IoTとユビキタスの違いを解説。スマートホームでさらに便利な住空間を提供


インターネットをはじめとしたネットワークと機器、サービスを結びつける言葉として「IoT」や「ユビキタス」といった言葉があります。
この「IoT」「ユビキタス」の違いとはどういったものなのでしょうか。言葉の定義や現在のトレンド、これらの言葉と密接に関わるスマートホームについても解説します。
IoTとユビキタスの違いを解説
5Gの普及により、IoTやユビキタスといった、あらゆるものがインターネットでつながる世界となっています。IoTとユビキタスは似たような意味ですが、微妙な違いがあります。IoTとユビキタスの違いについて紹介します。
IoTとは
そもそもIoTとはどのような意味なのでしょうか。Iotを導入した住宅は屋外に居ながらも家の家電を操作することが可能となります。
IoTとはInternet of Thing(インターネット・オブ・シングス)の略称で、モノをインターネットで繋ぐことを意味します。
インターネットはパソコンや携帯電話などのみ繋がっていましたが、IoTの導入によりセンサー機器や住宅、家電製品などがクラウドサービスを通じて接続できるようになりました。その結果、モノがインターネットと接続されることによって、これまで埋もれていたデータをサーバー上で、処理、変換、分析、連携することが可能になります。
馴染みのあるIoT機器では、エアコンや冷蔵庫、スピーカーなどが挙げられます。それらのモノには、無線通信機能が搭載されており、Wi-Fi や Bluetooth を介して接続することができ、スマホ1台で遠隔操作することが可能です。
また、IoTは住宅のみならず、自動車、医療、建築、製造など、さまざまな業種にIoTは導入されはじめており、生産性の向上につながる次世代ネットワークシステムの一つです。
IoTとユビキタスの違い
IoTとユビキタスの概念は非常に似ていますが、ユビキタスは「状況や環境」を指し、IoTは「情報を活用してモノを操作・制御する技術」という意味合いで使われます。
ユビキタスはラテン語で「いたるところに存在する」という意味があり、インターネット環境があらゆる場所に整っていて、様々な情報に簡単にすぐにアクセスできる環境などを意味しています。たとえば数分に雨が降るといった情報がスマホ上に自動で通知されることなどは、ユビキタスが世の中に行き届いているからであると考えられます。
一方、「IoT」は先ほどの雨が降るという情報をインターネット上で得ることで、自動で窓シャッターの開閉を行う、洗濯物を取り込むといったモノの制御を行うことができる技術です。
IoT技術を支えている1つの側面として、場所を問わずにコンピューターやネットワークを使うことができる環境(ユビキタス)があり、IoT技術はさらにそれらの情報をもとに、モノの操作や制御を行うことができるのです。
ユビキタスからIoTで何が変わる?
現代トレンドは、ユビキタスからIoTへ変化したといわれています。総務省が公表した
「平成27年版 情報通信白書|ユビキタスからIoTへ」を確認すると、2000年代前半に構想された、「ユビキタスネットワーク社会」。近年ではスマホやタブレット等の普及だけでなく、モノ同士がセンサーを通じて無線通信できるような仕組みであるIoTが主流化しています。そのため、ユビキタスよりIoTという言葉で表現されることが増えてきました。
IoTデバイスの増加
総務省が発表した「令和3年版 情報通信白書|IoTデバイスの急速な普及」を確認すると、以下の画像の通り、IoTデバイスは急速に普及していることがわかります。

2016年から2023年まで、毎年右肩上がりに普及が続き、さらなる成長が予測されるデジタルヘルスケアの市場が拡大する「医療」、スマート工場やスマートシティが拡大する「産業用途」が増加傾向にあります。
IoTの導入は、生産性の向上と利便性の向上、人件費の削減など、各企業にとってはメリットばかりであり、今後もますます普及することが予測できます。
IoTが認知され始めたのは近年。そのため、ユビキタスという言葉を知らない方でも、IoTであれば聞いたことがある方も多いでしょう。ユビキタスからIoTで何が変わるかという以前に、そもそもユビキタスを知らない方も多いです。
IoTは社会的問題の解決につながる
IoTは社会的問題の解決につながります。日本では大地震などの自然災害やインフラの老朽化などの問題や、生産性の低下によるGDPの低下など、経済面も衰退していますが、IoTを導入することによって、解決の期待が高まっています。
IoTモニタリングシステムによる災害状況の把握と発信が可能となり、避難先の確保や生存確認などができます。
また、プラットフォーム型やクラウド型サービスの普及による働く環境の変化に対応できたり、生産性を高めることができるようになります。
家庭内のIoT活用はスマートホーム

家庭内でもネットワークを活用した生活利便性の向上が図られています。
以前は、ユビキタスホームといった言葉も使われていましたが、近年ではスマートホームが主流化されつつあります。ここではIoTが活用できるスマートホームについて紹介します。
かつてはユビキタスホームの構想があった
かつてはユビキタスホームという住宅の構想がありました。カメラやマイク、ディスプレイなどに人感センサーなどを設置したりし、ネットワークで相互接続ができる住宅です。
また各部屋の天井にはスピーカー、床には圧力センサーなど、音と人の位置、歩いた軌跡を求めることができ、 またドアの上部や廊下・キッチンの一部には赤外線の人感センサを取り付け、人が通過したことを検知することができます。
しかし近年では、IoTが認知されたことにより、IoTが導入されたスマートホームが主流化しています。スマートホームとはどのような住宅なのでしょうか。次の項で詳しく紹介します。
スマートホームとは?
スマートホームとは、Iotを導入した住宅のことです。家の家電をスマホ1台で操作できたり、HEMS(ヘムス)で電気消費量を確認できたりするため、エネルギー消費を抑えることができる住宅です。
スマートホームにすることで、「住環境の向上」「電気代の節約」「災害時の備え」になるメリットが挙げられます。
住環境の向上
IoTに対応した家電があれば、住環境の向上につながります。冷蔵庫の中身をスマホで確認できたり、帰宅時間や起床時間に合わせてエアコンを付けたりなど、生活環境が良くなります。
電気代の節約
HEMSがあれば、月々の電気料金が見える化されるため、節約を意識する方も多いです。エネルギー不足が深刻化している中、電気代が高騰しています。そのような観点からもできん代が見えるというのは大きなメリットでもあります。
災害時の備え
スマートホームに太陽光パネルを設置し、蓄電しておけば災害時の備えにもなります。2022年現在では、「首都直下地震」と「南海トラフ地震」が30年以内に70%の確率で発生すると内閣府が発表しています。大地震の発生時は、ライフラインの供給が止まる可能性も高いですが、スマートホームにしておけば災害対策にもなります。
スマートホームにすることで変わる住環境
先程もお伝えした通り、スマートホームにすることで住環境が大きく変わります。利便性だけでなく、施錠状況やカメラチェックなどによる安心感・安全性等の向上が見込めます。
また、エネルギー消費が見える化できるため、エネルギー不足や地球温暖化対策など、さまざまな社会問題に対応できることが可能となるでしょう。
スマートホームは今後ますます性能が向上し、快適な住環境を送ることが見込まれるため、今後ますます需要が高まることが予測できます。
スマートホームでできることについてはこちらで詳しく紹介しています。
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