一人暮らしの老人・高齢者を見守る製品を紹介。スマートホームは生活もサポート

少子高齢化が進む日本では、今後高齢者世帯が増加していくことは明らかです。それに伴い、一人暮らし、単身の高齢者世帯も増加することが予測されており、高齢者の体調管理や孤独死などは日本が抱える大きな社会課題です。

そういった一人暮らしの高齢者を支える存在として、IoTやスマートホームサービスに注目が集まっています。一人暮らしの高齢者や老人を見守り生活を支えるIoTやスマートホームサービスについて解説します。

日本では今後も一人暮らしの老人が増える

日本では少子高齢化により、一人暮らしの高齢者が増えており、社会問題になっています。

まず、資料から高齢化社会の現状や高齢者の一人暮らしにひそむリスクや孤独死など日本の現状について解説します。

日本では一人暮らしの高齢者・老人が増加の一途

日本では一人暮らしの高齢者・老人が増えており、社会問題になっています。

下記のグラフは内閣府が公表している「令和5年度判高齢者白書」から引用しています。

3 家族と世帯|令和5年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

65歳以上の者のいる世帯は令和3年では世帯数は2,580万9,000世帯と、全世帯(5,191万4,000世帯)の49.7%を占めています。

昭和55年では世帯構造の中で三世代世帯の割合が最も多くなっており全体の半数を占めていましたが、令和3年では夫婦のみの世帯及び単独世帯がそれぞれ約3割を占めています。

65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあり、今後も高齢者の一人暮らしはさらに増加していくと予測されています。

下記のグラフをみてみましょう。

65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は次のように変化しています。

  • 昭和55年には男性4.3%、女性11.2%
  • 令和2年には男性15.0%、女性22.1%

高齢者の一人暮らしには、様々な理由がありますが、主なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

頼れる人が周りにいない

少子化や核家族化が進んだことで近くに頼れる家族がいない方が多くなっています。死別や離婚などでパートナーがいなくなった場合もあるでしょう。

現状に満足しているので不自由を感じていない

生きがいがあったり、経済的な不安がなかったりするので不自由を感じず現状に満足している方が多いことなどが理由として考えられます。

誰かを頼らなくても生活していけることが一人暮らしを続けている原因になっているケースもあります。

あえて一人暮らしをしている

一人の方が気楽だという理由から一人暮らしを選択していることもあるでしょう。

他人と一緒に暮らして気をつかうことにストレスを感じたり、住み慣れた家から離れたくなかったりするので、あえて一人暮らしをしている場合もあります。

また、身内に迷惑をかけたくないという気持ちから一人暮らしを続けることもあるでしょう。

高齢者の一人暮らしにひそむリスク

一方で、高齢者の一人暮らしには、以下のような問題やリスクもあります。

孤独死

体調が急変しても、近くに誰もいないため、すぐに助けを求めることが難しくてそのまま誰にも知られずに亡くなってしまうこともあります。孤独死は年々増え続けているのが現状です。

認知症が自覚がないまま進行する

認知症の症状は自覚しにくく、一人暮らしの場合は誰からも指摘されないので自覚がないまま進行してしまうこともあるでしょう。

認知症の症状はさまざまですが、進行すると服薬や金銭の管理ができないなど日常生活に支障をきたすようになります。日常生活に支障をきたすようだと火を消し忘れるなどの危険につながることもあります。

詐欺や犯罪、消費者トラブルに巻き込まれる

高齢者を狙った詐欺などの犯罪が近年増えています。一人暮らしの高齢者は犯罪の標的にされやすいため注意が必要です。

高齢者が被害にあいやすい犯罪やトラブルには、還付金詐欺、架空請求、悪質リフォーム、定期購入トラブルなどがあります。

生活意欲が低下する

一人暮らしで家族や友人と交流する機会が少なかったり楽しめる趣味もなかったりすると生きがいが感じられず生活意欲が低下してしまう可能性があります。

日常的にコミュニケーションをとる相手がおらず誰とも顔を合わせることがなければ、自分の身なりに気をかけることがなくなったり、食事や入浴、掃除など基本的な家事すらおろそかになったりと、生活の質の低下につながってしまいます。

健康や病気の不安が生じる

高齢になると健康や病気について考える機会が増え、自身の健康状態に不安を覚える人も多くいらっしゃいます。一人暮らしの場合、病院に行くのも大変だったり、病気になったときに誰にも相談できなかったりすることもあるでしょう。

