スマートインターホン・スマートドアホンを解説。機能や製品選びのポイントを紹介


スマートホーム技術の発展に伴い、従来の家電製品がより高機能で便利なものへと進化しています。そういったなかで注目を集めているのが「スマートインターホン」です。
スマートインターホンの基本的な概念から、その特徴、活用方法、選び方まで詳しく解説していきます。
スマートインターホンとは
スマートインターホンは、従来のインターホンシステムにIoT(Internet of Things)技術を組み合わせた最新のコミュニケーションデバイスです。基本的な機能としては、来訪者との音声通話や映像確認ができるという点で従来のインターホンと同じですが、スマートフォンとの連携や高度なカメラ機能などで、より安全で便利な玄関口の管理を可能にします。
スマートインターホンの最大の特徴は、インターネットに接続することで、家の中にいなくてもスマートフォンを通じて来訪者の対応ができる点です。これにより、外出先からでも宅配便の受け取りや不審者の確認ができるようになり、生活の利便性と安全性が大きく向上します。
スマートインターホンの特徴と機能
スマートインターホンには、従来のインターホンにはない多くの特徴や機能があります。ここでは、主要な機能について詳しく見ていきましょう。
スマートフォン連動機能
スマートインターホンの最も革新的な機能の一つが、スマートフォンとの連動です。専用のアプリをインストールすることで、スマートフォンがいわば「モバイルインターホン」として機能するようになります。来訪者が玄関に来ると、すぐにスマートフォンに通知が届き、外出中でもスマートフォンを通じて来訪者と会話ができます。
また、不在時の来訪記録をスマートフォンで簡単に確認できるため、仕事中に宅配便が届いた場合でも、スマートフォンを通じて配達員と会話し、荷物の受け取り方法を指示することができます。長期旅行中でも自宅の様子を確認できるため、防犯面でも大きな安心感が得られます。
カメラ機能と映像品質
スマートインターホンには高性能なカメラが搭載されており、鮮明な映像で来訪者を確認することができます。多くの製品が1080p以上の高解像度カメラを採用し、180度以上の視野角を持つ広角レンズを搭載しているため、玄関周りを広く見渡せます。
さらに、暗闇でも来訪者をはっきりと確認できる赤外線カメラによるナイトビジョン機能を備えている製品もあります。これらの高品質なカメラにより、従来のインターホンでは難しかった細かな表情や持ち物の確認が可能になり、不審者の早期発見や、宅配便の内容確認などに役立ちます。
録画機能
多くのスマートインターホンには録画機能が搭載されています。人や物の動きを感知して自動的に録画を開始するモーション検知録画や、録画データをクラウド上に保存し長期間のデータ保管が可能なクラウドストレージ機能を備えています。一部の製品では24時間365日の常時録画にも対応しています。この録画機能は防犯対策として非常に有効で、不審者の侵入があった場合の証拠として、また日々の来訪者の記録として活用できます。
双方向通話機能
スマートインターホンの基本機能である通話機能も、従来のものと比べて大きく進化しています。ノイズキャンセリング技術により周囲の騒音を軽減し、クリアな音声通話を実現します。また、エコーキャンセリング機能によりエコー(反響音)を抑制し、自然な会話を可能にします。
さらに、全二重通信により、お互いの声が重なっても途切れることなく会話できます。これらの機能により、外の騒音が大きい場所でも、または室内が反響しやすい環境でも、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
遠隔操作機能
スマートインターホンの多くは、スマートフォンを通じて様々な遠隔操作が可能です。信頼できる来訪者に対して、遠隔でドアのロックを解除したり、玄関周りの照明をアプリから操作したりできます。
一部の製品では、カメラの向きをリモートで変更することも可能です。これらの機能により、例えば留守中に信頼できる友人や家族が訪れた際に、遠隔でドアを開けることができます。また、不審な動きがあった場合に照明をつけて牽制するなど、柔軟な対応が可能になります。
スマートインターホンの活用事例
スマートインターホンは、その高機能性から様々な場面で活用されています。ここでは、代表的な活用事例をいくつか紹介します。
防犯対策としての活用
スマートインターホンは、その高性能カメラと録画機能により、強力な防犯ツールとして機能します。常時録画機能により玄関周りを24時間監視でき、AIが搭載されている製品では、不審な行動を自動的に検知し通知することも可能です。高画質な映像記録は、万が一の事件の際の重要な証拠となります。
