玄関の鍵で防犯性を高めるには?|工事不要のグッズからスマートロックまで徹底解説

スマートロック
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住宅への侵入窃盗被害を防ぐためには、玄関の防犯対策が非常に重要です。防犯性の高い鍵の選び方から、補助錠の活用方法、さらには玄関ドア全体の防犯強化まで、詳しく解説していきます。

空き巣の侵入経路は主に玄関!鍵の防犯対策は必須

警視庁が公開している「東京の犯罪(令和5年版)」によると、令和5年に東京都内で侵入窃盗犯罪における住宅への侵入経路として最も多いのが「表出入口」でした。

空き巣犯は、まず玄関の鍵を解錠しようと試みることが多く、そのため玄関の防犯対策は住宅防犯の要となります。

特に、マンションやアパートなどの集合住宅では、窓からの侵入が難しい上階の場合でも、玄関が狙われるリスクは変わりません。そのため、居住形態に関わらず、玄関の防犯対策は必須といえます。

防犯性が低いといわれている鍵の特徴

防犯対策を考える前に、まず防犯性が低い鍵の特徴を理解しておく必要があります。一般的なシリンダー錠は、その構造上ピッキングに対して脆弱性があり、解錠用の特殊工具で比較的簡単に開けられてしまう可能性があります。

また、古い南京錠タイプの鍵は、構造が単純で解錠されやすく、経年劣化により強度が低下している可能性もあります。

さらに、簡易タイプのレバーハンドル錠は、基本的な工具で解錠できることがあり、物理的な強度も比較的低いとされています。こうした鍵を使用している場合は、早めの交換や補助錠の追加を検討することをおすすめします。

防犯性が高く空き巣に狙われにくい鍵の種類

防犯性の低い鍵の特徴を理解したところで、次は実際の対策について考えていきましょう。近年は技術の進歩により、様々な高セキュリティな鍵が開発されています。代表的な防犯性の高い鍵について、その特徴や選び方のポイントを詳しく解説していきます。

ディンプルキー

ディンプルキーは、鍵の表面に複数の凹みを持つ高セキュリティな鍵です。複雑な溝パターンにより、ピッキングが極めて困難な構造となっています。特殊な加工が必要で鍵の複製が難しく、また耐久性も高いため長期使用に適しています。

賃貸物件での使用を検討する場合は、必ず大家さんや管理会社に確認が必要です。多くの場合、シリンダーの交換であれば許可が得られやすい傾向にあります。また、工事費用も比較的リーズナブルなため、防犯対策の第一歩として検討する価値があります。

補助錠

補助錠は、既存の鍵に追加で設置することで、防犯性を高めることができる製品です。取り付けも比較的簡単で、賃貸物件でも使用できるものが多いのが特徴です。ドアガードやチェーンロックなどの基本的なものから、二重ロック機能付きの高機能なものまで、様々なタイプが存在します。

設置する際は、ドアの材質や構造を確認し、適切な取付方法を選択することが重要です。また、防犯性能の高い製品を選ぶ際は、CP認定製品(優良防犯機器認定製品)を参考にするとよいでしょう。

スマートロック

近年特に注目を集めているのが、スマートロックです。スマートフォンと連携して施錠・解錠が可能で、遠隔操作や入退室記録の確認もできます。また、暗証番号やICカード、指紋認証など、複数の認証方式に対応している製品も増えてきています。

工事不要で後付け可能なタイプも多く、賃貸物件でも使用しやすいのが特徴です。さらに、一時的なアクセス権限を発行できるため、来客対応やハウスクリーニングなどの際にも便利です。

スマートロックの選び方として重要なのは、通信方式とバッテリー持続時間です。Wi-Fi接続タイプは遠隔操作がしやすい一方で、電力消費が大きくなる傾向があります。Bluetooth接続タイプは、通信距離は限られますが、省電力で運用できます。

スマートロックについてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:スマートホームの鍵はスマートロックで快適に。活用シーンや選び方を紹介

玄関の補助錠について

防犯性の高い鍵の種類について理解したところで、次は補助錠について詳しく見ていきましょう。補助錠は、既存の錠前に追加で設置することで、二重の防犯対策を実現できる効果的なセキュリティアイテムです。比較的安価で、取り付けも簡単なため、防犯対策の第一歩として検討する価値があります。

補助錠の種類と特徴

補助錠を選ぶ際には、まず自身の生活スタイルや住居の状況に合わせて、適切なタイプを選択することが重要です。取り付け方法によって使い勝手が大きく異なるため、それぞれの特徴をしっかりと理解しておきましょう。

内付けタイプ

内付けタイプの補助錠は、室内側からドアに取り付けるタイプです。取り付けが比較的容易で、外側から見えにくいという利点があります。サムターン式やレバー式など、操作方法も選べます。ただし、室内からのみ操作可能なため、外出時の施錠には使用できません。

外付けタイプ

外付けタイプは、ドアの外側に取り付ける補助錠です。外出時にも使用できる点が最大の特徴です。一般的に、シリンダー錠タイプが多く、鍵穴が露出しているため、防犯性能の高い製品を選ぶことが重要です。特に、防犯性能の高いディンプルキータイプや、二重ロック機能付きの製品がおすすめです。

面付けタイプ

面付けタイプは、ドアと枠の間に取り付ける補助錠です。取り付けが最も簡単で、賃貸物件でも気軽に導入できます。ただし、ドアと枠の隙間のサイズに合わせる必要があるため、購入前の採寸が重要です。

より防犯性を高めたい場合は玄関ドアも対策すると効果的

インターホン

ここまで、鍵や補助錠による防犯対策について見てきましたが、より確実な防犯対策を実現するためには、玄関ドア全体の防犯性能を高めることも重要です。鍵による対策と合わせて、以下のような玄関ドアの防犯対策を検討してみましょう。

玄関ドアのガラス部分に防犯フィルムを貼る

玄関ドアにガラス部分がある場合、そこが弱点となる可能性があります。防犯フィルムを貼ることで、ガラスの破壊に対する耐性を高めることができます。飛散防止効果もあり、地震対策としても有効です。厚手のフィルムを選べば、カッターなどの刃物による攻撃にも強い耐性を発揮します。

ドアガードプレートを設置する

ドアガードプレートは、ドアとドア枠の隙間をカバーする金具です。こじ開けや工具の挿入を防ぐ効果があり、特に古いドアの防犯性能を高める際に効果的です。設置も比較的簡単で、賃貸物件でも使用できる製品が多いのが特徴です。

サムターンカバーを取り付ける

サムターンカバーは、室内側のドアノブ上部にあるサムターン(回転つまみ)を保護するカバーです。ガラス部分を破壊して手を入れ、サムターンを回して解錠する手口を防ぐことができます。特に、玄関ドアにガラス部分がある場合は、必須の対策といえるでしょう。

スマートインターホンの活用

最後に、玄関の防犯対策として欠かせないのが、来訪者の確認です。スマートインターホンを設置することで、スマートフォンと連携して外出先からでも来訪者の確認や応答が可能になります。録画機能付きの製品であれば、不在時の訪問記録も確認できるため、防犯意識の高い方におすすめです。

このように、鍵の対策に加えて玄関ドア全体の防犯対策を行うことで、より高い防犯効果が期待できます。自身の生活スタイルや予算に合わせて、できるところから少しずつ対策を進めていくことをおすすめします。

スマートインターフォンについてはこちらで詳しく紹介しています。
関連記事:スマートインターホン・スマートドアホンを解説。機能や製品選びのポイントを紹介