高齢者の孤独死の推移

次のグラフは、国土交通省が作成した「死因別統計データ」の一部です。

 このデータは、2003年から2018年までの15年間における、65歳以上の高齢者による孤独死の件数と割合を示しています。

(参考)死因別統計データ

このデータによると、高齢者の孤独死は年々増加傾向にあります。

 2003年時点では1,441人でしたが、2018年には3,867人になり、15年でおよそ2.6倍に増加しています。

また、高齢者の孤独死の割合も上昇しており、2003年時点では全体の0.5%でしたが、2018年には1.1%になっています。

高齢者の孤独死増加の原因としては、以下のような要因が考えられます。

高齢者の貧困化

年金の受給額の低下や、医療費や介護費の増加などにより、高齢者の貧困化が進んでいます。

貧困の高齢者は、医療や介護などのサービスを受けることが困難になり、健康管理や生活支援が不十分になります。また、貧困の高齢者は、社会的な支援や交流が少なく、孤立や孤独に陥りやすいです。

現役世代の単身世帯の増加

結婚しない、離婚する、子どもを持たないなどの理由により、現役世代の単身世帯が増えています。現役世代の単身世帯は、将来的に高齢者の単身世帯になる可能性が高くなることで孤独死のリスクが高まる要因になります。

また、現役世代の単身世帯は、仕事やプライベートなどのストレスや、自殺や事故などの突発的な死により、孤独死する場合があります。

地方や少子高齢化が進んでいる過疎地域などではさらにこのような問題が喫緊になっている

過疎地域では、高齢者の一人暮らしの問題がより深刻化しています。

過疎地域では、買い物や移動、医療や介護などの生活に必要なサービスが不足しています。

また、地域の人口減少や高齢化により、高齢者の見守りや交流を行う地縁団体やボランティアも減少しています。

過疎地域で高齢者の一人暮らしを支援するためには、民間企業や住民組織が新たな形で生活支援サービスを提供することが必要です。

たとえば、物流事業者や流通事業者が、本業を通じて高齢者の見守りや買い物支援を行うことや、地域住民がコミュニティビジネスとして生活支援事業を手掛けることなどがあります。

しかし、これらの取り組みにも限界があり、中長期的には、国や地方自治体が高齢者支援の環境整備や将来ビジョンを示すことが重要です。

一人暮らしの老人を見守るスマートホームサービス

IoT製品やサービスを活用することで一人暮らしの高齢者を見守ることができます。

ここでは、スマートホームサービスを利用してどのように一人暮らしの高齢者をサポートできるかについて解説します。

スマートホームサービスとは

スマートホームサービスとは、インターネットやIoT(モノのインターネット)などの技術を使って、家の中の環境や機器を自動化・最適化・遠隔操作するサービスです。

高齢者の見守りには、以下のようなサービスがあります。

見守りカメラ

部屋に設置したカメラで高齢者の様子をスマホやPCから確認できるサービスです。

動きや音の検知、夜間撮影、会話機能などが搭載されているものもあります。Wi-Fiがなくても使えるSIMカード内蔵タイプのものもあります。

見守りカメラについてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:ペット見守りサービスを解説。見守りカメラの仕組みや選び方のポイント

見守りセンサー

部屋に設置したセンサーで高齢者の動きや生活リズムをスマホやPCから確認できるサービスです。温度や湿度、明るさなどの環境情報も測定できます。異常があった場合は通知やアラートを送ってくれます。

ペット型ロボット

ペットのような外見のロボットで高齢者とコミュニケーションをとるサービスです。見守りカメラやセンサーの機能も備えており、音楽やダンスなどで楽しませてくれます。

これらのサービスは、高齢者の安全や健康を確認するだけでなく、孤独や孤立を防ぐ効果も期待できます。ただし、見守りサービスを利用する際は、高齢者のプライバシーや意思を尊重することが大切です。

IoTによる高齢者の見守りの事例

IoTとはInternet of Thingsの略語で、モノとモノとがインターネットを介してつながることをさしています。

ひと昔前ではインターネットにつながることが想像できなかったような家電製品にも次々と搭載されてきていることから、これらの家電製品が高齢者の見守りに活躍しています。

インターネットに不慣れな高齢者にとっても日常生活でいつも通りに家電製品を使えばデータが収集される製品も多いため、敷居が低く手軽に導入できる見守りのひとつといえるでしょう。

また、IoT機器の導入には、大がかりな工事は不要で、手軽に導入できるのも魅力になっています。

IoT電球

LED電球のON/OFFを通信で知らせてくれるIoT電球があります。自宅で使っている電球を、ひとつこれに交換するだけでよいのが特長です。

点灯すると電球内に内蔵されたSIMがデータを発信し、登録したアドレスにお知らせが届く仕組みです。電気をつけっぱなしだったり、逆に点灯しなかったりした場合にも、お知らせが届くので高齢者の状況を知ることができます。

宅配会社が、この商品を使った「見守りサービスプラン」を実施しています。家族と離れて暮らしている高齢者宅にも電球を取り付けにいってくれたり、異常を検知した見守る側の家族からの依頼があれば訪問をしてくれたりするので安心です。

IoT見守りセンサー

インターネット環境があれば、部屋に置くだけで使えるIoT見守りセンサーです。室内の温度や湿度、明るさ、見守られる人の動きなどを検知します。

見守る側は、離れていてもスマホアプリで現在の状況を確認することができます。「アラート」を設定しておくことで、特に危険なときには自動的にアラート通知をしてくれる機能もあります。

