Jグランド株式会社 SpaceCore導入ケース

Jグランド株式会社

Jグランド 土井康司執行役員と増倉智広次長

株式会社Jグランド 土井康司執行役員と増倉智広次長

Jグランド株式会社の企業紹介

Jグランド株式会社は、東証スタンダード市場上場企業であるJトラストグループの一員として、賃貸マンションや収益物件の開発事業を行っています。グループの金融ノウハウを活かした商品開発を行い、土地仕入れから設計・施工・販売・賃貸管理まで一気通貫のビジネスモデルを構築していることが特徴です。

同社の強みは「立地」へのこだわりにあります。一等地の土地を厳選して仕入れ、高品質なマンションを建設することで賃貸収支の安定性と低空室率を実現しています。RC造の「J-ARC」、木造の「J-Maison」、中古物件を再生した「Vintage Residence」の3ブランドを展開し、差別化を図るため、事業スタートの早期からIoTやスマートホームの導入に取り組まれています。

今回は、執行役員 事業戦略部長の土井康司さんと、建築部 設計課 次長の増倉智広さんに、「SpaceCore」導入の経緯やその効果について伺いました。

「SpaceCore」導入の背景と経緯

――「SpaceCore」を導入した経緯について教えてください。

土井執行役員

当社が現在の事業を開始したのが2021年8月頃で、最初は木造物件からスタートしました。第1号が「ROBOT HOUSE浦和」という物件です。

この物件を企画している段階で、他社との差別化できる要素を模索していました。他の物件と何が違うのか、どうすれば高い家賃設定が可能になるのかという発想からIoT・スマートホーム活用のアイデアが生まれました。当時はIoTという概念が少しずつ注目され始めた時期で、賃貸物件への導入はまだ珍しいものでした。特に木造賃貸アパートでIoT設備を積極的に取り入れている物件は当時ほとんどありませんでした。

土井康司執行役員

――多くのスマートホームサービスがある中で、「SpaceCore」を選ばれた理由は何でしょうか。

土井執行役員

当時はIoTサービスを提供する企業はそれほど多くありませんでした。スマートロックだけ、あるいは特定の設備だけ、といった部分的なサービスを提供する企業は存在していましたが、それらを包括的にセット販売できていたのはアクセルラボ社と数社程度でした。

やはり、一つのアプリから様々な機能を操作できるという汎用性が重要な選定ポイントでした。入居者にとっての使いやすさは非常に重要ですから、複数のアプリを使い分けるような煩雑さは避けたいと考えていたことが「SpaceCore」を選んだ理由の1つです。

増倉次長

コスト面でも努力していただきました。他社と比較すると20〜30%ほど安かった。投資商材として物件を販売するため、IoTを導入するとどうしてもコストアップになり利回りにも影響を与えます。この点は重要な判断材料でした

増倉智広次長

増倉智広次長

――IoT設備の導入によって、投資物件としての魅力や入居者の反応はどのように変化しましたか?

土井執行役員

正直に申し上げると、「効果はないわけではないが、そこまで大きくもない」程度です。定期的に入居者アンケートを実施しているのですが、「IoT設備があるから入居を決めた」と明確に回答する方はほとんどいません。

しかし、それはマイナスなことではありません。重要なのは、自然な形でIoT設備が存在し、入居者が日常的に便利さを実感できることです。そうした体験価値があれば、多少家賃が高くても受け入れられるのではないかと考えています。やはり物件全体としてのバランスが非常に大切です。

増倉次長

「IoT導入で家賃5,000円アップ」といったことを謳っているスマートホームサービスもあるようですが、実態はそこまで単純ではないと感じています。エアコン設置を理由に入居を決める人がいないのと同様に、IoT設備も既に当然の設備として認識されつつあるのではないでしょうか。

顔認証システムの活用、賃貸業務のDX化

――RC造の「J-ARC」シリーズでは、「SpaceCore」と連携したAkuvox社の顔認証システムも導入いただいています。

土井執行役員

当社のRC物件は敷地規模30坪程度の比較的小規模な新築物件もあります。そのため、エントランスに特徴を出しにくいという課題がありました。また、荷物や傘を持っている状態で鍵を操作するのは不便です。顔認証システムがあれば、そうした煩わしさなく建物に入ることができます。

