぞれ特徴があります。

不動産投資を検討する上でもどの利回りに注力するのかによって結果が大きく変わるため、各利回りの計算方法と特徴は必ず知っておきましょう。

表面利回りの計算方法

表面利回りは年間家賃収入を物件購入価格で割り戻して計算されます。

表面利回りの計算方法は下記のとおりです。

表面利回り=年間の賃料収入 ÷ 物件購入代金 × 100

たとえば物件を3,000万円で購入し月15万円の家賃で賃貸に出しした場合、表面利回りは以下のように計算できます。

15万円 × 12カ月 ÷ 3,000万円 × 100=6%

購入を検討している不動産の現状と購入価格からおおよその収益を判断するために使われる利回りですが、空室の発生や経費、修繕費などは考慮しません。

そのため、あくまで概算の指標として扱われるケースが多く、具体的な購入の判断をする場合は後述する「実質利回り」を使って検討することが一般的です。

実質利回りの計算方法

実質利回りは、年間家賃収入から必要経費を差し引いて計算するため、より現実的な指標にできます。

実質利回り=(年間の家賃収入-年間の諸経費) ÷ (物件の購入代金+購入時の諸経費) × 100

諸経費には管理修繕費や固定資産税、都市計画税、設備修繕費、入居者募集にかかる手数料などがあります。物件購入時の諸経費とは、購入時に支払った仲介手数料や各種税などが含まれます。

つまり、前述した例では表面利回りが6%の物件であっても、年間必要経費が80万円必要だった場合は年間収益が100万円となってしまい、実質利回りは約3.3%となります。

このように、表面利回りと実質利回りは大きく乖離する可能性があることを知っておきましょう。

利回りが高い物件の傾向や利回りを改善させる方法

利回りが高い物件の傾向や改善方法を事前に知っておくことで、安定した不動産投資を実現できます。

利回りを高く維持できる物件の傾向や利回りの改善方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

物件の所在地付近で世界的イベントの予定があれば利回りに影響する

オリンピックや万博などの世界的イベントの誘致決定は、イベント終了後も人口流入が続くよう事業設計されています。そのため、誘致が決定したエリアと周辺のエリアは賃貸需要が増え、その結果賃料が上がりやすくなります。

不動産投資をするエリアを悩む場合は、世界的イベントの誘致決定エリアを厳選し検討することをおすすめします。

利回りを上げるコツは、日々の細かな点検やチェック

購入した物件の利回りを上げるには家賃を上げることが効果的ですが、そのためには「入居年数が長くなる物件」にすることを心がけましょう。

そして、そのためには共有部の電球切れを交換したり、リフォームによる設備の入れ替え、住民への声がけなどをしたり、住民が気持ちよく住むことができる環境づくりが重要です。

このように、住民と良好な関係を維持し家賃の使用目的が明確となっていれば、賃上げを受け入れてくれる可能性が高くなります。

利回りが高い物件にするためには購入時が重要

利回りを改善するためには賃上げが有効であるものの、すべての住民が受け入れてくれるかどうかは不明確です。

そのため、物件を安く購入し利回りを高い状態にしておくことが重要です。

不動産は指値交渉をすることが可能ですが、価格交渉幅が大きすぎると売主に拒否されてしまい、購入ができません。

しかし、物件購入価格を下げることで、初期利回りを高くスタートできます。

つまり、最初の購入価格をいくらにするのかをしっかり検討することで、不動産投資を安定継続できるかどうかが決まるといえるでしょう。

利回り高い不動産投資にはスマートホーム化がおすすめ

付加価値の高いマンションは当然賃料も高く維持できるため、利回りは高くなります。

そのための改善案として、スマートホーム化があります。

スマートホームは、スマートフォンと家中の家電をネットワークでつなぎ、家の外からでも家電を操作できるという特徴があります。

  • 家に着く10分前に冷暖房をつける
  • 最寄り駅に着いたらお風呂を沸かす
  • 急な来客があるので自動掃除機を作動させる
  • 部屋中の照明を声でオンオフする

このような動作をスマートホームでは行うことができ、非常に便利です。

また、各家電製品の電力量もチェックできるため、節電を見える化することも可能です。

こういった付加価値があるマンションは非常に人気となるため、入居率や利回りを高くできるでしょう。

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