例えば、夜間に不審者が玄関周りをうろついていた場合、モーション検知機能が作動して自動的に録画を開始し、同時にスマートフォンに通知が送られます。ユーザーはリアルタイムで状況を確認し、必要に応じて警察に通報することができます。また、日中でも留守中の訪問者をすべて記録できるため、空き巣などの犯罪抑止にも効果があります。犯罪者は、常に監視されているという意識から、ターゲットとして選びにくくなるのです。
宅配便の受け取り

外出が多い現代人にとって、宅配便の受け取りは大きな課題です。スマートインターホンは、この問題を効果的に解決します。外出先からでも配達員と会話ができ、安全な場所への荷物の置き場所を指示できます。不在時でも一度で受け取りが完了するため、再配達の手間が省けます。
仕事中に宅配便が届いた場合、スマートフォンに通知が来ます。アプリを開いて配達員と会話し、「玄関脇の宅配ボックスに入れてください」などと指示することができます。また、カメラで荷物の状態を確認し、破損がないかどうかをその場で確認することも可能です。この機能は、単に受け取る側の利便性を高めるだけでなく、配達業者の負担軽減や、再配達による環境負荷の低減にもつながる重要な解決策となっています。
高齢者や子どもの見守り
スマートインターホンは、高齢者や子どもの安全を見守る役割も果たします。高齢の家族の外出・帰宅を遠隔で確認したり、子どもが学校から帰ってきたことを親に通知したりすることができます。また、異常を感じた際にすぐに様子を確認できるため、緊急時の対応も迅速に行えます。
スマートインターホンの選び方
スマートインターホンを導入する際は、自分のニーズに合った製品を選ぶことが重要です。ここでは、選び方のポイントをいくつか紹介します。
設置環境の確認
まず、自宅の設置環境を確認することが大切です。既存のインターホンの有無や、電源の確保、Wi-Fi環境などを確認しましょう。多くのスマートインターホンはWi-Fiを使用するため、安定した接続が必要です。
分譲マンションの場合は管理組合の許可が必要な可能性もあるため、事前に確認が必要です。また、戸建ての場合でも、古い家屋では配線工事が必要になる可能性があるため、メーカーや施工業者に確認するようにしましょう。
電源タイプ(配線工事 vs ワイヤレス)
スマートインターホンの電源タイプは大きく分けて2種類あります。配線工事タイプは安定した電源供給が可能ですが、工事が必要です。一方、ワイヤレスタイプは電池式で工事不要ですが、定期的な電池交換が必要です。
配線工事タイプは、長期的な使用を考えると安定性が高く、メンテナンスの手間も少なくなります。一方、ワイヤレスタイプは、賃貸住宅や工事が難しい環境での使用に適しています。選択の際は、長期的な使用計画と初期コストを考慮して決定しましょう。
カメラ性能(画質、広角、ナイトビジョン)
カメラの性能は、スマートインターホンの重要な選択ポイントの一つです。解像度は最低でも1080p(フルHD)以上を推奨し、視野角は広角レンズで180度以上の視野を確保できるものが理想的です。また、夜間でもクリアに撮影できるナイトビジョン機能も検討しましょう。
高解像度のカメラは、来訪者の顔や持ち物をより詳細に確認できます。広角レンズは玄関周りの広い範囲をカバーし、死角を減らすのに役立ちます。ナイトビジョン機能は夜間の防犯対策として非常に重要で、暗い環境下でも来訪者をはっきりと確認できます。
スマートホーム連携の可能性
最新のスマートインターホンは、他のスマートホームデバイスとの連携が可能です。例えば、スマートロックと連携させることで、認証された来訪者に対して自動的にドアを開けることができます。また、スマートライトと連携させれば、来訪者が近づいたときに自動的に玄関灯をつけることもできます。
さらに、Amazon AlexaやGoogle Homeなどの音声アシスタントと連携させることで、「誰か来たよ」という音声通知を受けたり、「玄関のカメラを表示して」という音声コマンドでモニターに映像を表示させたりすることができます。このような連携機能は、より快適で安全な住環境を実現するのに役立ちます。
スマートロックの基本情報についてはこちらで詳しく紹介しています。
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セキュリティ機能
スマートインターホンは、インターネットに接続して使用するデバイスであるため、セキュリティ機能も重要な選択ポイントです。暗号化通信やパスワード保護、二段階認証などのセキュリティ機能が充実している製品を選びましょう。
また、ファームウェアの自動更新機能があるかどうかも確認しておくとよいでしょう。これにより、最新のセキュリティパッチが自動的に適用され、常に安全な状態を保つことができます。