J-ARC上石神井

顔認証システムが導入された「J-ARC上石神井」

また、セキュリティ面の重要性も高まっています。当社のRC物件では15〜20万円程度の家賃設定ですが、その価格帯の入居者はセキュリティやプライバシーへの要求が非常に高い。特に昨今は防犯意識が高まっていますので、顔認証システムは安心感の提供にも役立つでしょう。

J-ARC上石神井

エントランスに設置された顔認証のスマートインターホン

私は顔認証システムが今後、高級賃貸マンションの標準的な設備になっていくだろうと考えています。こういった新しいサービスも、今のうちから実装してノウハウを蓄積し、実用性を高めていくことは決して無駄ではありません。先駆的な取り組みは様々な課題を伴いますが、その分競争優位性にもつながります。

――「SpaceCore」導入によって賃貸業務にどのような変化がありましたか。

土井執行役員

「SpaceCore」導入の重要な目的の一つに、賃貸管理業務の効率化があります。当社は不動産開発だけでなく、賃貸管理も自社グループで行っています。従来は内覧時の鍵の受け渡しや物件管理で多くの人的リソースが必要でしたが、IoT導入によってこれらの業務が大幅に効率化されました。

スマートロックによって鍵の受け渡しが不要になるなど、物件管理の負担軽減に直結しています。鍵の紛失リスクや不正入室のリスクも低減されました。

増倉次長

将来的には、セルフ内覧システムの構築なども視野に入れており、より効率的な運営体制の確立を目指しています。

土井執行役員

民泊など新たな事業形態を検討する際には、IoT設備の存在が大きな意味を持ちます。鍵の受け渡しや入退室管理が自動化されることで、運営コストの削減と安全性の確保が両立できるのは大きなメリットです。

実際、新宿エリアで民泊物件を開発し、今年6月から運用を開始する予定です。私たちはこれを「民レジ」と呼んでいますが、通常の賃貸レジデンスとしても民泊施設としても運用可能な併用型物件です。この事業展開においても、IoT技術は不可欠の要素となっています。

この第1号物件には顔認証システムをまだ導入していませんが、今後の民泊併用型物件では必須の設備になってくるでしょう。宿泊施設としての利用を考えると、鍵の受け渡し管理などは非常に重要ですし、IoTの活用が効果を発揮する場面も多いと予測しています。インバウンド需要の高まりが進んでいる中、IoTを活用した新たなサービス提供が競争力になると考えています。

Jグランドこれからの戦略、展望

土井康司執行役員

土井康司執行役員

――アクセルラボ社への要望や改善点があればお聞かせください。

土井執行役員

今後、より高級志向の物件開発を進めていく計画があります。その中で気になるのがIoT機器のデザイン性です。高級感のある内装や外観に調和する、目立ちすぎないデザインを実現していただけると非常にありがたいです。

また、IoT技術に限定せず、多様な提案や情報提供を歓迎します。今も関連する補助金などの情報を提供いただいており、大変有り難いです。我々も常に新しい挑戦をしている会社ですので、単なるサプライヤーではなく、ビジネスパートナーとして一緒に成長していければと考えています。

――最後に、Jグランド社の展望やIoT活用戦略についてお聞かせください。

土井執行役員

優良立地の物件開発という当社の基本戦略は変わりませんが、IoT技術の活用によって物件の付加価値を高めていく方針も重要視しています。特に現在の金利上昇局面では、従来以上に物件の差別化が求められますので、IoTはその重要な要素となるでしょう。

私たちが目指すのは、単に数を追うのではなく、質の高い物件を提供し続けることです。そして、その質の一部としてIoT技術も活用していきたいと考えています。実際の運用データを集めながら、最適なIoT導入の形を模索していく方針です。

賃貸管理業務も非常に重視しており、管理効率化のためのIoT活用もさらに進めていきます。長期的な視点で責任ある管理運営を行うことがオーナーとの信頼関係構築につながりますが、その中でIoT技術の活用は大きな役割を果たすと考えています。

 

社名Jグランド株式会社
事業内容不動産売買事業(マンション及びアパート の開発、企画、販売)
不動産仲介事業
コンサルティング事業
設立2009年2月23日
URLhttps://www.j-grand.co.jp/

お問い合わせ

SpaceCoreやスマートホーム全般に関するご相談にお答えしております。また、導入を検討されている方に向けて、ウェブセミナーやメールマガジン、市場調査資料もご提供しております。

お問い合わせ

SpaceCoreやスマートホーム全般に関するご相談にお答えしております。また、導入を検討されている方に向けて、ウェブセミナーやメールマガジン、市場調査資料もご提供しております。