IoT家電ポット

コンセントさえあれば使用できる手軽さが、高齢者の利用にマッチしています。

古くは2001年に調理器具メーカーから発売され有名で、20年以上の実績があります。

無線通信機器を内蔵しているので、設置工事も室内のインターネット環境も不要です。

ポットを使うと、その使用状況を1日2回、メールで届く仕組みになっています。

「おでかけボタン」を利用すれば、高齢者は「おでかけボタン」を押して外出したことを知らせ、帰宅したら解除して無事に帰宅したことを知らせるようなこともできます。契約者専用ホームページでは、ポットの使用状況をグラフ化したものを見ることができ、生活リズムを把握しやすくなっているのもよいですね。

開閉センサー

玄関・冷蔵庫・トイレなどに設置して、ちょっとした生活の変化に気づきを与えてくれます。

設置したドアの開閉をセンサーが検知してスマホアプリに通知します。

近くで生活していなくても、また毎日電話をしなくても、ドアの開閉がいつも通りなら安心です。

「きちんと生活できているかな?」「何か異常は起きていないかな?」と、そっと見守ることができます。

また、冷蔵庫のドア閉め忘れ対策としても有効です。

室内カメラ

「今」の様子をチェックしながら、自然に声掛けできます。

室内カメラに映った親の様子を、リアルタイムの映像で確認できます。カメラを通して相手の状況を見ながら声掛けができるので、「今日は顔色がよくないけど大丈夫?」「天気予報では寒くなりそうだから暖かくして出かけてね」など、自然なコミュニケーションが可能です。

また、転んだときの状況を、録画でピンポイントに確認できるのもよい点です。

万が一の事故があったときの状況は、カメラの録画でチェックできます。

人の動きをセンサーが検知して追いかけて記録できるのも便利な機能です。

ペット型ロボット

一人暮らしの老人の見守りに加え心のケアを兼ねたペット型ロボットも近年注目が集まっています。

ペット型ロボットは、動物のような見た目や動きを持つロボットです。ペット型ロボットには、以下のような特徴や種類があります。

  • ペットを飼えない人や高齢者などに癒しやセラピー効果を提供することが可能
  • タッチセンサーや音声認識機能、人工知能などの機能が搭載されており行動や反応を学習することで、性格や行動が変化する

スマートホームサービスは、高齢者の生活も支える

スマートホームでは、高齢者の見守りだけでなく、一人暮らしの高齢者の日々の生活をサポートしてくれるので、高齢者が一人で暮らしても安心・安全で、快適な生活を送ることができます。

高齢者の日々の生活をサポートする機能とは?

スマートホームは見守りだけではなく、一人暮らし高齢者の日々の生活をサポートする機能もあります。

たとえば、以下のような機能があります。

スマートスピーカー

音声で操作できるスピーカーで、天気やニュース、音楽などを聞いたり、電話やメールを送ったり、家電を制御したりできます。孤独感を和らげたり、コミュニケーションを促進したりする効果があります。

スマートプラグ

コンセントに差し込むだけで、普通の家電をスマート化できるプラグです。

スマホやスマートスピーカーから遠隔操作できたり、タイマーやセンサーで自動化できたりします。電気代の節約や忘れ物の防止などにも活用されています。

スマートカメラ

室内や玄関に設置できるカメラで、スマホやPCから映像を確認できるサービスです。

防犯やペットの見守りにも使えます。また、家族や友人とのビデオ通話も可能です。 

在宅介護で活用されているIot技術についてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:在宅介護で活用されるIotを紹介。在宅介護の負担を軽減する機器はどのようなものがある?

スマートホームサービス会社に問い合わせてみましょう

高齢者の見守りや利便性を高めるためにスマートホーム化を検討するときには、スマートホームサービス会社に問い合わせてみましょう。

スマートホームサービス会社を利用すると以下のようなメリットがあるからです。

専門的な知識や技術が不要

スマートホームサービス会社は、スマートホーム化に必要な機器やアプリ、ネットワーク環境などを提供してくれます。また、設置や設定、保守やサポートなども行ってくれるので、自分でやるよりも手間や時間がかかりません。

安全性や信頼性が高い

スマートホームサービス会社は、スマートホーム化に関する最新の技術やトレンドを常に追っています。

また、セキュリティやプライバシーの対策も万全にしています。自分でやると、セキュリティリスクや不具合の可能性が高まりますが、スマートホームサービス会社を利用すれば、安心してスマートホームを楽しめます。

コストパフォーマンスが良い

スマートホームサービス会社は、スマートホーム化に必要な機器やアプリを一括で提供してくれます。

また、省エネや節電などの効果も期待できます。自ら導入しようとすると、機器やアプリの選択や購入、設置や設定などにかかる費用や手間が大きくなりますが、スマートホームサービス会社を利用すれば、コストパフォーマンスが良くなります。