スマートホームで活用されるセンサーを解説。各センサーの利用シーンも紹介

住まいを快適にするスマートホームには、さまざまなセンサーが活用されています。スマートホームとは、インターネットに接続されたデバイスやセンサーを使用して、家庭内のさまざまな機能の自動制御を可能にする住宅システムのことです。
スマートホームで使われているセンサーの種類や活用シーンにはどのようなものがあるのでしょうか。
スマートホームで活用されるセンサーの種類
スマートホームで活用されているセンサーの種類を紹介します。
人感センサー
人の動きや存在を検知するためのセンサーで、モーションセンサーとも呼ばれます。赤外線や超音波を利用して、周囲の環境に人の存在を感知します。
自動センサーライトや、自動ドアなどに備わっています。
光センサー
光の強さやレベルを測定し、その情報に基づいて照明やディスプレイの明るさを自動的に調整できます。
照明の自動点灯やディスプレイの自動調整、外部の明るさに応じた窓のブラインドやカーテンの自動開閉などに用いられます。
深度センサー
3Dセンサ―とも呼ばれ、人や物などの対象物の形状を「立体」として捉えることができるセンサーです。赤外線や光を使用して距離を計測し、物体や人の位置や動きを検知するために使用します。
温度センサー
物体や環境の温度を測定するためのセンサーです。室内の温度制御システムや冷暖房システムを自動的に適切な温度に調整することが可能です。
CO2センサー
二酸化炭素(CO2)濃度を検知するためのセンサーです。室内の空気品質を監視し、CO2濃度が高い場合に警告や通知を行います。
換気システムの制御や空気の質の改善が可能です。
音感知センサー
音圧による振動を検知し、音の高さや大きさを判別します。
スマートフォンの音声操作や、産業デバイスの異音検知などに利用されています。
開閉センサー
ドアが閉まっている状態なのか、開いている状態なのかを検知するセンサーです。ドアの開閉状態によって外出を検知するため、室温の最適化や自動制御、節電などに役立ちます。
血中酸素濃度センサー
血液の赤色の度合いを計測して血中酸素飽和度を測定します。
パルスオキシメーターなどに使われています。
スマートホーム機器に備わった各センサーの活用シーンを解説

各センサーが備わる家電や機器はどういったシーンで活用されているのでしょうか。それぞれの活用シーンについて紹介します。
防犯・セキュリティ
防犯・セキュリティの機能は、スマートホームに期待される大きな役どころです。
人感センサーや深度センサーの備わった自動セキュリティシステムを玄関や窓などに設置すれば、侵入者の外見や動きを検知・検出し、家屋への不審者の侵入を未然に防ぎます。
また、光センサーを利用した防犯センサーライトによる自動照明システムは防犯効率を高め、侵入や窃盗といった犯罪行為を防止します。
子どもやお年寄りの見守り
音感知センサーは、離れた部屋にいる赤ん坊の泣き声を検知できます。
また、人感センサーや開閉センサーの入っている見守りシステムは、子ども・お年寄り・障害者の方などを対象として、留守中や離れて生活する場合の見守りに役立ちます。
カメラ設置も有効な手段ですが、直接的なために人によっては監視されている気分になるため、毛嫌いされることもあります。
その点、人感センサーや開閉センサーは生活に干渉しません。「テレビの使用時間帯」「照明の使用時間帯」といった他のIoTデバイスのデータと照合することで、異常な行動パターンを高精度で検知できます。
空調管理
温度センサーを使用した空調管理システムは、室内の温度を一定に保ちます。エアコンに付いている温度センサーは高い場所に設置されているため、どうしても室温にムラが生じてしまいがちです。IoTデバイスの温度センサーを活用すれば、計測地点を自由に複数選べるため、適切な温度管理ができます。節電や電気代の節約にもなるでしょう。
また、室内のCO2濃度が上がり過ぎると、人間の活動に影響を及ぼします。CO2センサーの付いた空調管理システムは、CO2濃度の計測によって換気するタイミングを自動制御したり、換気を促すことができます。
衛生管理
新型コロナウイルスの影響によって、以前より衛生意識や衛生管理の必要性は高まっています。
毎日の掃除を楽にしてくれるロボット掃除機の活用は、衛生管理の新しいカタチです。「外出すると同時に掃除を開始する」ように、人感センサーや開閉センサーとの連携による自動化を行うことで、定型作業をさらに効率化できます。
また、家庭内の水道やトイレなどの共同利用にも、よりいっそうの気遣いが求められるようになりました。人感センサーを設置したスマートシステムは、物理的接触なしに水流やふたなどの制御を可能にするため、衛生面の心配を減らせます。マスク着用が不要になった現在も、ウイルス対策の要は換気です。CO2センサーの付いた空調管理システムは、室内CO2濃度の計測によって適切な換気を促進します。
エネルギー効率化
世界的に推進されているカーボンニュートラルの観点から、エネルギー効率化は重要な環境課題です。
光センサーや人感センサーによって自動制御できるスマート照明やスマート家電は、エネルギー効率化につながります。また、電気自動車へのシフトもそうした取り組みのひとつです。
スマートホームシステムと、電気自動車のバッテリー充放電の相性はとりわけ抜群です。電気自動車には充電時の温度を管理する温度センサーが備わっています。効率的な充電や電力逼迫時の放電によって、余った電気を相互活用すればエネルギー効率が高まり、大幅な節電が可能になります。
室内の明るさ調整
タイマーの設定によって、自動で開閉するカーテンは室内の明るさ調整に役立ちます。また、お住まいの地域や季節によって最適化するために、光センサーで屋外の明るさを検知することで、より適切なタイミングでカーテンを開閉できます。
光センサーや人感センサーの備わる自動照明システムは、使用時には適切な明るさで点灯し、不在時には消灯するため、無駄のない電力制御を実現します。
ライフスタイル
朝起きると、手間いらずでコーヒーをいれてくれる全自動コーヒーメーカー。決められた時刻に起動の設定もできますが、開閉センサーや深度センサーを併用すれば、起床したタイミングでいれたての本格コーヒーを作ってくれます。
ヘルスケア
健康の維持に欠かせないのが日々の睡眠ですが、その質を正確にチェックすることはこれまで難しいものでした。血中酸素濃度センサーや人感センサーの組み込まれたスマートデバイスは、睡眠時の動きを検知して睡眠状態をモニターリング・記録されるため、健康管理が手軽にできます。
機器操作・コミュニケーション
スマートホームデバイスに備わる音声認識・音声合成機能を生かして、会話による家電機器の操作や、対話コミュニケーションそのものが楽しめます。
片時も手が離せない乳幼児の世話や育児において、音声コマンドによる各種機器の操作は便利で欠かせません。
また、子供の知育や孤立しがちなお年寄りの認知症予防・介護など、さまざまな場面で対話コミュニケーションはたいへん有用です。
日々忙しく、時間を捻出しづらいライフスタイルを送る方にとっては、心強い味方でしょう。